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ジグソウ:ソウ・レガシー【映画】

2017/12/26


 ある朝、ジョギング中の女性が見つけたバケツのような拘束具を被った男の死体を検視官が調べると、拘束具の中には上部が切断され下顎から下だけが残った頭部が現れます。死体の頸部にはジグソーパズルのピースの形をした傷があり、それが10年前に死んだジョン・クレイマーことジグソウの手口であることを伺わせるのでした。死体を調べるうちに体内からUSBメモリーが見つかり、パソコンで中のデータを再生してみると、ジグソウのメッセージが再生されます。声の声紋はジグソウのものと一致、死体に付着していた血液も彼のものでした。
「ゲームは始まった、4人の罪が償われるまで終わらない」というメッセージどおり、別の場所には4人の男女が隔離され、命を賭けたゲームが展開されていました。
 ベテランのハロラン刑事と若手のキース刑事は、検視官のローガンとエレノアが密会している写真を入手し、2人が共謀してジグソウの事件を模倣しているのではないかと疑いますが、ローガンは逆にハロラン刑事を疑っていました。ハロランは殺人ゲームが始まったことを告げる男を射殺しており、それが口封じだったのではと考えたからです。男の死体から出た銃弾とハロランの銃が一致すると、キース刑事もハロランを犯人だと信じるようになります。
 ハロランが入手したローガンとエレノアの密会写真の真相は、エレノアがジグソウのファンサイトに頻繁にアクセスしていることから彼女に不信感を抱いたローガンに追い立てられて、2人で彼女の秘密の場所を訪れた時のものでした。そこはエレノアの秘密の趣味のアジトで、ジグソウが設計した殺人トラップを忠実に再現したものが蒐集されているのでした。
 ローガンたちは、かつてジグソウが所有していた農場を今回のゲームが実施されている場所だと当たりをつけ、現場に急行しますが、そこにはすでにハロラン刑事が向かっていました。

 2004年に無名の監督によって手がけられた「SAW」は、ソリッド・シチュエーション・ホラーの金字塔として空前のヒットを飛ばし、計7作が製作され2010年に完結しました。その後も多くのファンからシリーズの継続を期待する声が絶えませんでしたが、7年ぶりについに新作が公開されました。しかも新シリーズ第1作と銘打っていますから、これからまたしばらく、あの強烈な恐怖が堪能できますね。
 公開に先立って、前シリーズをDVDでおさらいしておきたかったのですが、アメリカン・ホラー・ストーリーというスタイリッシュ・ホラーに没入していたので、そのいとまがありませんでした。
 SAWシリーズは、好きな映画はと聞かれればすぐに念頭に浮かんでくる映画のひとつなので、新シリーズ公開の報せを聞いた時には、飛びあがって喜びました。そして、実際に観た本編は、筆者の期待を裏切りませんでした。あの音楽、あの人形、ジグソウの声、なんて爽快な恐怖なんでしょう。恐怖が爽快とはおかしな表現かもしれませんが、前シリーズの雰囲気をしっかりと踏襲しているのは、ファンにとっては嬉しいものです。思わず「お帰り」と声をかけたくなります、もうジグソウはいないけど。
 ジグソウはいないけど、新シリーズのタイトルは JIGSAW です。和題は蛇足がついておかしなことになっていますが。ほんと、センスのない和題にはげんなりします。

 前シリーズは後半になると、ストーリーがかなり煩雑になってボケッとしていると迷子になりがちでしたが、今回は意外に単純明快なストーリーでした。ただ、犠牲者の死体から回収したUSBに託されたメッセージは、ジグソウことジョン・クレイマー本人の声が入っていますし、彼の血痕も検出されます。彼は死んでいなかったのでしょうか? 新シリーズのタイトルもジグソウですし。えええっ? と驚くのは観客のみならず、刑事たちもジョンの墓を掘り返しに行きます。さぁ、どうなるでしょうか。
 今回もまた、罪深き人間がゲームに参加させられ、血の惨劇が展開します。刑事たちと検察官たちが、別々のルートからそれを阻止し、真犯人を捕らえようと迫ってゆきます。
 そして、いよいよゲームが行なわれていると思しき場所にたどり着いた彼らを、ジグソウの巧妙な罠が待ち受けます。

 ネタバレになりますが、前シリーズの最後に登場したゴードン先生は、ジグソウの思想を継承する気満々で、多くのファンが、ゴードン先生による新シリーズ再開を待ちわびたと思いますが、製作者はそれほど単純ではありませんでした。ゴードン先生は、前シリーズ第1作で最初の被害者になったひとりですよ、念のため。
 ゴードン先生が初めて味わったジグソウゲームの恐怖は、世界中を戦慄させました。そして一瞬にして多くの観客を魅了し、すさまじい数のファンを育ててしまいました。あの経験でゴードン先生自身もジョン・クレイマーから大きな啓示を受けたようです。ですから、彼は新シリーズのどこかで重要な役割を担うはずです。

 映画のファンは世界中に数多く増殖しましたが、ドラマの世界でもジグソウのファンは少なくないようです。ジョン・クレイマーは猟奇殺人犯ではありますが、彼の思想やゲームの手口は多くのファンを魅了しました。なのでお話しの中にもジグソウのファンクラブが存在し、エレノア検視官もそのひとりでした。このシチュエーションが、ジグソウの世界観に拡がりをもたせています。ジグソウを継ぐ者の候補者は世界中に存在するというわけです。
 中には狂信的なん勘ちがい野郎もいたりして、エピソードが進むうちに模倣犯による犯行が登場するかもしれません。でもそのときは、ジョン・クレイマーが正義の鉄槌を下してくれることでしょう。彼が巧妙に張り巡らせたトラップと人脈は、彼が死してなお、大きな影響力を持ち、新シリーズも彼の名を冠するほどなのですから。
 新シリーズが、スピンオフ作品的なものにはならず、オリジナルストーリーの延長を描いた者であって本当に良かったです。新シリーズでまた新たなファンが獲得できると良いですね。

原題:JIGSAW。
2017年アメリカ、92分、同年日本公開。
監督:マイケル・スピエリッグ、ピーター・スピエリッグ 。
脚本:ジョシュ・ストールバーグ、ピーター・ゴールドフィンガー。
出演:マット・パスモア、カラム・キース・レニー、クレ・ベネット、ハンナ・エミリー・アンダーソン、ローラ・ヴァンダーヴォート、マンデラ・ヴァン・ピープルズ、ポール・ブラウンスタイン、ブリタニー・アレン、ジョシア・ブラック、トビン・ベルほか。

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