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ブレードランナー 2049【映画】

2017/12/07


 2019年、人間の代わりに労働力として利用される人造人間レプリカントの中に、自分たちの境遇に不満を抱いて反乱を企てる者が現れるようになりました。ブレードランナーはそれを取り締まる特別警察ですが、その一員である腕利き捜査官デッカードは、レイチェルという女性レプリカントと恋に落ち、消息を絶ちます。
 レプリカントの反乱の脅威から人間社会を守るため、彼らには製造から4年という寿命が設けられていましたが、その初期モデルが死滅したあと、タイレル社は安全で長寿のレプリカントを製造しました。
 ところが新型レプリカントによる大規模な反乱により、人間社会には危機的状況に陥ります。食料が途絶え、飢餓が蔓延しました。レプリカントの製造は中止され、タイレル社は倒産。しかしその後に進出してきたウォレス社が飢饉から人類を救い、再びレプリカントの製造に着手します。

 2049年カリフォルニア。レプリカントは人間社会に溶け込み、その多くは人間に従事していましたが、中にはひそかに自活している者もいました。ブレードランナーは、現在も違法生活者であるレプリカントを取り締まる特殊警察として稼働していました。
 ロス市警所属のブレードランナーKもそのひとりですが、彼自身レプリカントで、捜査官として自立しているものの、毎日精神状態のチェックを受けていました。
 ある時、ウォレス社の農場で働いている男の正体を突き止めたKは、男の家に侵入し彼を追いつめますが、彼の家やその周囲を捜索し、木の下に埋葬された女性の古い死体を発見しますが、検視の結果その女性がレプリカントで出産の跡があることが判ります。
 生殖機能は人間だけのものでなければなりません。上司はKにこれに関する一切の証拠を隠滅してしまうことを命じますが、Kは捜査中に木の根元に61021という数字が彫ってあるのを見つけ愕然とします。彼の遠い記憶にある小さな木製の馬に掘られた数字、すなわち彼の誕生日、6月10日21年と同じだったからです。

 レプリカントには、人間のように生きて活動できるように疑似的な記憶が刷り込まれていますが、Kが持つ記憶は、実在する人間のものなのでしょうか。彼は、それを知るためにレプリカントの記憶を製造するアナ・ステリン博士を訪ねます。博士は、Kの記憶を見たとたん、それが実在した人間の記憶であることを告げ、なぜか涙を流します。
 Kは上司を無視して独自の捜査を続け、旧市街を訪れ、30年前に失踪したブレードランナー デッカードに出会います。

 1982年公開の前作「ブレードランナー」の監督リドリー・スコットが製作総指揮で参加した同作品の続編です。続編ですが前作との間に30年の歳月が流れておりまして、そのつなぎとなる短編アニメ「ブレードランナー ブラックアウト2022」というのがあって、短編ながら一連のストーリーをつなぐ機能をよくこなしているそうです。
 暗くて物悲しくて、東洋色の濃い壮麗な未来都市が霧と雨でかすんでいます。そして耳を聾する騒音のような重低音のBGM、この独特の雰囲気は前作をよく継承しています。しかし前作から35年も経っているので、街の様子はかなり洗練されていてひじょうに壮観です、目を奪われるほど美しいです。
 日本語もたくさん登場します。ブレードランナーが操縦するエアカーの計器にも日本語の表記があったりし、未来のアメリカでは日本語がかなり多用されているようです。広告では巨大な芸者さんが微笑んでいます。でっかいバレリーナも舞っています。ホログラムの巨人の女性が普通に話しかけてきます。
 前作の舞台は2019年ですから、あと2年もすればこんな幻想的な街並みが展開し、レプリカントが稼働しますよ。楽しみですね。ただ、人間さまが彼らを非道に扱い、反乱を起こすようなことにならなければいいんですけど。

 前作では、疑似的な人間として作られたレプリカントに感情が芽生え始め、その中でも高い知性を示す個体が反乱を企てるというお話しで、AIの進化した未来に対する警鐘を鳴らしていましたが、今回は、レプリカントたちはさらに人間的で、自分がそうであるという自覚はあるものの幼少の頃の記憶を作られていたりし、あらゆる面で生身の人間との差異がありません。そればかりか、子供を産むこともできて、その子はちゃんと大人になれます。
 レプリカントの製造技術がどんなものかは解りませんが、彼らは人と同じ機能と知性を持った存在で人と変わらぬ自意識と感情を持っています。腕力的にはかなり優れているようです。レプリカントは人類に新たな道を切り開く鍵になるかもしれません。その反面、そんなリアルなアンドロイドを完成させる技術に何だか後ろ暗いものを感じます。ウォレス社は何か大変なことを企んでいます。隠し持っている秘密はいったい何なのでしょう。
 そして彼らは、前作の時代よりもいっそう人間であることを切望し、人権を求め、より巧妙に反乱をしかけて来ます。この作品にも、後半になると大勢のレジスタンスが登場します。

 ブレードランナー・シリーズは、人間とレプリカントとの関わりを通じて、人間とは何かという哲学的なテーマを追い続けていますが、その観念的な側面よりも、壮麗な都市や深刻なストーリーを展開させることに重きを置いており、観客はその独特の映像に目を奪われている間は、哲学的なことに思いを馳せる余裕はありません。
 ありませんのですが、ストーリー展開はひじょうに重苦しくて軽快さがありません。人に寄っては途中で息切れしてしまうかもしれません。退屈はしないけれど、ずっしりと動かない空気に圧しつぶされそうになります。筆者も何度かめげそうになりました。

 Kは、レイチェルの息子なのでしょうか。ということはデッカードは彼のお父さん? 禁断に触れた家族はどんな暮らしをして来たのでしょう。いやいや、事はそう単純ではありません。K自身がそうではないかと疑い始めますし。でもその予想はちゃんと裏切られます。

 レプリカントの他に、ホログラムのジョイの存在が、本作では大きくなります。前作にも製品情報としてチラッと出ていたと思うのですが、本作ではKのパートナーであり恋人として寄り添います。最初はKの自室の中でしか存在できませんでしたが、携行用のホログラム出力装置により、彼女はKと坑道を共にすることができるようになります。
 でも彼女はAIとして知性や感情を持つものの実態がありません。彼女は娼婦の体を借りてKと触れ合おうとします。レプリカントと同じように、彼女も人間になりたいと切望しています。

 映画「ハンガー・ゲーム」シリーズでは、富裕層による貧困層の迫害がテーマになっており、「猿の惑星」シリーズでは、知性を持った猿たちとの共存共栄を人間様は拒みます。「ブレードランナー」シリーズでは、非人間なら差別して酷使してもよかろうという、しょうもない優越感が常識化されています。自分たちのステータスを存在の優劣に求めようとする低俗で下品な思慮が、世の中を殺伐としたものにし、究極的には破滅を招きます。
 かく言う私たちの暮らす現実社会が、すでにたいへん大きな格差や差別に毒されています。それに対して大多数の市民が無関心を決め込んでいます。現実はSFよりも恐ろしい悪夢です。

原題:BLADE RUNNER 2049。
2017年アメリカ、163分、同年日本公開。
監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ。
脚本:ハンプトン・ファンチャー、マイケル・グリーン。
出演:ライアン・ゴズリング、ハリソン・フォード、ロビン・ライト、アナ・デ・アルマス、シルヴィア・フークス、カーラ・ジュリ、マッケンジー・デーヴィス、バーカッド・アブディ、デイヴ・バウティスタ、ジャレッド・レト、エドワード・ジェームズ・オルモスほか。

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