kepopput.jpg

ミックス。【映画】

2017/12/05


 天才卓球少女として将来を嘱望されていた富田多満子は、しかしじつは卓球が大嫌いでした。幼いころから彼女にスパルタ教育を施していた母が病死すると、彼女はラケットを棄て、普通のOLとしての生活を始めたのですが、そこで知り合って告白された相手が全国レベルの卓球選手の江島晃彦。ところが付き合い始めて間もなく、卓球の女子エース小笠原愛莉が入社してくると、江島はさっさと彼女に鞍替えしてしまい、2人はミックスダブルスを組んで全日本を制覇し有名になります。
 意気消沈した多満子が実家に帰ると、母のいないフラワー卓球クラブは倒産寸前で、タクシードライバーの父は友人に騙されて借金を背負い、クラブを売ると言います。元ヤンにして現在は医師と結婚して玉の輿に乗った多満子の友人吉岡弥生がクラブを切り盛りしていましたが、会員と言えば、農家を営む中年夫婦と引きこもり高校生、怪我で引退したボクサーだけでした。元ボクサーの萩原久は、妻の浮気相手をなぐって会社を馘になり、土木現場で働いていましたが、娘が高校で卓球部に入部したことを知り、娘とラリーがしたいと思い立って、入会してきたのでした。
 弥生は、卓球の女王の帰還を大いに喜び、多満子をフラワー卓球クラブに誘いますが、彼女の重い腰を上げさせたのは、憎き江島と愛莉が仲睦まじくテレビに映っているのを見たからでした。
 ミックスダブルスで全国を目指す。女王はそう豪語し、フラワー卓球クラブの素人たちの特訓を始めます。

 ミックスダブルスは、参加人員が多くないので、私たちでも練習を積めば全国大会も夢じゃない。多満子はそう言いますが、登校拒否の引きこもり高校生と、農家のおじちゃんおばちゃん、夢破れ家族にも捨てられた元ボクサー、医師のセレブな付き合いで鼻つまみ者の元ヤン、そんなメンバーで全国を目指せるのでしょうか。
 高校の部活のスポ根ものとちがって、皆さんそれぞれに家庭や仕事をお持ちで、卓球に青春をかけるようにはゆきません。約1名高校生もいますけど。落合元信、美佳夫妻は、プチトマトの栽培が骨が折れると言って温室の縮小を考えていますし、高校生の佐々木優馬は家にも居場所がなくて、卓球をする以外はひとりで喫茶店にしけ込み、他の学生たちに後ろ指を指されています。かつてはボクサーとしてタイトルも取ったことがある萩原久は、今では道路建設現場で、上司に怒鳴られる毎日。吉岡弥生は誰もが羨むセレブ妻ですが、上流社会には馴染めず、医師妻仲間たちからは見下され、旦那の出世の足を引っ張っています。
 でも、そんなだからみんな白球に情熱を燃やすことができたのかもしれませんね。このままでは終われない、その思いがみんなを前へ突き動かします。

 みんながよく行くヘンテコ中国人夫婦が経営する中華料理店、この夫婦じつは卓球に関してはなかなかのすご腕で、猛特訓に力を貸してくれますよ。中国、卓球なんで強いか知ってるか、中国の練習どこよりも厳しいね。この2人も大会に出ればよかったのに。
 建設現場で、萩原をモヤシと呼んでバカにし、怒鳴ってばかりいるハゲの上司。でも彼はいじわるなおやじってだけではないです。萩原のことをちゃんと見てます。くじけずに頑張る彼のことしっかり応援しています。
 にがにがしい表情の堅物医師も、どうしようもない妻を嫌ってなんかいません。試合の日には客席の後ろの方にそっと姿を現します。
 試合本番になると緊張のあまりトイレから出られず、相手に不戦勝を与えてしまう落合元信と、その妻美佳が、それでもラケットを手放さないわけは、事故で亡くした息子が卓球少年だったからでした。

 へっぽこ軍団が、胸に秘めた熱い思いを糧に、試合で目にもの見せたるってお話しですが、いよいよクライマックスという時に大きな壁が立ちはだかります。江島があろうことか多満子とよりを戻したいと言い出し、彼女の心は揺れます。そして萩原の元妻と娘が彼を訪ねてきます。
 卓球を通じて、けっこういい仲になっていた多満子と萩原の間に亀裂が入ります。ピンチですね。
 でもでも、このままでは終われない、ですよね、やっぱ。

 高校演劇、書道、カルタと、青春映画にはたくさん泣かされましたが、社会人スポ根ものも素晴らしいです。社会人の場合、高校生とちがって"崖っぷち度"がちがいます。
 映画「くちびるに歌を」で、冷徹な臨時教員を演じた新垣結衣が、この作品では最初っからぶっ飛んでます。まるで別人です。役者ですねぇ。蒼井優のヘンテコ中国人も素晴らしかった。遠藤憲一と田中美佐子のプチトマト夫妻も泣かせますし、斎藤司の現場監督もよかった。ダメダメ美人セレブ妻はなんと広末涼子。そして新垣結衣と共にW主演を演じた萩原久役の瑛太ですが、こんなにたくさん演技している彼を初めて見たよ。じつに好演でした。
 主役もさりながら、脇役が輝いてることも作品にとってひじょうに大事です。名バイプレイヤーによる名演は優れた作品になくてはならないものだと、最近つくづく思うようになりました。小日向文世のタクシー父さんもよかったぁ。
 脇役が冴えないことを、脇があまいって言います、よね。

2017年、119分。
監督:石川淳一。
脚本:古沢良太。
出演:新垣結衣、瑛太、広末涼子、瀬戸康史、永野芽郁、佐野勇斗、森崎博之、蒼井優、山口紗弥加、久間田琳加 、鈴木福、谷花音、平澤宏々路、斎藤司、真木よう子、吉田鋼太郎、生瀬勝久、田中美佐子、遠藤憲一 、小日向文世 、水谷隼、石川佳純 、伊藤美誠、吉村真晴、浜本由惟、木造勇人ほか。

コメント
コメントする








   
この記事のトラックバックURL
トラックバック

目 次
能書き

思うこと全般

けぽっぷ体験

アイドルのこと

韓流映画

番外編


索引 韓流映画&番外編





  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  
<< October 2019 >>

サイト内検索

NEW ENTRIES










recent comment

links

プロフィール

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM