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アトミック・ブロンド【映画】

2017/11/30


 1989年、ベルリンの壁が崩壊し、アメリカとソビエトによる東西冷戦時代が終焉を迎えようとしていた年。イギリス情報局MI6が派遣した女性諜報部員ローレン・ブロートンは、世界情勢を左右するリストの奪還の任を帯びてベルリン入りしました。すでに潜入しリストを手にしている諜報員デヴィッド・パーシヴァルと合流し、ミッションは比較的簡単にクリアできるはずでした。
 奪還すべきリストとは、東ドイツの秘密警察を抜けたスパイグラスと名乗る男自身で、彼はリストの内容をすべて記憶しているというのでした。彼とその家族を、ベルリンの壁崩壊のお祭り騒ぎに乗じて逃がそうとしますが、どこからともなく狙撃手による銃弾が飛んできます。ローレンとスパイグラスは執拗な追手との熾烈な銃撃戦に巻き込まれることになってしまいます。
 作戦の背景には、サッチェルと呼ばれる謎の二重スパイの影が見え隠れしました。自らも負傷し、ボロボロになりながら、ローレンの巻き返しが始まります。

 オシャレでかっこいい女性エージェントの活躍を描いたアクションですが、シャーリース・セロン演じるローレン・ブロートンは、かっこいいだけじゃすみません。もう血みどろです。絶体絶命です。007の女性ヴァージョンのようなスマートな痛快アクションを期待していた人は、凄惨な流血現場に目を覆うことになります。銃撃戦も格闘シーンもあまりにも熾烈な肉弾戦で、ジェームズ・ボンドも真っ青です。かなり過激なバイオレンスアクションを見せる映画でも、これほどの暴力はちょっとない、そう思えるほどです。予告編ですでにかなり強烈ですから、この時点でくじけてしまった人がいるかもしれませんね。
 時代も今から30年近く前で、荒廃したベルリンの街並みは灰色に沈み、いささか気が滅入りそうな感じがします。酒と煙草と犯罪がはびこり、汗とほこりでむせ返るようです。そんないかにも恐ろしげな場所をさっそうと歩くローレン・ブロートンの姿が、かっこよすぎます。風景や人物のすべてが彼女の引き立て役です。
 最近は高度なCG技術のおかげで、役者が難なくアクロバッティングなアクションをこなしてしまいますが、この映画の格闘シーンはリアルで痛々しいです。しかし彼女はどんなに窮地に陥っても顔色ひとつ変えず、敢然と立ち向かいます。その鋼の女戦士ぶりに魅了されて下さい。

 彼女は、潜入と脱出、近接戦闘のプロです。ひじょうに困難な状況の中に、少ない情報で体ひとつで乗り込み、並みいる敵を一網打尽にします。おまけに彼女に作戦を指示する上官たちまでもがじつにうさんくさい。利害がらみで彼女を利用しようとしている節があります。国家権力というものは最高に恐ろしい敵です。
 数々の裏切りと、容赦のない戦火が彼女を待ち受けていますが、じつは彼女自身が一流の策士だったりします。騙されたふりをして敵を罠に陥れます。そして最後には痛快な一発逆転を演じて、本当の敵をぎゃふんと言わせます。いいですね、これ。 

 原作は、2012年に発表されたグラフィックノベル「The Coldest City」です。グラフィックノベルというのは、日本で言う劇画といったところでしょうか。原作がグラフィックノベルと聞いて思い出すのは、やはり「Sin City」です。ヒーローの孤独で不屈で激烈な戦いが似ているとも思いました。ただし、シン・シティの野獣系のダークヒーローとは正反対の美しくてスタイリッシュなヒロインが主役なんですけどね。……みなさんは、どちらがお好きですか?

原題:ATOMIC BLONDE。
2017年アメリカ、115分、同年日本公開。
原作:アントニー・ジョンソン、サム・ハート。
監督:デヴィッド・リーチ。
脚本:カート・ジョンスタッド。
出演:シャーリーズ・セロン、ジェームズ・マカヴォイ、エディ・マーサン、ジョン・グッドマン、トビー・ジョーンズ、ジェームズ・フォークナー、ソフィア・ブテラ、ビル・スカルスガルド、サム・ハーグレイブ、ティル・シュワイガーほか。

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