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アメリカン・ホラー・ストーリー:アサイラム【TVドラマ】

2017/11/18


 とある若いカップルがハネムーンと称して心霊スポット巡りをしている際に訪れたブライヤークリフ精神病棟跡、不気味な廃墟で2人は何者かによって惨殺されてしまいます。ブライヤークリフは、20世紀初頭に結核病棟として設立され、大勢の死者を葬りましたが、1960年代にカトリック教会が買収し精神病院となりました。運営責任者のハワード神父は野心家で教会の中心に登るための足がかりとしてこの病院を社会的にPRしており、看護師長シスター・ジュードも彼と共に出世を企んでしました。もと娼婦だった彼女は酔って若い娘を車で轢いてしまい、逃げ延びた先にこの病院があったという知られざる過去を持ちます。
 ある時、キット・ウォーカーという青年が収監されますが、身ごもった内縁の妻や彼の友人たちを惨殺し、それを宇宙人の仕業だと主張して、刑が確定するまでここに置かれることになったのでした。連続殺人犯としてブラッディ・フェイスの名で知名度が上がり、彼へのインタビューを試みようと病院を訪れた記者のラナ・ウィンターズは、恋人(女性)を殺されたうえ、ここに収監されてしまいます。
 この病院には外部には洩らせない後ろ暗い内情がたくさんありました。地下に独自の研究施設を持つアーデン医師の所業もそのひとつで、彼は患者を怪物に変える実験に明け暮れていました。若きシスター・マリー・ユニスは、アーデン医師を慕っており、彼も彼女を可愛がっていましたが、ある時、悪魔憑きの男を収容して以来、シスターは魔女と化してしまいます。
 ケントと同じように殺人鬼として収監されているグレースは、院内で死亡し、アーデン医師によって葬られようとしましたが、閃光に包まれて消滅してしまいます。アーデン医師はケントの頸部から小さな虫のような未知の機器を摘出しており、ケントが見たという宇宙人の存在を信じるようになります。
 ケントの精神鑑定に病院を訪れていたオリバー・スレッドソン医師は、ラナ・ウィンターの正気を信じ、彼女を密かに病院から連れ出すことに成功しますが、ラナはスレッドソンの私邸に幽閉されてしまいます。この2人の関係は、のちにブライヤークリフの幽霊としてカップルを襲った殺人鬼を産むことになります。

 大ヒットTVシリーズのシーズン2(第2期)です。ホラーストーリーですから、とってもl怖いです。とくにこのアサイラム(精神病棟)は、猟奇的なシーンが満載でした。元ナチスの将校との疑いのある解剖好きのマッドサイエンティストやら、女性を殺して皮をはぐ殺人鬼やら、病院の周囲に救う獣人やら、いろいろ出てきます。悪魔憑きや宇宙人まで!
 しかしこれを単なる猟奇の詰め合わせだと思ったらいけません。ホラーとは申しますが、内容は感動の人間ドラマです。ブライヤークリフという不気味な精神病棟に集められた人々ひとりひとりにそれぞれの事情があり人生があり、それが大河ドラマのように描かれてゆきます。
 サディストの看護師長シスター・ジュードが、どんな経緯でここで働くことになったのか、そして彼女の人生の行く末がどうなるのか。スクープを狙って病院を訪れたラナ・ウィンターズが、たどる数奇な運命がどのようなものになるのか。宇宙人に襲撃され妻を失ったキット・ウォーカーも殺人鬼として院内で人生を棒に振ってしまうわけではありません。それぞれの人生のその後が克明に描かれてゆきます。そして最後の最後まで気が許せません。思わぬ展開に驚かされます。

 ホラーストーリーのタイトルで、こけおどしの恐怖ドラマと思う人も少なくないかもですが、そうだとしたら本当に惜しいことです。本当に感動しますから。みんなそれぞれに人生に夢を抱き、思わぬ落とし穴に落ちてしまい、魔の精神病棟に飲み込まれてゆきます。ある者はそこで朽ち果て、ある者は這い出して数奇な運命にもてあそばれます。
 この作品を観ていると、世間を騒がす血なまぐさい事件の背景にも、人々の様々な思いがあったんだろう、なんて考えてしまいます。事件の表層だけを見て、犯人を悪人呼ばわりしていることの方が悪行に思えてきます。キリスト教の教えに「罪を憎んで人を憎まず」というのがありますが、罪人もどんな事情で犯罪に手を染めることになったのか分かりません。それを知らずに事件だけを見て犯罪者をののしるべきではないかもしれませんね。
 ホラーストーリーの真に恐るべきは、凄惨な殺人や人体実験、悪魔や宇宙人の襲来ではなく、人生がいつどんなふうに狂わされるか解らないという恐怖ですね。あるいは他人の悲運を楽しそうに傍観している群集心理の異常性、それもまたホラーです。

原題:American Horror Story: Asylum。
2012〜2013年アメリカ、13話。
監督:ブラッドリー・ビューカーほか。
出演:ジェシカ・ラング、ジェームズ・クロムウェル、ジョセフ・ファインズ、リリー・レーブ、エヴァン・ピーターズ、サラ・ポールソン、リジー・ブロシュレ、ザカリー・クイント、クロエ・セヴィニー、フランカ・ポテンテほか。

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