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マルドゥック・スクランブル【アニメ】

2017/11/09


 生きて行くために体を売っていた少女ルーン・バロットは、シェルというカジノ経営者に拾われ、新しい記憶と新しい肉体を与えられます。バロットは、シェルの経歴を知ろうとネットにアクセスしますが、そのせいでシェルによって抹殺されてしまいます。
 爆破された車の中に閉じ込められたバロットは、しかしドクターと名乗る男に救出され、人造人兼として再び復活します。ドクターがバロットの再生に用いた技術は、マルドゥク・スクランブル(人命保護のための緊急法令)で禁じられているものでしたが、シェルの闇商人としての犯行を追っていた彼は、シェルに囲われていたバロットを捜査の手掛かりに利用しようとしたのでした。
 バロットは、このまま死ぬか、生きて彼に協力するかという選択を迫られ、生きることを選びます。彼女にはウフコックという人工知能のパートナーが付き、調査が始まることになりました。

 シェルの身辺調査を始めたバロットとウフコックの前に、ディムズディルという残忍な殺し屋が立ちふさがります。男はかつてウフコックと組んで、破壊と殺戮を繰り返していました。ディムズディルは、再びウフコックを取り戻そうと攻撃を仕掛けてきます。
 重傷を負ったウフコックと共にルーンが逃げ込んだ施設「楽園」で、フェイスマン博士によってウフコックは再起し、調査を再開します。
 シェルの裏稼業に関する記憶が、彼のカジノの100万ドルチップに隠されていることを突き止めた2人は、客としてカジノに潜入し、問題のチップを狙います。

 女賭博しに扮したバロットは、変幻自在の人工知能ウフコックが化けた手袋を着け、シェルのカジノに赴き、大きな賭けに挑みますが、場の状況から相手の心理まで分析するウフコックの助けを借りて、強敵女性スピナー ベル・ウィングを退け、ハウスリーダー アシュレイ・ハーヴェストとのカードゲームに挑むのでした。

 人工知能が感情を持ち、人の記憶が人造の肉体やチップに移植できるような未来のお話しです。派手なバイオレンス・アクションとカジノでの駆け引きという2段仕立ての犯罪サスペンスですが、この手のSFを観ていつも思うことは、どれだけ科学技術が進歩しても、人は格差社会を築き、虚しい競争に明け暮れるものなのでしょうか。そんな危ういバランスのまま、人類は滅びずに壮麗な未来社会時代を迎えることができるのでしょうか。
 特殊技術によって完璧な人造人間が実現され、人工知能が自意識と感情を持つほどに発達した未来でも、人は人を差別し、貧しい者は辛苦をなめ、悲運の少女は絶望の中で体を売ったりするのでしょうか。高度な技術は、犯罪者の悪行を監視することができず、ただ彼らの武器や道具として悪用される。富める者は相変わらずのうのうと富を独占し、弱者を苦しめ続ける、そんな未来が崩壊することなく実現するのでしょうか。
 SFで描かれる未来像は、人類の可能性ではなく、未来に現代社会を置き換えた風刺劇と捉えるべきですね。荒廃した貧困生活圏の上に建つ壮麗な未来都市などというものは、やはり成り立たないと思います。

 いきなり批判めいたことを書いてしまいましたが、未来SFのほとんどが、その実現へ向けて新たな思想やイデオロギーが導入されるのではなく、現行の過当競争をそのまま未来に移植したものになっています。でないと、犯罪アクションなんて成立しませんし。
 このお話しで描かれる敵は、圧政で市民を弾圧する独裁でもなく、狂って人間に牙をむくAIでもなく、現代の裏社会そっくりそのままの犯罪者で、ルーン・バロットとウフコックの戦いは、正義というより果し合いみたいな感じです。標的であるシェルよりもディムズディルとの因縁の戦いがメインになっています。
 ウフコックは、声はおとなですが、普段の姿は小さなネズミです。必要に応じて拳銃になったり、バロットの身に着けるものに変じたりと、なかなかファンタジーなことになっていますが、絶妙な説明と表現によって、それがテクノロジーに見えるところがさすがです。

 主人公ルーン・バロットは少女ですが、激しい銃撃戦に挑むわ、カジノで大勝負をするわ、内容はおとなアニメです。しばしば裸になりますし。おとなアニメなのに少女が主役ってところが日本アニメの特徴ですね。

 通算3時間あまりの長編ですが、3年越し3部作として公開されました。これだけのロングスタンスだと、前作のストーリーを忘れちまうし。DVD化されたものを3作通して観た方がよいですね。

マルドゥック・スクランブル 圧縮 2010年、65分(完全版2011年、69分)
マルドゥック・スクランブル 燃焼 2011年、62分。
マルドゥック・スクランブル 排気 2012年、66分。
原作、脚本:冲方丁。
監督:工藤進。
声の出演:林原めぐみ、八嶋智人、東地宏樹、中井和哉、磯部勉、藤田淑子、土師孝也ほか。

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