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ダンケルク【映画】

2017/10/14


 1940年冬、フランス北部の町ダンケルクでは、進行するドイツ軍と同盟軍との間で熾烈な攻防戦が繰り広げられていました。イギリス軍は、前線でドイツ軍を迎え撃つフランス軍よりも一足早く撤退を開始、ドーバー海峡を渡ってイギリス本土へ逃れようとしていました。
 しかし救援に来る駆逐艦は全然数が足りません。イギリスでの本土決戦に備えて戦艦を温存しておこうというのが上層部の判断でした。
 海岸は救援を待つ兵士であふれていましたが、敗走する兵士たちにとどめを刺すかのように、ドイツ軍の爆撃機が飛来します。数少ない救援の艦も海に潜むUボート(ドイツの潜水艦)によって次々に沈められてゆきます。爆撃機を迎え撃つイギリス軍のスピットファイアーはわずか3機。
 この絶体絶命の危機の中で、ダンケルクには英仏合わせて40万の兵士が救援を待っています。
 この仲間の危機を救おうと立ち上がったのは、イギリスの民間船でした。860隻ばかりの漁船等が、危険を冒してドーバー海峡を渡り、ダンケルクに迫ります。

 CGを一切使わない本物志向のクリストファー・ノーランが、壮絶な実話に挑みました。先日観た「ハクソー・リッジ」も戦火での救出劇を描いた実話ものでしたが、この作品も同じテーマで、同様にたいへんスケールの大きなものでした。「ハクソー・リッジ」は武器を持たない衛生兵の姿を描いたヒーローものでしたが、この作品のヒーローは危険を冒して兵士を救おうとした民間船の人たちであり、数で劣勢ながらドイツの爆撃機の掃討に挑んだ空軍のパイロットであり、イギリス兵を救出した後も現地に残りフランス兵の救出に務めた指揮官でした。
 物語はさまざまな視線から描かれ、同じシーンが異なる人の立場から繰り返されます。時間の流れも少々複雑に錯綜します。漁船が不時着する自国戦闘機を目撃すれば、少し時をさかのぼってその戦闘機のパイロットの不時着の経緯が描かれるといった感じです。
 ひとつの戦場を多角的に観察しながら、戦争に参加した人たちの恐怖や悲しみ、そして勇気が描かれてゆきます。
 お話しはヒーローものとして描かれるばかりではなく、絶望的な状況から脱出を試みる兵士たちの様子も描いています。むしろそちらの方が克明です。若き兵士たちは、負傷兵を運ぶと称してなんとか優先的に駆逐艦に乗ろうとしたり、海岸に座礁している船に潜入し、満ち潮を待ったりと、いろんな方法を駆使して地獄から脱出しようとします。そしてそこへ敵の銃弾が、魚雷が、容赦なく降り注ぎます。

 浜辺で隊列を組んで救助を待つ兵士に爆弾が降り注ぎます。船に乗るために桟橋に並ぶ兵士の列を戦闘機の機銃掃射が襲います。確保した漁船に身を潜めて満潮を待っていると、銃弾が飛んできて船倉に次々と穴を開けます。兵士を満載した駆逐艦に魚雷が接近します。ドイツ軍は、撤退する兵力にも攻撃の手を休めません。
 「ハクソー・リッジ」のような流血シーンはありませんが、逃げ惑う兵士に容赦なく注がれる銃弾や爆撃はひじょうに恐ろしいです。

 第一次対戦を戦ったドーソンは、現在は民間船の船長でしたが、自分たちの世代が始めた戦争を若い人たちに押し付けたと言って、戦火を潜り抜け、救出作戦に参加します。
 戦闘機のパイロットのファリアは、被弾して燃料計が故障している状態で、最後の1機になっても戦い続け、最後は滑空して敵地のただ中に不時着します。
 ボルトン司令官は、本土戦に備えて群が戦力を温存しているために充分な援軍が得られない事情を知りながら、部下を思いやり、毅然とした態度で指揮を続けます。そしてイギリス軍の兵士の救助がほぼ完了した後も、危険な敵地に残り、同盟国フランスの兵士の救助に当たります。

 映画は、からくも故郷に帰り着いた兵士たちの疲弊した様子まで描かれますが、敗走に対して冷遇を覚悟していた兵士たちを待っていたのは、地獄からの帰還を讃える市民たちの歓迎でした。

原題:DUNKIRK。
2017年アメリカ、106分、同年日本公開。
監督、脚本:クリストファー・ノーラン。
出演:フィオン・ホワイトヘッド、トム・グリン=カーニー、ジャック・ロウデン、ハリー・スタイルズ、アナイリン・バーナード、ジェームズ・ダーシー、バリー・コーガン、ケネス・ブラナー、キリアン・マーフィ、マーク・ライランス、トム・ハーディほか。

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