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君の膵臓をたべたい【映画】

2017/08/29


 高校生の時、彼は学級委員の山内桜良と親しくなります。それはたまたま病院で彼女の秘密である「共病文庫」を見つけてしまったからでした。「共病文庫」は桜良の闘病日記で、彼女は膵臓の病気で余命幾ばくもないことをクラスメイトに隠して明るくふるまっているのでした。
 一切人と関わらずひっそりと過ごしてきた彼が、学校でも有名な美少女で人気者の桜良が急に親しくなったことが、周りのクラスメイトたちには不思議でなりません。とくに桜良の親友の恭子はそれを不快に思い、あからさまに彼を拒絶しました。
 桜良の悲しい境遇にも淡々としていて、同情も示さず普通に付き合ってくれる彼は、彼女にとって残りの人生を幸せにいられる場所でした。生きているうちに叶えたい夢と称して、桜良はさまざまな思い出を彼と作り、彼を旅行にも連れ出します。そんな彼女に彼も次第に心惹かれて行きますが、もう1度旅行に行こうという約束を彼女の病状が阻んでしまいます。

 むかしの人は自分の悪くなった臓器と同じ動物の臓器を食べると病が癒える、そう信じていたそうです。桜良の言葉です。この作品の何だか壮絶なタイトルは、その言い伝えに由来します。「君は本当に死ぬの?」彼の言葉に彼女は「死ぬよ」満面の笑みで答えます。
 誰の目も気にせず独りで作業に没頭できる図書委員になり、彼は膨大な量の書籍の整理に着手しますが、桜良も図書委員になって彼の仕事を手伝います。それは半分じゃまをしているようなものでしたが、独りが好きな彼にとっても楽しい時間となりました。
 恭子は気丈に見えてじつは弱い子だから、私の病気のことを話したらこれまでどおりには付き合えない。私がいなくなったら恭子と友だちになってあげてね。

 残り少ない時間を、彼と過ごした桜良は、たぶん幸せだったのでしょう。そして彼は桜良の勧めで高校の教師になります。人と接することの苦手な彼にとってその選択は桜良と出会わなければあり得ないものだったでしょう。
 彼女の患った膵臓の病気は唐突に見つかり、見つかった時には余命宣告に直面するという恐ろしい病気なのだそうです。学校でも人気者の美少女の桜良の前途は突然暗転してしまいました。それでも彼女は最後まで、明るく前向きに生きようとしました。死ぬことなんで怖くない、誰でもみんな死ぬのだから。だからいつかあの世で笑って再会しよう。桜良は常に明るくふるまっていましたが、最後に彼に託された「共病文庫」には彼女の孤独と悲しみが綴られていました。

 筆者は闘病ものが好きではありません。死期によって未来を閉ざされた人生を観るのはあまりにもつらすぎます。バイオレンスアクションやホラーで、ボコボコ人が殺されるのとちがって、病死をテーマにしたドラマはあまりにも生々しく絶望的で、恨むべき相手もありません。
 そんな筆者がなぜこの映画を観たのか、理由は解りません。奇妙なタイトルに惹かれたのでしょうか? 浜辺美波演じる山内桜良が可愛かったからでしょうか。本編が始まってからでも、後悔の念が募りました。やはり観るべきじゃなかったのでは、そう思いながら観ていました。しかしながら、話しが進むにつれて展開に魅せられていつの間にか後悔は忘れていました。
 親友の家に泊まると偽って桜良は彼を連れ出し、新幹線に乗って遠出します。ホテルでは手違いがあったと称して彼と同室に泊まることになります。そこで2人でやったカードゲーム、真実と命令は彼女にとって重要な意味を持つものでした。

 桜を観に行こう。入院先の病院で彼女は言います。桜は散ってしまってもじつは咲き続けているんだよ。そうしてある時パッと咲いて人を驚かすの。彼は桜のために時期外れに咲いている場所を探し出します。
 清らかで透明感あふれる桜良と彼の物語に、彼女の死期のことなど忘れて魅入ってしまいます。
 「ちはやふる」で肉まん君こと西野君を演じた矢本悠馬が、じつにいい味を出しています。クラスの誰もが彼に対して冷たくなってもガム君だけは、彼に友好的でした。そしてガム君はクライマックスでひじょうに重要な役割を演じることになります。
 私、みんなの心の中で生き続けたい。桜良のその思いは、彼が出身校の教師になり、そこで再び図書の整理を任されることで叶えられました。
 少しくらい迷って見つけてもらった方が、本も嬉しいでしょ。整理の邪魔ばかりしていた彼女の言葉が未来へのメッセージになります。
 「銀魂」実写版で破天荒傍若無人なヒーローを演じた小栗旬が、打って変わって不器用で口数の少ない大人になってからの彼を演じています。桜良の思いに応えて高校の教師になったものの、引出しに退職願を潜ませている彼は、前に向かって歩いてゆけるのでしょうか。

2017年、115分。
原作:住野よる。
監督:月川翔。
脚本:吉田智子。
出演:浜辺美波、北村匠海、北川景子、小栗旬、大友花恋、矢本悠馬、桜田通、森下大地、上地雄輔ほか。

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