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ハクソー・リッジ【映画】

ハクソー・リッジ【映画】

2017/08/05


 第1次世界大戦の英雄トム・ドスは、戦友たちの死で心に傷を負い、酒におぼれて家族に暴力を揮うようになっていました。彼の息子二男のデズモンド・ドスは、子供の頃に父が母に銃を向けるのを見て以来、極度に暴力を嫌うようになり銃を握れなくなりました。
 デズモンドは、おとなになり真珠湾攻撃でアメリカが第2次世界大戦に参戦すると、衛生兵として出兵することを志願します。父や恋人のドロシーの反対を押し切って入隊した彼は、訓練で銃を手にしないことを同僚や上官から責められ、ついには命令違反として軍法会議にかけられます。有罪判決が出れば戦争終結まで投獄されることになります。銃を手にするか除隊するか投獄か、しかし彼は決然と自らの意思を通し、武器を手にすることなく戦場で衛生兵として活躍することを主張するのでした。
 彼の窮地を救ったのは父でした。トム・ドスはかつての盟友に申し入れを行ない、息子の主張を軍に認めさせることに成功します。
 そして戦争が激化した1945年、デズモンドは衛生兵として沖縄に向かい、難攻不落の絶壁ハクソー・リッジの攻略に参加するのでした。崖を攻め落とし、沖縄本土に攻め込む足がかりを築く戦いは熾烈を極めました。崖の上の日本軍駐屯地に艦砲射撃が行なわれたあと、デズモンドたちの歩兵部隊が縄梯子を使って150mもの崖を登り、日本軍を掃討する作戦でしたが、地下道に潜伏していた日本兵の奇襲に遭い、撤退を余儀なくされます。
 激しい銃撃戦で多くの仲間を失った米軍が崖から撤退した夜、デズモンドは独りで崖の上に残り、取り残された負傷兵を救出して回りました。巡回する日本兵の目を盗んで負傷兵を崖の縁まで引きずってゆき、ロープで崖の下に降ろすのは命がけでしたが、彼はもう1人、あともう1人と呪文のように唱えながら、次々と負傷者を救出しました。その中には日本兵も含まれていました。
 崖の上から次々と降ろされてくる負傷兵に、撤退した米軍兵士たちは驚き、それがデズモンドの勇気ある行動であることを知ると、これまで彼を見下していた同僚や上官たちは深い感銘を覚えました。訓練時代からデズモンドと過ごしてきた上官のグローバー大尉は、君は誰にもできないことをやってのけたと彼を讃えました。
 そして翌日も、ハクソー・リッジ攻略作戦は続けられるのでした。

 実話の映画化です。「マッドマックス」シリーズで俳優として名を挙げ、映画監督としても多数の作品を手がけてきたメル・ギブソンが、10年ぶりに監督した大作です。
 前作「アポカリプト」でもかなりの暴力シーンがありましたが、今作の残酷シーンは壮絶です。筆者はこれを越える生々しい残酷シーンを見たことがありません。R指定(レイティングシステムによる年齢制限)がつかなかったのが不思議です。手足がポンポン飛び、内臓がゾロゾロとはみ出します。それがまた実にリアル。戦争も殺人も経験したことがない筆者ですが、20年ばかり電車の運転をしていて人身事故にも遭遇しましたから、人間がバラバラになるのは1度ならず目にしてきました。
 初めて戦地に赴いた若い兵士たちが、白煙で視界が利かない戦場で、唐突に銃弾の雨にさらされ、バタバタと倒れて行くさまは壮絶でした。ただ倒れて行くだけでなく、体の部品が千切れ飛び、大量に流血し、内臓がはみ出した死体となってその場に転がります。短時間の間に辺りは血の海と化し、死体や悶絶する負傷兵の山が築かれてゆきます。
 監督は、戦場の悲惨さをリアルに再現したかったのでしょうか。この血なまぐさい暴力シーンに、政治家や資産家たちは小躍りして歓喜するのでしょうね。ネットを通じて世界レベルで個人と社会が対話する時代になっても、偏執的な自称支配者たちは、殺戮のヒーローを称賛し、多くの血が流れることが楽しくて仕方がないらしいですから。現在も国家という得体のしれぬ魔の組織によって、戦争の準備は着々と進められています。市民から搾取した血税で、資源を浪費し市民を大量虐殺するための凶器をせっせと磨いています。

 戦地で命を賭けた兵士たちは、それでも英雄です。安穏と平和をむさぼっている筆者などがもっともらしく反戦を唱えるのは分不相応でしょう。でも、戦争はやはりまちがっています。過去の戦争の傷跡はいまだに言えず、国家間の遺恨も消えていません。政治家たちはそれを利用し国取りゲームに興じています。
 しかし政治家の立場からすると、それを選択しているのは市民ということになるそうです。ひじょうに多くの市民が無関心という意思で、争いや浪費を認めているというわけです。

原題:HACKSAW RIDGE。
2016年アメリカ/オーストラリア、139分、翌年日本公開。
監督:メル・ギブソン。
脚本:アンドリュー・ガーフィール、サム・ワーシントン、テリーサ・パーマー、ヴィンス・ヴォーン、ヒューゴ・ウィーヴィング、レイチェル・グリフィス、ルーク・ブレイシーほか。

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