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ライフ【映画】

2017/07/20


 地球の軌道を巡る国際宇宙ステーションに就任中の6人のクルーは、火星からサンプルを持ち帰った探査機の帰還に備えて緊迫した時を送っていました。宇宙の塵との衝突で軌道がずれてしまった探査機を確保するには、マニピュレーターを使ってマニュアルで拿捕するしかありません。
 からくも拿捕に成功し、回収した土のサンプルを観察すると、顕微鏡サイズの細胞が確認できました。研究員が細胞に水と酸素を与え、温度を徐々に上げて行くと、やがてそれは動き始めたのです。細胞はその後少しずつ成長し、外的刺激に反応するようになり、生命活動が安定してきました。
 宇宙ステーションからの報告を受け、地球外生命の存在が確実になると、その事実は一般公開され、世界はその話題で持ちきりになり、一般公募によってカルビンという名前が与えられました。
 カルビンはどんどん成長を遂げて視認できるサイズになり、その組成が脳と筋肉と感覚器でできており、極めて無駄のないシステムであることが判りました。さらに大きくなると、研究員の手に触れ、研究員も愛玩動物のようにカルビンに接しました。ところが手のひらサイズていどになったカルビンは、突如として動かなくなってしまったのです。あせった研究員は、電気ショックによってカルビンを覚醒に導こうとしますが、じつはそれが彼の巧妙な罠で、カルビンは研究員の手に取りついてつぶし、隔離ポットから脱出します。幸い火星からのサンプルを収容した区画そのものが防疫のために他から隔離されていましたが、高い知性を有したカルビンは、排気口を見つけてそこからの脱出を図ります。気づいた技術者が排気口をすべて閉鎖して行きますが、カルビンは機敏に立ち回り、閉鎖直前の排気口からステーション内への侵入に成功します。
 可愛かった地球外生命は、今や人間ほどのサイズになり、人を襲って捕食する怪物へと変貌していました。カルビンは船外の宇宙空間も平気ですし、酸素と人間を知覚しどこまでも追って来ます。
 次々と犠牲者が出るなか、クルーたちは何とかカルビンを特定の区画に隔離し、酸素供給を断って死滅させようとしますが、そこへソビエトの有人宇宙船が接近し、ドッキングを試みます。しかしソユーズがドッキングを試みようとしている区画は、カルビンを追いつめた場所で、しかもソユーズへの通信が断たれていたのです。

 宇宙船内という閉ざされた空間で未知の生命体の脅威にさらされると言えば、名作「エイリアン」とそのシリーズを思い出しますが、この作品は未来のお話しではなく、舞台が現在なのでひじょうにリアルです。火星からの無人探査船を宇宙ステーションで回収し、サンプルを観察するというプロジェクトは、とてもロマンに満ちていますし、実際に地球外生命が確認されるわけですから、夢は大いに膨らみます。生命の起源や進化の研究にも大いに貢献できます。ところが、サンプルの解析を地球ではなく宇宙ステーションで行なうことの背景には、得体のしれないものが発見された場合は、それを地球に持ち込まないという安全策という理由があったんですね。しかもそれを知るクルーは、生物問題担当の研究員のみ。
 カルビンが成長して脅威へと変じた時、宇宙ステーションに接触を試みたソユーズの真意は、クルーの救出ではなく、宇宙ステーションごと宇宙の彼方へ排除してしまうことにあるということを知らされ、クルーたちは愕然とします。怪物に変じた生物は、もはや感染の可能性のあるクルーもろとも排除の対象というわけです。恐ろしいですね。

 予告編を見た時は、あまり魅力を感じませんでした。ありがちな宇宙ものパニック映画だな、そう思えたからです。予告編で恐怖映画だってこと語り尽くしていましたから、宇宙基地という密室環境で未知のクリーチャーが大暴れしてクルーが逃げ惑い殺されるんだ、そう判っていました。でも本編の前半パートはひじょうに夢と希望に満ちあふれた内容で、少し成長した彼にカルビンという名前が付けられた時には、火星人との交流(知的生命ではなく野生動物ですが)に対する期待がふくらんだものです。前半パートは神秘的で美しい未知との遭遇でした。
 製作者あるいは監督の意図は、素敵な出会いが一変するギャップによって驚異を演出しようというところにあったのではないか、そんな気がしました。それを言ったら多くのパニック映画、スリラー映画が同じようなシチュエーションで、最初は平穏な日常が描かれるのが常ですが。ただ、この作品の場合は、平穏な日常が未知の脅威によって蹂躙されるのではなく、初めての地球外生命との出会いという非日常しかもひじょうにロマンチックな非日常が一変するわけです。美しい非日常が、日常を通り越して悪夢の非日常へと豹変しますから、そのギャップはあまりにも大きいのです。
 予告編を見ず、前情報も知らずに観たら、感想はまた変わっていたかもしれませんね。美しく感動的な出会が、悪夢へと変わるギャップへの驚嘆はいっそう大きかったでしょう。

 ライフという和題は現代の LIFE をそのままカタカナ表記しただけですが、思いっきり変な日本語に変えてしまうのが好きな配給サイドとしては珍しく、なにもひねらなかったんですね。つい3年前にベン・スティラー監督&主演の「LIFE!」という映画がありましたが、かぶってるし変えようかとは思わなかったのでしょうか。ちなみに「LIFE!」の原題は THE SECRET LIFE OF WALTER MITTY です。「ウォルター・ミティの秘密の生活」でいいじゃん。
 この話題からも、これが恐怖映画だという内容は見えてきませんから、この作品に関しては、予告編がかなりじゃまをしていましたね。

 凶暴化した地球外生物は、地球に持ち込むわけには行きません。クルーたちは、このまま人知れず葬り去られてしまうのでしょうか。ラストではちょっとしたどんでん返しがありますが、観た人たちの感想が気になるところです。

原題:LIFE。
2017年アメリカ、104分、同年日本公開。
監督:ダニエル・エスピノーサ。
脚本:レット・リース 、 ポール・ワーニック。
出演:ジェイク・ギレンホール、ライアン・レイノルズ、レベッカ・ファーガソン、真田広之、アリヨン・バカレ、オルガ・ディホビチナヤ。

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