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下妻物語【映画】

2017/06/15


 女子高校生の竜ヶ崎桃子は、父の仕事の都合で彼の実家のある茨城県下妻市に越してきました。なんにもない田舎で彼女はフリフリのロリータファンションに身を包み、東京の代官山までロリータアイテムを買いに出かけます。しかしものを買うにはお金が要る、やくざ者で情に厚い父をだましてお金を無心するのも足りず、父が考案したバッタものブランド服をネットで売りさばこうとします。
 そこへレディース(女性暴走族)に所属する白百合イチゴが訪ねて来て、桃子が売るバッタものブランドに惚れ込み、イチゴは桃子の家にしばしば出入りするようになります。
 ある時、レディースの総長の引退式のために特攻服に刺繍をしたいと思い立ったイチゴは、伝説の刺繍師を探しに代官山へ行くと言い出します。ロリータの聖地代官山と聞いて桃子も黙っていられません。伝説の刺繍師を見つけることはできなかったのですが、代わりに桃子は大好きなロリータブランドの社長の磯辺に気に入られ、衣装の模様つけの仕事をもらいます。そしてイチゴのために自ら刺繍の腕を揮うことになります。
 総長が引退した後、体質が変わってしまったレディースをイチゴは抜ける決意をしますが、それは彼女らなりのケジメを付けることを意味します。憧れのロリータブランドの仕事をもらったことで思い悩んだ桃子を励ましてくれたイチゴは、今や桃子にとって唯一の親友でした。その親友の危機を知った彼女は、仕事を放りだし、祖母から授かったスクーターで、イチゴのもとへ駆けつけるのでした。

 やくざもので停職にも就けないダメな父親を見限って、母親が出て行ったのは桃子が小学生の頃のことでした。でも彼女は、面白そうだからという理由で父親についてゆき、下妻の田舎へ越してきます。彼女は友だちを一切作らず、大好きなロココ調ロリータファッションに身を包み、好き勝手に生きていました。自称、性根が腐っていました。
 しかし、暴走族のイチゴと出会ってから彼女の人生が変わり始めます。イチゴはひじょうに情に厚く人間関係を重んじる暴走族でしたが、たったひとりで生き、イチゴのことを恐れもしないお嬢ちゃんのももこのことがなぜか放っておけません。
 伝説の刺繍師を求めて代官山に行く際にも桃子を同行させますが、軍資金稼ぎと称してパチンコ屋に繰り出すと桃子が思いがけない博才を発揮し、大儲けします。それをパチンコ屋の店長に八百長と疑われるのですが、それを龍二と名乗るバカみたいなリーゼントの男が助けてくれ、イチゴは彼に思いを寄せてしまいます。
 代官山で伝説の刺繍師を見つけることはできませんでしたが、代わりに桃子が憧れるロリータブランドのお店 BABY, THE STARS SHINE BRIGHT のオーナー磯辺に、桃子は刺繍の腕とデザインセンスを買われ、仕事を依頼されることになります。
 桃子はイチゴのために不眠不休で特攻服の刺繍を仕上げ、イチゴはそれを着て引退式に臨みますが、早朝の引退の理由は、自分が恋した龍二との恋愛でした。それからレディースの体質は変わり、新たな秩序が生まれ、茨木統一を目指す組織へと傾倒して行きます。ただ純粋に走りたかったイチゴは、レディースを抜ける決意をしますが、そのためにはケジメをつけなければなりません。
 自分が刺した刺繍を絶賛し大喜びしたイチゴ、磯辺から新たな仕事をもらった時に背中を押してくれたイチゴ、桃子は磯辺社長に電話を入れ友人のピンチで納期までにワンピースの刺繍を仕上げられない旨を伝えます。自分の人生を変えるかもしれない大切な仕事よりも友だちをとるのかと、社長は最初は桃子を叱責しますが、彼は自分の身の上を手短に語ったうえ、行って来なさいと背中を押してくれます。
 いい加減な父をも凌駕する豪快なその母親すなわち桃子の祖母が、彼女にスクーターを貸し与え、桃子はフリフリ衣装のままイチゴのもとへ駆けつけます。ケジメをつけるということで、レディースたちに集団でボコられるイチゴのもとへ。

 まるで童話の世界あるいは中世ヨーロッパのロココ時代から抜け出してきたようなロリータファッションの桃子と、ハスキーボイスでドスを効かすイチゴの取り合わせが絶妙です。桃子の母親は浮気して出て行き、父親は停職にもつかない冴えないペテン師。初めてできた友だちのイチゴは暴走族で、レディースのヤンキー娘やら、巨大リーゼントの龍二やら、人形のように可憐な少女の周りはならず者の渦です。しかしながら乙女の心は性根が腐っていて、やくざ者の父を見てきたせいか、彼女は何も恐れず何にも興味を示さず、ただ、自分はロココ時代のヨーロッパに生まれるべきだったと信じ、ロリータファッション一筋です。
 そんな彼女とイチゴの間に芽生えた友情。大好きなお洋服の刺繍の仕事も放りだしてイチゴの救出に向かう桃子。極彩色に彩られたロリロリ世界の中に、人間の絆というものをまざまざと見せられます。きっかけは些細な出会いでも、それは彼女たちにとってかけがえのないものになって行きます。日本古来より伝えられる"縁(えにし)"の神髄がここにあります。
 人間は独りで生きるに非ず、友だちを大切にしましょうね。偶然の出会い、それを日本では縁と呼んで尊んできました。そしてそれが人生を支えてくれる重大な要素になります。
 何度観ても泣けます、笑えます。何度も観たんかい、ええ観ましたとも。

2004年、102分。
原作:嶽本野ばら。
監督、脚本:中島哲也。
出演:深田恭子、土屋アンナ、樹木希林、宮迫博之、篠原涼子、阿部サダヲ、岡田義徳、小池栄子、矢沢心、生瀬勝久、荒川良々、本田博太郎、入絵加奈子、鮎貝健、水野晴郎、木村祐一、まちゃまちゃ、福田麻由子、江本純子、町田マリー、栗本修次、河西りえ、高野ゆらこ、三浦香、太田美恵、ヨネヤマハダコほか。

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