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花とアリス殺人事件【アニメ映画】

2017/06/09


 中学3年で新しい学校に転校してきたアリスこと有栖川徹子は、自分にあてがわれた席が呪われていると聞かされます。徹子のせいで、昨年殺された1年先輩の男子生徒ユダの魂の封印が解かれたと、クラスメイトたちは騒ぎ出します。徹子は、霊能力者の陸奥睦美のお祓いを受けます。睦美の話しでは、ユダは4人の妻によって殺害され、その霊が睦美の憑りついたのを彼女が封印したというのです。これまでクラスのいじめられっ娘だった睦美は、以後はみんなの尊敬を集めるようになりました。
 徹子は、越してきた家が元ユダの住んでいた家だと判り、事件の真相を知ろうとします。睦美を問いただすと、霊能者というのは演技で、ユダの一件については何も知らないと言います。ただ、それについて知っている可能性のある人物を徹子に紹介します。
 睦美の情報をもとに、徹子は家に引きこもって登校しない荒井花を訪ねます。最初は徹子を拒絶した花ですが、やがて心を開き、殺されたと伝えられるユダは湯田光太郎と言い、転向していっただけだと言います。ただ、本当にユダが死んでいたとしたらそれは自分のせいかも知れないと、花は謎めいたことを話します。
 花の情報で、徹子は湯田の父親が勤める会社を訪れ、息子のことを聞き出そうとしますが、父親に面が割れているという花の同行は得られず、徹子は独りでその会社に向かうことになります。そして呼び出しに応じて出てきた初老の男を父親と勘違いし、尾行を開始します。その尾行がばれて徹子はなぜか男と親しくなりますが、彼女を追っていた花から人違いであることを携帯で知らされます。
 花は、本当の湯田の父親を見つけ、彼の住むマンションを見つけ、徹子を呼び寄せます。
 湯田光太郎の無事を突き止めようと、マンションを見張り続けるうちに、終電を逃した2人は駐車場のトラックの下で一夜を明かす羽目になりますが、花は湯田との関係について徹子に打ち明けます。
 湯田光太郎は花とは幼馴染で、毎年バレンタインチョコを渡しており、2年生の時チョコと一緒に婚姻届を渡したのでした。3年になって湯田と同じクラスになったものの、湯田が告白してきた女子に次々と婚姻届を渡しており、その女子たちが自分こそは湯田の花嫁だと主張するのでした。
 腹が立った花は、湯田の背中にハチを投げ込み、彼は転校の挨拶をする際に昏倒してしまいます。湯田を殺したかもしれないと思い込んだ花は、以来不登校になり家に引きこもってしまったのでした。

 2004年に公開された実写版映画「花とアリス」では、花を鈴木杏が演じ、有栖川徹子を蒼井優が演じていましたが、今回アニメ作品として蘇った「花とアリス」でも同じ両名が声で出演しています。前作では憧れの先輩との三角関係が描かれていましたが、今回はそのリメイクではなく、まったく別のストーリーです。実写版の前日譚であるとされていますが、両方観ましたが相互関係は解りませんでした。前作を観たのが古すぎてよく覚えていないというのもありますが。
 アニメだからというわけではないのでしょうが、お笑い要素がたっぷりで、同じ監督による同じ題材を扱ったものとは思えません。とにかく楽しい、おもしろい。どのキャラも愛着が持てます。

 日本の代表的なアニメのようなデフォルメや誇張表現はなくて、淡々とした日常が流れているのですが、会話のひとつひとつ、些細な動作のひとつひとつから目が離せません。
 そして時折、意外な新事実が発覚したり、想定外の事件が起こったりします。
 花が1年前、転校して行く湯田の背中にハチを送り込んだことで、彼を死なせてしまったかも知れない、その思いが彼女を不登校の引きこもりにしてしまうわけですが、誰も真実を彼女に教えなかったのでしょうか、真実を知る者は彼女の周りにはいなかったのでしょうか。
 とにかく、ひじょうに扱いにくい花に、徹子は果敢にアタックし、彼女を自室から引っ張り出します。そして2人の冒険が始まるわけですが、冒険はすれちがいや誤解で次々と騒動に発展します。
 でも、この冒険によって、花は久しぶりにセーラー服に手を通す決意をしますし、徹子も初めてセーラー服を着ます。転校してしばらくは、在庫切れで徹子は前の学校のブレザー制服を着ていましたから。

 キャラクターはロストスコープで動かしているそうです。すなわち人間に演技をさせて撮影し、それをトレースしてアニメを作る技術です。背景も実写をそのままトレースしている感じです。なのでアニメで多用される俯瞰(ふかん)やあおりといった技法はほとんどなく、デフォルメもなく、ひじょうに自然な映像になっています。そしてこれが現代アニメとは対照的でかえって新鮮だったりします。
 アニメであれば、音と映像で盛り上げるべきシーンが、この映画ではとりたてて特別な演出もなく淡々と流れます。でも目が離せない、思わず息を飲む、上手いなぁ、と思いました。
 映画好きの人なら、なぜか繰り返し何度も観てしまう作品ってあるでしょ? 筆者の場合、「亀は意外と速く泳ぐ」「下妻物語」「インスタント沼」なんかがそれなんですが、他にもありますけど、この作品もそうしたお気に加わりました。最近の作品は「女子の事件は大抵、トイレで起こるのだ。」もいいですね。感動の超大作よりも日常的な作品が意外と繰り返しアイテムには理想的なんですよ。

2015年、100分。
原作、監督、脚本:岩井俊二 。
声の出演:鈴木杏有、蒼井優、平泉成有、相田翔子、キムラ緑子、木村多江、勝地涼、黒木華、鈴木蘭々、郭智博ほか。

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