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マギー【映画】

2017/05/26


 近未来アメリカ、ゾンビウィルスが世界的に蔓延し、ウエイドの住む田舎町にも感染が広がりつつありました。政府は隔離政策によって人的被害は人口の30%ていどに治まるとするものの、治療法は見つかっていません。ウィルスは人間や動物だけでなく、植物にも多大な影響を与えていました。
 ある時ウエイドの16歳になる娘マギーが家を飛び出してしまい、ウエイドによって連れ戻されますが、彼女が感染者に咬まれていることを保護した医師に知らされます。人としての自我を失い他人を襲うゾンビにチェンジするまでおよそ2週間、ウエイドはマギーを自分の家で人間らしく過ごさせようとします。
 ある時マギーは、ゾンビ化した隣人親子に遭遇しますが、ウエイドは2人をやむなく射殺します。マギーの義母キャロラインの判断で幼いボビーとモリーは家を出ることになり、マギーはそれを優しく見送るのでした。
 マギーの診療に訪れた医師ヴァーンは、彼女の病気の進行がかなり早いことをウエイドに告げ、壮絶な苦痛を伴うが一時的に症状を抑えられる薬を手渡します。ウエイドがマギーを隔離施設に入れたがらないことを知るヴァーンは、薬を使うよりも彼の猟銃を使うことを進めます。
 ヴァーンの娘のアリーの誘いで、彼女の友人たちと一夜を過ごすことになったマギーは、そこで同じように感染したトレントと出会います。その後トレントから電話連絡を受けて彼の家に駆け付けると、警察が彼を隔離施設へ連行するところでした。
 ある時マギーは、罠にかかったキツネを助けようとして逆にキツネを引き裂いてしまいます。これ以上彼女を家に置けないと感じたキャロラインは、マギーを施設に入れるようにウエイドを説得しますが、彼は聞き入れず、キャロラインは家を出てしまいます。
 ウエイドは娘を連れて、腐敗して行く世界でも花を咲かせる一群のマーガレットを見に行きます。それはマギーの名前の由来になった花でした。次第に自制が利かなくなるマギーは、父に自分の苦しみを終わらせてくれるよう頼みます。
 ウエイドは、マギーが寝ている間に猟銃に弾をこめるのでした。

 肉体派アクションスターとして名をはせたシュワルツェネッガーの異色の人間ドラマです。古い年代物の車やダイヤル式の電話が健在の田舎町は、近未来とはおおよそ縁の遠い、古い時代を思わせます。未来的なものは何も登場しない低予算映画ですが、脚本に感銘したシュワルツェネッガーは製作に意欲てきで、プロデューサーとしても参加したのだそうです。
 自らも感染者であることを自覚する少女マギーは、家族への被害を恐れてか家を出てしまいますが、ウエイドの取り計らいで隔離施設に行くことなく、最後の時間を家族と共に過ごすことになります。マギーは静かな農家で、恐怖への感情をむき出しにすることもなく静かに過ごします。父も感染については何も語らず、ただ黙って彼女を見守るばかりです。
 そんな彼女の静かな時間のなか、幼い弟妹たちが家を出ることになり、ゾンビ化した隣人の父娘を父が射殺し、知り合った感染者の有人が施設へ無理やり連行されるという事件に遭遇します。自らも転んで怪我をした指が腐って黒い血を流したために切断してしまったり、罠にかかったキツネを引き裂いてしまったりと、過酷な現実を思い知らされる経験が続きます。
 植物さえも侵されてしまい、もはや世界は死にゆくようです。そうした中、マギーは今は亡き彼女の実母が作った花壇に咲く一群のマーガレットを父と共に見に行きます。
 隔離施設は大量の患者をぞんざいに収容し、患者が凶暴化すると惨殺するだけの恐ろしいところだというウワサです。ヴァーン医師も施設に入れるよりも殺してあげるのが最善であることを示唆します。

 アメリカ映画は、ゾンビものが多いですよね。ゾンビはオカルト上の怪物ではなく科学的な脅威です。化学兵器であったり、科学技術がもたらした弊害であったり、自然発生的に生じる未知のウィルスであったり。ゾンビものの多くはパニック映画ですが、時おり、人間ドラマとして作られる作品があります。ゾンビとの恋愛や家族愛を描いたものもあります。
 この作品も逃れられない悲運に見舞われた父と娘の人間ドラマです。上述のあらすじでは、父が最後の時に娘を射殺して終わると想像できるかもですが、実際のエンディングはそれよりももっと素晴らしく、感動的です。
 この作品は、不治の病に苦しむ家族への苦悩を描いた人間ドラマと言えるでしょう。100%治らない病なら、延命ではなく安楽死もひとつの選択ではないかというテーマですね。病魔の場合は患者の苦痛を取り除くということが目的になり、それが果たして愛情なのかどうかという苦悩がつきまといますが、ゾンビの場合は、延命の選択はありません。ゾンビ化してしまうとそれは人間を食い始め感染を拡げるわけですから。
 自分で考えることを放棄し、行政の手に委ねて隔離施設送りにするというのが一般的ですが、ウエイドはそれを拒み、最後まで家族として接し、最後の最後には自分で責任を果たそうとします。
 寡黙な父のそんな思いを知っているからこそ、マギーはヒステリックになることもなく、最後の時を父の許で静かに普通にふるまうことを通したのでしょうね。とても切ない映画でした。

原題:MAGGIE。
2015年アメリカ、95分、翌年日本公開。
監督:ヘンリー・ホブソン。
脚本:ジョン・スコット3世。
出演:アーノルド・シュワルツェネッガー、アビゲイル・ブレスリン、ジョエリー・リチャードソン、ダグラス・M・グリフィン、ジョディ・ムーアほか。

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