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300<スリーハンドレッド>帝国の進撃【映画】

2017/05/14


 スパルタの王レオニダスが300人の兵士を率いてペルシャ軍と激戦を繰り広げたテルモピュライの戦いのおよそ10年前、ペルシャの先代の王ダレイオスはギリシャへ進軍し、テミストクレスという一介の兵士の放った矢に倒れます。ダイオレス王の死を見届けた海軍の女性指揮官アルテミシアは、王の息子クセルクセスをそそのかして悪魔の儀式を行ない、彼を神王に仕立て上げます。神王となったクセルクセスは、人とは別物の巨人に生まれ変わり、再びギリシャへの進行を開始します。
 女性指揮官アルテミシアは、もともとギリシャの人間で、幼少の頃に親を虐殺され、自らも兵士のなぐさみものとして戦艦につながれペルシャに連れてこられたのでした。ボロボロにされて捨てられた彼女は、ひとりの高官(前作で使者としてスパルタに向かい命を落とした)に拾われて武術を習い、冷酷無比の海軍指揮官に登りつめたのでした。
 そしてクセルクセスは100万の兵を率いて再びギリシャに向うも、テルモピュライの戦いでレオニダス王と300人の兵士による手痛い抵抗に遇います。一方、アルテミシアも大艦隊を率いてエーゲ海に乗り出しますが、彼女を迎え撃つのはテミストクレスが率いるギリシャ軍でした。彼は10年前にレオニダス王を討った戦績を買われ今や指揮官に昇格していたのです。テミストクレスの海軍の巧みな戦術は、アルテミシアの軍勢に大きなダメージを与え、1度は攻撃を退けさせることに成功しますが、敵の被ったダメージは艦隊の一部に過ぎず、こちらはもう後がありません。
 ギリシャ本土もクセルクセスの進行によってアテナが壊滅状態です。テミストクレスはレオニダス王の戦死の悲報を聞きつつもスパルタを訪れ、王妃ゴルゴに強力を要請しますが、悲嘆に暮れる王妃はそれを退けます。
 満身創痍のまま再戦に挑むテミストクレスは、捨て身の戦略で敵のふところに飛び込み、司令官アルテミシアを討つ決意をします。アルテミシアの火と油を使った恐ろしい掃討作戦を潜り抜け、彼女のもとにたどり着いたテミストクレスが彼女と剣を交えた時、ゴルゴ王妃が率いるスパルタの戦艦勢が目に入ったのでした。

 ギリシャが経験したペルシャ戦争の中でも最大の戦いとされるサラミスの海戦を描いたお話しです。原作はフランク・ミラーのグラフィックノベル「300」のスピンオフ作品「Xerxes(クセルクセス)」ですが、映画公開当時この原作は未出版となっており、そのタイトルに反して、クセルクセスの活躍はあまり描かれておらず、女指揮官アルテミシアが大活躍します。
 アルテミシアは、歴史上ではトルコ南西部ハリカルナッソスの女王で「戦場を駆ける女」の異名を持ち、歴史上初の女海賊でもあったとされています。アルテミシアは実際にはサラミスでの海戦には反対で、クセルクセスもこの意見に賛同していましたが、海賊にして小国の女王の作戦への介入を快く思わなかった歴戦の提督たちは彼女の意見を退けたと言います。アルテミシアはそれでも艦隊を指揮してサラミスの海戦を戦っています。結果はペルシャ軍の敗退でした。

 前作では、テルモピュライの戦いで片目を失った唯一の生き残りディリオスが、その1年後にスパルタ軍を率いて進軍しようとしているところで終わっていますが、今作では、テルモピュライの戦いより10年前にお話しが始まり、クライマックスはテルモピュライの戦いと並行して行なわれたサラミスの海戦となっております。海戦では女傑アルテミシアが大活躍し、クセルクセス王は傍観者であったとうことは上述の通りです。
 エバ・グリーン演じるアルテミシアの勇士ぶりが素晴らしかったです。この作品はまさに彼女のためのものでした。筆者は前作をしのぐ傑作と絶賛しているのですが、評価の多くは残念なものでした。彼女がギリシャ側のヒロインだったとしたら、多くの評価も変わっていたのでしょうか。アルテミシアの存在は準主役という位置づけでありましたし、その魅力で主役のテミストクレスを食っていました。
 女優エヴァ・グリーンは、本作と同年公開の「シン・シティ 復讐の女神」でも男を惑わす妖艶な女性を演じていますが、本作では妖艶さに戦士としての魅力が加わり、筆者を彼女のファンにしてしまいました。そして2016年の「ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち」では孤児院の厳格な女主人というまったく異なるキャラクターを演じています。妖艶な役どころではありませんでしたが、ミステリアスな雰囲気は備えていました。
 前作に続いてスパルタのゴルゴ王妃を演じたレナ・ヘディは、TVシリーズ「ターミネーター サラ・コナー・クロニクルズ」のサラ役が印象的でしたが、その後は映画「高慢と偏見とゾンビ」でも勇猛な女傑レディ・キャサリン・ド・バーグ役を好演していました。今作のゴルゴ王妃は自ら戦地に赴き果敢に剣を揮っていますが、それがまた実にカッコイイです。
 本作は主役のテミストクレスの頑張りよりも、女性たちが輝いていました。

 残酷描写もかなりレベルアップしていました。人間のパーツがポンポン飛び、大量の鮮血がまき散らされます。そんなに血が噴き出るものかと唖然とするくらい。それをスローモーションで演出するものだから、スプラッタームービーも青ざめるほどの流血です(最近スプラッタームービーという言葉も聞きませんが)。もちろん筆者は大好きですよ。

 このシリーズはこれでおしまいなのでしょうか。1作目の終わりが1年後のプラタイアの戦いの開戦を示唆していますから、これを描かないわけにはゆかないでしょう、というのが筆者の感想です。3作目では今回あまり活躍しなかったクセルクセスにもうひと頑張りしてほしいですし、アルテミシア復活も希望します。ネタばれになりますが、今作でアルテミシアはテミストクレスの剣に倒れていますが、死んでませんからね、刺されて倒れただけですからね、死んだと思わせておいて復活しますからね、そう信じたいです。史実ではアルテミシアはサラミス海戦では生還しているようですよ。
 「300」のスピンオフ作品「アルテミシア」もいいな。もちろんエヴァ・グリーンで。

原題:300: RISE OF AN EMPIRE。
2014年アメリカ、102分、同年日本公開、R15+指定。
原作:フランク・ミラー「Xerxes」
監督:ノーム・ムーロ。
脚本:ザック・スナイダー 、カート・ジョンスタッド。
出演:サリバン・ステイプルトン、エヴァ・グリーン、レナ・ヘディ、ハンス・マシソン、ロドリゴ・サントロ、イガル・ノール 、カラン・マルベイ、ジャック・オコンネル、アンドリュー・ティアナン ほか。

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