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夜は短し歩けよ乙女【劇場アニメ】

2017/05/10


 黒髪の乙女こと女子大生が、夜の京都先斗町に繰り出し、酒を飲み明かすというとんでもないお話し。彼女は読書好きの清楚な乙女ではあるのですが、とにかく酒豪でいくら飲んでもつぶれることがない。清楚な身なりのまま、さまざまな裏界隈の人間に出会い彼らに付き合って飲み歩き、他人の宴会に乱入してタダ酒をあおります。
 そんな彼女に恋をした一人の先輩が、なるべく彼女の目にとまるよう行動するナカメ作戦を虚構し、偶然を装って彼女に接近しますが、彼女の方は、また会いましたね奇遇ですね、くらいの関心しか抱きません。
 季節は巡り、夏の古本市、秋の学園祭と、先輩のナカメ作戦は続きますが、成果は上がらず、黒髪の乙女はイベントの先々でどんどん様々な出会いを拡げて行き、先輩はその中のあまり目立たないひとりに過ぎません。
 いつまでもせっせと外堀を埋めるだけの先輩のナカメ作戦ですが、読書好きの黒髪の乙女が幼少時代に失くした絵本を探していることを知り、彼の作戦は絵本獲得へと前進します。
 そして冬、冷たい風が吹き、悪性の風邪が蔓延するなか、先輩は病床に伏し、彼女は元気モリモリ。先輩の外堀を埋める作戦が功を奏したのか、彼女は荒れ狂う強風のなか先輩のお見舞いに向かいます。

 原作小説が発行されたのが2006年で、筆者ももうずいぶん以前にそれを読みました。といっても原作自体がそんなに古いものでもないのに、作風がかなり古典的で、下駄履きの大学生が闊歩する昭和初期のお話しを読んでいるようなイメージがありました。
 黒髪の乙女は、容姿も態度も清楚な淑女なのですが、とにかく大変なウワバミで、酒が血液みたいな感じです。先斗町巡りでも見知らぬ怪しげな人たちと仲良くなって他人の宴会に乱入してタダ酒を食らい、最後には謎の大酒豪李白と飲み対決して彼を負かしてしまいます。
 夏の古本市では、本の神と出会い、学園祭では演劇同好会によるルール無用のゲリラ上演でヒロインを演じます。ごく自然に人と知り合い、何の悪気もなく人を巻き込み、騒動の渦中に飛び込んでゆきます。
 そして、彼女が出会う人物も奇人ぞろいです。常に浴衣を着ている自称天狗は確か大学8年生、彼とつるんでいる美女は歯科衛生士にしてウワバミ。春画収集家のおやじは経営していた錦鯉養殖場を台風で吹き飛ばされました。先斗町の夜の主にして高利貸しの李白は偽電気ブランなる密造酒を販売しています。大学の秩序を守ることに命を賭ける学園祭事務局長は女装趣味ですし、パンツ総番長は一目ぼれした女性に再会するまでパンツを履き替えずに過ごしています。いずれも笑えるようで笑えない、時代錯誤の化石奇人たちです。

 アニメの劇場公開を知った時には、おもしろいのかなぁ、と疑わしい思いでいっぱいでした。小説はそこそこおもしろかったのですが。でも、実際に観てみると、予想以上に楽しい作品になっていました。小説と同じように前時代的なユーモアに満ちあふれ、小説と同じように時代錯誤なキャラクターたちが勝手きままを演じています。たくさんの登場人物のてんでバラバラなエピソードが、絶妙に絡み合って先輩と黒髪の乙女を真の出会いへと導いてゆきます。
 これって、やはりラブコメなんですかねぇ。大人の童話って感じですけど。童話というより酒乱の夢ですか。勝手に言いたいこと叫んで、酒をあおりまくる、それが大学生だ、みたいな、そんな映画でした。聞くところによると、舞台になった大学は京大だそうです。

2017年、93分。
原作:森見登美彦。
監督:湯浅政明。
脚本:上田誠。
声:星野源、花澤香菜、神谷浩史、秋山竜次、中井和哉、甲斐田裕子、吉野裕行、新妻聖子、諏訪部順一、悠木碧、檜山修之、山路和弘、麦人ほか。

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