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ゴースト・イン・ザ・シェル【映画】

2017/05/06


 近未来。ミラ少佐は、世界で唯一全身義体化を施された特務警察官です。彼女を主軸とした公安9課は、ハンカ・ロボティックス社が推進する特殊技術を狙うサイバーテロ犯を追っていました。しかしながら、テロの首謀者と接触するうちに、少佐はほとんど失われてしまった過去の記憶と、時々現れる奇妙な残像の意味について知ることになります。
 少佐は、職務中に再起不能の重傷を負って脳だけを摘出されて義体に移され、サイボーグとして蘇ったと信じさせられて来ましたが、そこには思わぬ企業に陰謀が潜んでいるのでした。彼女は完成体として再現された義体を自在に操っていますが、彼女に至るまでに失敗し破棄されていった義体化された人々が大勢いたのです。今回のテロもそのことに起因しているのでした。

 押井守監督のアニメ「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」が劇場公開されたのは今から22年前の1995年。筆者の記憶ではもっとむかしのことのように思えるのですが、あの作品は日本のアニメ界を大きく揺さぶりました。多くのアニメファンが草薙素子少佐に憧れました。少佐は過激なアクションに耐えるサイボーグですが、サイバネティック(電脳世界)に住む犯罪者"人形使い"を追っていました。人形使いは、電脳世界のデータとして存在する犯罪者で肉体を持ちません。一方、全身義体化された草薙少佐は過去の記憶を持たず、自意識が果たして自分のものなのか技術によって生み出された記憶データに過ぎないのか疑問に思っています。肉体を持たないゴースト(魂)だけの人形使いと、肉体は持つもののゴーストの存在を疑わしく感じている少佐との戦いです。おもしろいですね。少佐は後頭部に物々しいケーブルをブスリと刺して、サイバー世界に侵入します。これをアニメでは電脳世界の海にダイブするというように表現していたかと思います。
 バーチャルリアリティのテクノロジーが進化し続ける人間社会で、電脳世界での存在は徐々に現実味を帯びてきています。同じ押井守監督の実写映画「アヴァロン」では、バーチャルリアリティ・オンラインゲームのプレイヤーが、電脳世界から抜けられなくなり、未帰還者となってゲームの世界をさまよっているというシチュエーションが題材になっています。
 電脳世界の進化、人工臓器や人工筋肉、人造人間の進化は、今後どのような問題を人間社会にもたらすのでしょう。夢と想像は膨らむばかりですね。

 さて、今回のハリウッドリメイクでは、お話しや登場人物の設定にかなり変更が加えられています。スカーレット・ヨハンソンが演じるミラ少佐は、主役でありながら草薙素子の名を棄ててしまっていますし、彼女の今回の敵は、人形使いではありません。敵を明かすことはネタばれになるので伏せておきましょうか。
 ただ、ミラ少佐は草薙素子と無縁というわけでもなく、そのあたりの事情は劇中で明らかになりますが、それがまた1つの山場でもあり、お話しが新しい局面を迎える瞬間にもなっています。
 日本アニメやゲームのハリウッド実写化には成功作品が多いですが、この作品も素晴らしかったです。ハリウッド版ということでもっとド派手なアクションになるかと思っていましたが、独特の薄暗くて人間臭い世界観がよく再現されており、極めて未来的で壮麗な街並みと、荒廃した下町が混在する、まさに押井監督が良しとしそうな社会が横たわっていました。
 ド派手アクションに慣らされている人にとっては、物足りないものがあったかもしれませんが、筆者としては、攻殻機動隊はこうでなくちゃというモノをこの作品はちゃんと押さえていた気がします。
 公安9課の課長荒巻役のビートたけしもさすがですね。非情でぶっきらぼうでワンマンな雰囲気を漂わせていながら、大企業や体制に与せず部下を信じ独自の捜査を敢行しますが、そのために命を狙われることになっても平然としています。「キツネを狩るのにウサギをよこすな」なんてセリフを吐き捨てて暗殺者を返り討ちにしてしまいます。
 義眼のパドー役のピルー・アスベックも当たり役でした。桃井かおりは〇〇の役で、作品の大きな見せ場のひとつです。ミラ少佐の義体化を指揮したオウレイ博士には、ジュリエット・ビノシュ。ちょい役でしたが、チン・ハンが演じた9課の一員もかっこよかった、9課の無敵の体質をよく表現していました。
 そしてもちろん、スカーレット・ヨハンソンの少佐役は完璧でした。少し前かがみのケンカ売ってる? みたいな歩き方が、少佐然としていました。セクシー女優と謳われながらも、彼女はひじょうに個性的な役をよく演じますよね。

 続編、あるいはシリーズ化が実現しないかなぁ。筆者はキャラクターが素晴らしいと、お話しを完結させてしまうのが寂しくなる質なので、すぐにこういうことを考えてしまいます。バイオハザードのミラ・ジョヴォヴィッチに負けるな、って感じで。

原題:GOHST IN THE SHELL。
2017年アメリカ、120分。同年日本公開
原作:士郎正宗「攻殻機動隊」。
監督:ルパート・サンダース。
脚本:ウィリアム・ウィーラー。
出演:スカーレット・ヨハンソン 、ピルー・アスベック、マイケル・ピット、ビートたけし、桃井かおり、ジュリエット・ビノシュ、マイケル・ウィンコット、チン・ハン、福島リラほか。

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