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コインランドリーの女【コミック】

2017/03/24


 女子大生の田中晴が洗濯物を抱えてコインランドリーに向かうと、いつもの店は休業していたのですが、近くに新しいお店を発見、これなら通うことができると大喜びしたのもつかの間、お店に入るやいなや、乾燥機から黒髪黒服の女が貞子のように這い出してくるのに遭遇してしまいます。
 大学生の横井も晴とまったく同じシチュエーションで同じコインランドリーを訪れ、同じ怪奇現象に遭遇します。晴は横井が高校時代の先輩で弓道部であったことを思い出しますが、なぜか彼のメガネにほれ込んでしまい、以降は彼のストーカーと化します。
 ところで、乾燥機あるいは洗濯機から這い出してきて黒づくめの女は、真魚子と言い、お店のオーナーでした。オタク女子でフィギュアやガンプラを愛で、過去にクリスマスの夜に全裸で教会に侵入して般若心経を唱えようとし警察の職質を受けたことがありました。
 真魚子自身が筋金入りの変態なのですが、お店に集まってくる人たちも常軌を逸した輩ばかりで、1回2万円の高級ランドリーを開業してすぐに破たんする目頭マコト、白馬に乗って登場し、晴にほれ込んでしまうナルシストの王子(本名はカツオ)、電話ボックスを抱えて田舎から上京し、ボックスから離れると死んでしまうという鬼久保ユリ、謎の生物"犬"などなど。商店街の組合の組長は顔に傷がありマッチョな肉体を持っていながらマゾ男だったりします。

 著者清原紘の作品には、アニメ化や実写映画化もされている「Another」がありますが、最初はホラーの色合いが濃く、恐怖シーンにユーモアを織り交ぜた独特の作風でした。しかしながら話数を重ねるにつれてギャグ要素が先行して行き、誰も真魚子のことを恐れなくなり、真魚子も洗濯機に入ることを止め、オタクで変態なギャグに明け暮れるようになります。ほんとどうしようもない奴らです。唯一まともに見える横井も、こんなお店に通うのだから変態の血が流れているのでしょう。
 真魚子は、露出の高い黒のゴスロリ服を常用していて、何もしゃべらなければかなり魅力的な女性なのですが、晴のお金を盗んでゲーム機とテレビを買ったり、祖母の年金をくすねたり、犬を河原に置き去りにしたりと、非道を繰り返すのですが、なぜかみんな彼女のことが嫌いになれず、慕っている感さえあります。彼女が突如お店ごと消えてしまった時など、全員で心配します。

 絵がとても綺麗で、序盤のホラーシーンはとってもセンシブルで、傑作との出会いを予感したのもつかの間、それは早々に裏切られ、登場キャラたちはどんどん壊れて行き、悪趣味なギャグに汚染されてゆきます。
 ほんと裏切られましたよ。それなのに何故だか嫌いになれず、今でも時々読み返しています。まったく不思議な作品です。ナンセンスなギャグに終始しているのに、どことなく人情味のある要素もあったりして、胸をほんわかさせてくれます。
 でも、著者はそんな読者の思いを余所に、最後はなんともひでぇ終わり方をします。なんでこんな作品を好きになってしまったのでしょう。筆者も変態のでしょうか。それとも筆者があまりにも当たり前で普通の人間だから、真魚子たちに酔狂ぶりに憧れてしまうのでしょうか。

2005〜2009年 ビーンズエース(角川書店)連載。
著作:清原紘。
コミック1巻(短編「鈴木姉妹」併載)

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