kepopput.jpg

イット・フォローズ【映画】

2017/03/19


 女子大生のジェイは、知り合った男性と性的関係を持ち"それ"を移されてしまいます。彼女にそれを感染させたヒューは、追ってくる"それ"から逃げ延び、別の異性に移すようにジェイに言い聞かせます。"それ"は様々な人間に姿を変え、静かに近づいてきて感染者を殺そうとします。感染者が殺されると、次のターゲットは前の感染者に戻ってしまうので、それを他人に移した者は、移した相手に殺されることなく逃げ延び、別の誰かに移すように教えなければなりません。
 そして"それ"はすぐに彼女に近づいてきました。じっと彼女を見つめまっすぐに歩いてくるのは、見かけはまったく普通の人間ですが、様子があまりにも異質でした。
 "それ"は必ず歩いてやって来て、動きは早くないので、見つけることができれば逃げることは難しくありませんが、油断していると巧妙な手口で近づいてきて襲いかかります。
 いつ、どこから、どんな姿でやってくかも分からぬ"それ"に苦しめられるジェイを、周りの友人たちは何とか助けようとしますが、"それ"は彼女にしか見えません。ジェイが危うく捕まりかけて髪を引っ張られていると、周りの友人たちには彼女の髪が透明人間に引っ張られて逆立っているようにしか見えません。
 彼女をどうしても助けたいグレッグは、彼女を説得して性交しますが、彼は自分の母親の姿をした"それ"に接近を許して殺されてしまいます。

 性交によって感染して行くとは、まるで恐ろしい性病のようですね。美人のジェイにとってセックスはボーイフレンドとの挨拶代りみたいなものなのでしょう。移されたら誰かに移せばいい、相手なんてホイホイ見つかる。でもそう簡単にも行かないようです。移した相手が殺されてしまうと、"それ"のターゲットは自分に帰ってきますから、移した相手に、殺される前に誰かに移すように教えなければなりません。そうやって不幸の連鎖を延々と続けて行く、日本のホラーにも似たようなものがありましたね。
 日本のホラーの場合は"呪い"なわけで、自分が呪い殺される前に次の誰かに呪いを移してしまわなくちゃなりません。この映画の"それ"は呪いでもなければ宇宙生物でもない、感染者にしか見えないので幻影みたいなものでしょうか。幻影や幻覚なら心理治療でどうにかならないものでしょうか。でも、幻影の類でもなさそうですよ。ジェイに襲いかかる"それ"は第3者には見えないものの彼女が襲われていることははっきりと判るのですから。
 "それ"は眠っている時は襲ってこないようです。決して走らず歩いて向かって来ます。取り逃がすとすぐにあきらめて次の機会を待ちます。実態もちゃんとあって銃で撃つと流血します。頑丈なドアなどで侵入を防ぐことも可能です。ただしひじょうに腕力が強く、人間をベキベキとへし折って殺してしまいます。
 呪いの場合は、恨みの元を突き止めて解決するというストーリーになりますが、こいつは原因も起源も不明で、いつ誰から始まったのかも解りません。セックスの代償としてその現象に巻き込まれる、それだけです。安易な性行為の蔓延に対する警鐘みたいなものですか?

 あまりにも不可解な"それ"について、あれこれ思いを巡らしていると、この作品が突っ込みどころ満載のB級ホラーであるように聞こえてしまいますが、実際の映像はけっして笑えるようなものではありません。ほんとうに怖いです。突然の大音響や、見通しの効かない閉塞的な暗闇といった"脅し"は、去ってしまえば一安心ですが、"それ"の恐ろしさは尾を引きます。
 なんか胸騒ぎがして、周りを見渡せば、雑踏の中にひとりだけ不審な様子の者がいる。まさか…と思っているうちに"それ"はどんどん近づいてきます。まっすぐに自分を見つめています。もう間違いありません、逃げなければ。
 それは雑踏の中のひとりとして出現することもあれば、突如として家の中に降ってわくこともあります。常人と変わらぬ容姿であるかと思えば、半裸あるいは全裸で歩み寄ってきたり、あきらかに異常者めいていることもあります。小便を垂れ流していることも。

 ストーリー展開はゆるやかで、若者たちの日常を淡々と描いているのですが、いつどんな形でやってくるかも分からぬ"それ"への恐怖で、観ている方も気が張りつめっぱなしです。いったいなぜ自分がこんな目に遇わなければならないのか、原因も理由も解らないつかみどころのない恐怖に追い回される、これはほんと怖いです。
 ジェイと友人たちは、ついに意を決し、"それ"をプールに追い込んで感電させてやっつけようとしますが、果たしてうまくゆくのでしょうか。

 見終わった後味がまたなんともよろしくないです。見方によっては納得できないエンディングととらえ、作品自体を愚作と感じてしまうかもしれません。ところが、"それ"の恐怖は尾を引きますから、見終って時間が経ってからでも追いかけてきたりします。
 理屈であれこれ考えるよりも、この新感覚ホラーをしっかりと堪能してください。

2014年アメリカ、100分。日本公開は2016年。
監督:デヴィッド・ロバート・ミッチェル。
出演:マイカ・モンロー 、キーア・ギルクリスト、ダニエル・ゾヴァット、オリヴィア・ルッカルディ、リリー・セーペ、ベイリー・スプリー、ローレン・バスほか。

コメント
コメントする








   
この記事のトラックバックURL
トラックバック

目 次
能書き

思うこと全般

けぽっぷ体験

アイドルのこと

韓流映画

番外編


索引 韓流映画&番外編





  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  
<< October 2019 >>

サイト内検索

NEW ENTRIES










recent comment

links

プロフィール

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM