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くちびるに歌を【映画】

2017/02/03


 長崎の五島列島の中のひとつの島の中学校に、産休に入った教師の代わりに赴任してきた柏木ユリは、美人だけど寡黙で笑顔もなく、いつもふてぶてしい態度のイヤな感じの女性です。産休の松山ハルコの頼みで1年間だけの臨時教員として、郷里に帰ってきたのですが、まったくやる気なさげ。松山ハルコが顧問をしていた合唱部の女子たちは、学校のOBにして神童ピアニストの名声を持つ柏木の赴任に大いに期待していましたが、「柏木です、適当によろしく」と、ぶっきらぼうな挨拶をしたきり、ろくに練習も見てくれない彼女に落胆します。美人教師が合唱部の新しい顧問になったことで、男子の入部希望が殺到しますが、男子部員は練習もいい加減で、女子たちをイライラさせます。
 柏木には秘めた暗い過去があり、もう2度とピアノが弾けないようになっていました。誰にも心を開かず、ボロボロのワゴン車を乗り回し、世捨て人のような孤独な暮らしをしています。
 一方、合唱部の生徒たちも様々な問題を抱えていました。部長の辻エリは離婚した父親に自分は捨てられたと思い込んでいますし、桑原サトルは美声の持ち主ですが、自閉症の兄の世話で思うように練習に来れません。そうした生徒たちの苦悩に触れ、柏木の凍てついた心が少しずつ溶けて行きます。

 アンジェラ・アキの「手紙 〜拝啓 十五の君へ〜」という楽曲をモチーフに書かれた同名小説の映画化です。
 やる気のない教師が、やる気のない生徒たちに課した課題、15年後の自分への手紙、それに対して唯一真面目に応えた桑原サトルの回答が、柏木が生徒たちに心を開くきっかけになります。桑原は自閉症の兄を支える存在としてこの世に生を受けた、だから兄のために自分の人生を捧げなければならないと信じています。そんな彼がたった1度、自分のやりたいことを親にねだった、それが合唱部への入部でした。
 放課後の練習に参加したら、兄の世話は誰が診るんだ、そんなもんやめとけ、桑原の父は猛反対です。しかしそれでも歌いたいという桑原の熱意が柏木の心を動かします。自閉症の兄も弟の歌が聞きたいと切望します。

 アンジェラ・アキの楽曲では、15才の僕が未来の自分に宛てた手紙に対して、大人の僕が応えていますが、このお話しでは桑原の手紙に応える者はいません。ただ、自閉症の彼の兄が、ぶっちょうづらした臨時教員が、周りのみんなが変わり始め、合唱部は県のコンクール出場へ向けて動き出します。桑原にとっては、それが何よりも大切な答えでした。そして柏木や合唱部のみんなにとっても。

 アンジェラ・アキの手紙〜というと「書道ガールズ!! わたしたちの甲子園」という映画を筆者は思い出します。あの映画で書道部員のひとりがずっと聴いていた音楽がこれで、筆者はこの映画でこの曲を知りました。「書道ガールズ」もお勧めですよ。手紙〜は、青春映画とベストマッチする名曲ですね。
 中学高校時代に、青春をかけて何かに打ち込んだ経験は、生涯の思い出になるのでしょうが、いったいどれほどの人たちが、こんな思い出を持っているのでしょうね。筆者は、中高生の部活では青春っぽい思い出なんてまったくなかったなぁ。ただ、高校時代に数名の仲間と手作りの同人誌を出したのが、いい思い出かな。あの頃はパソコンもコピー機も世に存在しなくて、年賀状用の小型複写機を駆使して本を手作りしたものです。教師たちは憤然としてましたけどね。

2015年、132分。
監督:三木孝浩。
原作:中田永一。
脚本:持地佑季子、登米裕一。
出演:新垣結衣、木村文乃、桐谷健太、恒松祐里、下田翔大、葵わかな、山口まゆ、柴田杏花 、佐藤勇斗 、渡辺大知、室井響、眞島秀和、木村多江 、小木茂光、角替和枝、井川比佐志、石田ひかりほか。

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