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ドント・ブリーズ【映画】

2017/02/01


 ロッキー、マニー、アレックスの3人は、空き巣泥棒を繰り返していました。ある時、独り暮らしの盲目の老人が大金を隠し持っている情報をつかんだ彼らは、これを最後に得た資金で街を出ることにします。それは彼らにとって再出発のための最後の仕事のはずでした。
 郊外に住む盲目の老人の家の周りはほとんどが空き家で、仕事は難しくないはずでした。獰猛な番犬を飼い、何重にも鍵を掛け、セキュリティシステムも導入するという厳重な警戒ぶりでしたが、3人は番犬を催眠ガスで眠らせ、鍵を壊して家に侵入すると、妨害電波でセキュリティシステムも無効にしてしまいました。あとはぐっすりと眠っているはずの老人に気づかれないように金を見つけるだけ。
 老人にはかつて一人娘がいましたが、娘を事故でなくし、加害者から多額の賠償金を受け取っていました。3人の目当てはそれです。
 慎重に老人の寝室に近づくと、そこにも催眠ガスのボンベを投げ込みます。ところが老人は退役軍人で、あらゆる身の危険に対して対処できるよう訓練されていました。攻撃を未然に交わした老人は、拳銃を片手に反撃を開始します。家の中の明かりを消してしまえば、盲人も健常者も条件は同じです。しかも老人には元軍人としての技術と腕力、盲目生活で培われた人並み以上の聴力があります。住み慣れた自分の家の中では勝手も判っています。
 楽勝の仕事であったはずが、3人は徐々に追い詰められ、命の危険にさらされることになります。

 犯罪サスペンスの多くが、迫りくる犯罪者による暴力に怯える被害者の視点で描かれたいますが、この映画はその逆で、加害者の方が被害者の逆襲にたっぷり恐怖を味わうことになり、加害者の視点で描かれています。観客の目にも、もはや被害者が怪物と化し、3人の若者たちがどうやって悪夢の家から脱出するかというシチュエーションに手に汗握ることになります。とてもユニークですね。
 他人の財産を狙う泥棒なんて、誰も応援したくはありませんが、マニーは幼い妹と2人暮らしで貧困にあえいでおり、これを最後に汚い仕事から足を洗い再出発するつもりでした。同情したくなりますよね。それに被害者の老人にはある恐ろしい秘密があり、後半戦では老人はまったくのところ怪物と化します。ただ単に盲人となめていたら凄腕の退役軍人だったというだけにとどまらず、マニーたちは老人のおぞましい秘密に触れ、恐怖が上塗りされるというわけです。とんだモンスターハウスに迷い込んでしまったものです。
 製作に「死霊のはらわた」のサム・ライミが参加しています。多くのホラー作品をヒットさせ、近年はスパイダーマンシリーズで新たなファンを増やしています。ホラーやサスペンスが得意な監督ですが、「オズ はじまりの戦い」といったファンタジーアドベンチャーも手がけています。1980年代にホラーのブームを築き、今なお健在の巨匠ですね。

 ところで、ホラー、サスペンス、スリラー、ミステリー、こういったジャンルのちがいってなんか判然としませんよね。2サスの愛称で日本で人気になった"2時間サスペンス"というジャンルは、刑事もののテレビシリーズでした。筆者が大好きだったサイコ・サスペンスは、謎の連続猟奇殺人を追ってゆくと狂信的なサイコパス(精神異常者)が犯人だったというもので、ブライアン・デ・パルマ監督なんかが素晴らしい作品を多産していましたね。ホラーというと、心霊現象だとか宇宙生物だとか、そんな正体不明なものに追い掛け回される恐怖映画って感じがします、筆者的には。オカルト映画、モンスターパニックなんかがホラーですかね。ジェイソン君が大暴れする"13日の金曜日"シリーズもホラーですね。ジェイソン君は実在するのでしょうか、それとも死霊なんでしょうか。ただ、サイコ・サスペンスを、サイコ・ホラーを表記する例もたくさんあります。
 「CUBE」や「ソウ」「オープンウォーター」で耳にするようになったソリッド・シチュエーション・スリラーって言葉は、固定的な状況の中で描かれる恐怖みたいな意味だそうですが、スリラーをホラーを置き換えても良いみたいです。筆者はこの作品「ドント・ブリーズ」を犯罪サスペンスと上述しましたが、ネット上の記事等ではしばしばスリラーと表現されています。
 ホラーとは、観客が恐怖感を味わって楽しむジャンル、スリラーとは、テンポが速くてアクション要素の高いジャンル、サスペンスとは、不安や危機感を持続させて観客の興味をつないでゆく作風のジャンル、ミステリーとは、不思議、謎、奇怪といった要素で観客をひきつけるジャンル、なのだそうです、要約すると。もっと要約すると、ホラーは恐怖、スリラーははらはらドキドキ、サスペンスは危機不安、ミステリーは謎、ってことで良いのではないかと思います。
 同じはらはらドキドキでも007等のスパイアクションはスリラーとは言いませんね、スリルの質がちがうってことなのでしょう。何だったか忘れてしまいましたが、むかしサスペンスホラーなんていう表現を見たことがあります。どっちやねん、なんて独りでつっこんでましたが、けっきょくのところ曖昧なんですよ。
 時代と共に作品数がどんどん増え、映画も手替え品替えでいろんな仕掛けや見どころを用意してきますから、むかし決めた枠組みには収まりきれないユニークな作品がどんどん生まれて、種分けも難しくなってゆくわけです。評論や解説でジャンルづけされていることにあまり捕らえられないほうが良いかもですよ。
 犯罪映画のジャンルに、クライムサスペンスってのもありますよ、はい。

原題:DON'T BREATHE。
2016年アメリカ、88分。同年日本公開。
監督、脚本:フェデ・アルバレス。
脚本:ロド・サヤゲス・メンデス。
出演:スティーブン・ラング、ジェーン・レヴィ、ディラン・ミネット、ダニエル・ゾヴァットほか。

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