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夢を売るということ

2017/01/22


 韓国のアイドルグループは通常7年契約で、その多くが契約満了でメンバーの脱退やグループの解散を迎えるのが通例なのだそうです。長い研修期間を終えてようやくステージに立つことができても、スター生命は7年間という有期雇用というわけです。もちろんそれを越えて長寿を保っているグループもありますが、興行成績が揮わなければ契約更新は期待できないでしょうし、契約期間内にアイドルとしてどれだけ活躍できるかも判りません。毎年たくさんの新人がデビューしますが、生き残れるのは2割ほどだという話しも聞いたことがあります。あとの8割は、デビューして1曲2曲歌ったものの、その後はカムバックすることもなく契約期限を迎えるということなのでしょうか。
 以前にも書きましたが、K-POPアイドルの去り際のあっけなさには驚かされます。誰それはソロで残ったけれども、あとのメンバーはグループと共にいつの間にか流れ解散、そういう例が当たり前になっていますよね。久々にカムバックしたけれど、メンバーが大きく入れ替わっていて、まるで別のグループみたいになっちまってるってのも普通です。
 アイドルは若いうちしかできないものだから、永久就職なんて考えていない、それこそ青春の一時期の思い出が作れれば良い、そんなノリなのでしょうか。
 同様に、業界のアイドルの扱いもけっこうひどい気がします。大々的にオーディション番組を展開して、デビュー前から多くのファンを獲得しておきながら、その多くはふるい落とされ、勝ち残ってデビューを果たしたとしてもデビュー曲が揮わなければそれでおしまい、そんな事例もありますよね。あと、これも以前にも書きましたが、最後まで勝ち残ったメンバーの1人だけをふるい落とす、まるで人間をゲームの駒のように扱っている気がします。8人勝ち残ったメンバーをあえて7人にしなきゃならない意味が解らない。あるいは新人がベテラングループに編入されたものの、そのグループが契約更新せずに解散、それなら最初から新人を編入しなけりゃいいじゃないか、そんなのもありました。

 韓国の音楽業界にとって、アイドルというのは楽曲を売るためのメディアでしかないのでしょう。いかにクォリティの高い音楽(ダンス等のビジュアル面を含め)を提供するかが、業界の本分であって、メディアたるアイドルは使い捨てるもの、そんな感覚なのではないでしょうか。
 筆者は、まったくの素人なので、実際のところ業界の思想については知る由もありませんが、日本のアイドルと比べると、上述のような感想を禁じ得ません。

 日本のアイドルは、技術よりも器量といった要素が多分にあります。歌や踊りよりもファンに愛される人材の育成に重きを置いている感じがします。一流の売れっ子アイドルでも歌が下手で堂々と通ってしまいます。歌うことよりもタレント性が重要なんですよ、日本の場合は。
 日本のアイドルのファンたちは、音楽を聴くことよりも大好きなアイドルが歌って踊っていること、話しをしていること、バラエティ番組で様々なチャレンジを行なっていること、それを観るのが好きなんですよ、たぶん。
 だから、日本のアイドルはどれだけファンに愛されるか、どれだけファンを裏切らないか、どれだけ夢を見させることができるか、それが勝負なんですね。
 日本では、アイドルは"夢を売る商売"であるとか言われます。だから熱狂的なファンたちの夢をつぶさないように尽力します。アイドルグループが長寿であればファンも長い間夢を見ていられます。親子でアイドルを追いかけられます。もちろんファンの方もアイドルも人間だって解っています。仕事にスキャンダルもあれば飽きてしまうこともある、恋愛もする。でも、あからさまにそういうところを見せ付けるわけにはゆかないのです。情報誌がアイドルの熱愛を報じても事務所として「友だちとは聞いているが、恋人ではない」と否定する。ファンとしてはウソでも否定してほしいのです。

 日本の場合、アイドルが契約満了の話題やら、恋愛沙汰やらを表立って語ってファンを白けさせてしまったら、ファンの夢を覚まさせてしまったら、それは業界の命とりです。そりゃいつかは終わりが来ます。潮時というものがやって来ます。その際にはファンに感謝をこめて引退コンサートとかやって、きれいな形で引退しなければなりません。長寿のアイドルなら、現役中の結婚もあるでしょう。そのタイミングというものがあります。ファンの方から、そろそろ結婚させてあげたい、そんなふうに思ってくれれば、祝福された結婚ができますね。
 アイドルが、ホイホイとファンを白けさせていたならば、夢から覚めたファンは再びアイドル業界には帰って来ないでしょう。多くのファンが業界に足を向ければ、ブームは去り業界は廃れて行きます。だから、アイドルは引き際でさえ大切にしなければなりません。

 韓国の音楽業界には、良質の歌と踊りを提供するという自負があるのでしょうが、それだけでは多くのファンを獲得できません。なぜならファンの多くが音楽の専門家ではないからです。K-POPは技術ありきと言えども、歌番で上位になる楽曲が必ずしも優れた楽曲であるとは限らないでしょう。楽曲が上位にランキングされる要因の多くが人気アイドルのおかげ、所属事務所の力、そうではありませんか? もっと素晴らしい曲、感動的な曲の多くが、事務所が小さいとか、ファンが獲得できていないといった理由で下位に甘んじている、そうではありませんか?
 K-POPが音楽ありきだと言い切るなら、歌手のことを日本に倣ってアイドルなんて言う必要はないでしょう。歌手をバラエティ番組に出す必要もないでしょう。アイドルのグッズ展開も無用です。

 韓国でのK-POP支持年齢は、日本に比べるとずいぶん低いと聞きます。大人になったらいつまでもアイドルにうつつ抜かしてる場合じゃないそうです。だったら、アイドルが短命でも使い捨てでも構わないのでしょうか。日本みたいに40過ぎてもアイドルやってるジャニーズと共に年を重ねて行くファンなんて、韓国では考えられないのでしょうか。
 かく言う筆者は、特定のアイドルにうつつを抜かした覚えはいまだかつてありませんので、多くのアイドルファンたちと共に盛り上がるという羨ましいイベントにはなかなか参加できないでいるのですが、それでもファンたちの情熱、ファンの業界を支える力というものは、ひしひしと伝わってきます。業界にとっても、音楽文化にとっても、ファンの存在はやっぱひじょうに重要ですって。

 日本には、アニメやゲームのキャラ、ボカロなんていう決してファンを裏切らないアイドルがいますよ。架空の存在に入れ込むなんて愚かだとおっしゃるなかれ、人類はシェイクスピアやそれ以前の時代から、バーチャルリアリティに感動し、虚構の世界に酔い、人生を学んできたのです。それが人間ってやつです。手の届かないアイドルだって、ファンにとっては恋人にはちがいないのです。作家が虚構の人格を産み出すように、音楽業界は真剣に夢を売るです。

 まぁ、技術よりもアイドルありきの日本の業界姿勢が全面的に正しいとはぬかしませんが、ファンを裏切らない、夢を壊さないということへの配慮は、思いのほか重要だと思いますよ。
 韓国でも今後ファンの年齢層は次第に高年齢に拡大して行くと思われます、かつての日本がそうであったように。そしてそのことが"夢を売る"ことの重要性が広く認知されてゆくことにつながってゆくはずです。

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