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アズミ・ハルコは行方不明 その2【映画】

2016/12/25


 安曇春子は、小さな商事会社に勤める平凡なOL。いつもヒマそうに煙草をくゆらせている社長と専務、せっせと独りで仕事を切り盛りしている年増社員吉澤ひろ子、職員はそれだけ。社長と専務は100万円ばかりの月給をせしめ、実務は吉澤に押し付けて、彼女の批判ばかりしています。じつにいけ好かないやつらです。春子の月給は13万、勤続の長い吉澤で17万。社長と専務の願いは高給取りの吉澤には早く退社いただいて、若い娘を安く使いたい、仕事ができても男はダメ、男には高給を与えなくちゃいけない。いけしゃあしゃあと社長たちは春子に語るのでした。
 ある時、高校時代の同級生の曽我に呼び出されて春子は近所の廃墟にやって来ます。呼びつけておいてろくに話もしない変人でいい加減な曽我に、彼が不法侵入して住み着いている廃墟で春子は体を許します。
 軽薄男のユキオと軽薄女の愛菜は、根暗な学とつるんで路上アートチーム"キルロイ"を結成し、外国人のスプレーアートの真似事をして落書きしまくっています。たまたま交番で見つけた尋ね人安曇春子の写真を写メってステンシルを作り、町中に貼りまくっていたところ、ネットで話題になり、3人は狂喜します。
 ユキオは、ネットで女子高生のナンパに成功し、待ち合わせのファミレスに学も誘いますが、やって来たJKたちは、男たちへの復讐を旨とし、夜道で独り歩きの男を襲撃する女子高生ギャング団でした。たまたま駐車場を歩いていた学がボコられ、ユキオはとっとと逃げ出します。その事件で彼らがキルロイであることが警察に知れ、落書きが重罪であることを知ったユキオは、キルロイに見切りをつけます。
 とあるうさんくさいイベントプロデューサーがキルロイのアートを認め、学は公共のイベントでディレクターを務めることになりますが、そうするとユキオはのこのこやって来てチーム再結成を宣言します。ところがイベントに客が入らず、名声をものにできないと知ると、ユキオはまたもや学のもとを去ります。
 キルロイが街のイベントで有名になったことをネットで知った愛菜は、逆上して夜の休業中のイベント会場に乗り込み、展示物を破壊し服毒自殺で自分を棄てたユキオに復讐しようとします。

 原作小説はあんなに感動的だったのに、映画の方はなかなか残念な出来でした。原作を読んでない観客にとっては内容はほとんど伝わらなかったでしょうし、安曇春子がいつ失踪したのかも判らなかったでしょう。
 とにかく登場人物がことごとくウザかったです。チャラ男とチャラ女の展覧会でした。どいつもこいつも調子のいいこと言ってヘラヘラ笑ってやがるか、むすっとして何考えてるか分からないか、態度も行動も不審で見ていてイライラしました。商事会社の社長と専務、ユキオ、曽我、学、愛菜、交番前でボケーっとソーセージとか食ってる巡査にもムカつきました。
 春子にはさすがにムカつきませんでしたが、曽我にグダグダと告り出したあたりから、なんだかウザくなりました。
 春子の家には、認知症の祖母にヒステリーを起こし続けている母と、それを無視し続ける父や弟、ここも萎え人間の展示場です。
 そんな中で、年増社員の吉澤ひろ子と、JKギャング団が、筆者にはまともというか、好感が持てるキャラクターでした。吉澤は社長や専務にうとまれながら、そのことをちゃんと承知していて自分の立ち位置をしっかり持っています。JKギャング団はやってることは犯罪ですが、その行為には思想があり、キルロイの単なるバカ騒ぎよりも筋が通っていました。

 小説の感想で、映画化された際に少女ギャング団がカットされてしまってもお話しに影響はないと書きましたが、実際の映画化ではちゃんと描かれていて、そこは賞賛したいと思いました。ただ、彼女たちの存在が活かされていないところが残念でした。ただ登場しただけじゃん。かと言って彼女たちを活かすのにはどうすればよいのかというと、これがひじょうに難しい。
 原作は、筆者の重要な愛読書のひとつになりましたが、映画の方はウザいキャラたちにうんざりさせられるだけの、退屈な作品でした。登場キャラを愛せないというのは観客にとって最悪ですよね。監督は原作のキャラたちをこんなふうに受け止めていたのかなぁ、そう思うと何だかさびしい気分になりました。もっともキャラに好感が持てなかったのは、筆者の主観であって、こういう人種たちに好意を抱く観客も少なくないのかもしれませんが。
 映像化の難しい作品、であったのかもしれませんね。

原作:山内マリコ。
2016年、100分。
監督:松居大悟。
脚本:瀬戸山美咲。
出演:蒼井優、高畑充希、太賀、葉山奨之、石崎ひゅーい、菊池亜希子、山田真歩、落合モトキ、芹那、花影香音、柳憂怜、国広富之、沢井 加瀬亮ほか。

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