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スーサイド・スクワッド【映画】

2016/09/23


 スーパーマンVSバットマンの戦いでスーパーマンが亡くなったあと、現代の防衛手段では防げないような敵の出現に備えて、超人的なパワーを持つ犯罪者たちをもってこれに対抗する、そんな無謀な発想のもとに結成されたのが、スーサイド・スクワッド(自殺部隊)です。
 バットマンやスーパーマンなどDCコミックに登場する悪役たちが、アメリカの軍部によって無理やりヒーローに仕立て上げられます。おもしろい発想ですね。悪役たちはバットマンたちの活躍によって特別施設に収容されていますが、軍隊も手を焼く強敵を排除するために再び社会に放たれます。報酬として減刑が与えられますが、多少減刑されたところで彼らの並外れて長い刑期にはほとんどメリットがありません。そこで彼らの頭にはリモコン爆弾が埋め込まれ、強制的に従わせることにしました。逆らえばボタンひとつで脳ミソが吹っ飛ぶというわけ。
 今回、彼らが倒すべき敵はエンチャントレスという太古の魔女。古代文明を研究するジューン・ムーン博士にとり憑いて現代に出現し、強大な破壊兵器を完成させ人間社会を滅ぼそうとします。ムーン博士の恋人であり軍人のリック・フラッグ大佐がスーサイド・スクワッドを率いて地獄に突入します。
 スーサイド・スクワッドの主軸となるのが殺し屋のデッドショット。彼の狙撃は標的を外したことがありません。デッドショットと共に部隊の要として活躍するハーレイ・クインは、バットマンの宿敵ジョーカーの恋人で、かつては犯罪学専門の心理学者でした。

 映画の予告編を観れば、これは絶対におもしろいと多くの人が思うでしょう。しかしながら公開されてからは、かなり悪評が目立ちました。アメリカの名だたる情報誌も公開前の試写会を観た批評家たちの酷評を劇場公開に先駆けて並べ立て、有名な批評サイトでもひじょうに低い点数を公開するなど、アメリカ本国でまず不評の嵐に火が点いたようです。
 日本でもこれに倣って大勢の批評家たちが低い点数とこき下ろし記事を公開しています。筆者はDCコミックファンでもアメリカンヒーロー好きでもありませんが、この悪評攻勢にはいささか呆れました。映画「スーサイド・スクワッド」はあきらかに失敗作であるという常套句から始まって、観るに堪えないだの、○○に陥っているだの、物知り顔で言いたい放題書いている記事は、読んでいて楽しいものではありません。アメリカの批評家の動向を見てそれに準じているだけじゃないの? そうやって自身の株を上げようとしているだけなのでは? 意味不明な単語や難解な表現を連ね、作品評価というより自画自賛みたいになっている記事の方がむしろ駄作で吐き気がする、そう感じました。
 これを受けて世間では、あの映画は面白くないらしいというウワサが拡がり、筆者もそういった声をチラホラ耳に挟みました。前評判に流されて観る人にとっては、確かにおもしろくなかったのでしょう。一般投稿サイトでも悪評と低い点数が目立ちました。

 それでも筆者は、おもしろくないわけがない、そう信じて劇場に足を運び、いよいよ上映開始という時にはワクワクしていました。前作「バットマンVSスーパーマン」も悪評の数々とは裏腹にかなりおもしろかったし。
 ただ、累々たる悪評の中でもヒロイン(日本の公式サイトではアイドルとあった)のハーレイ・クインはかなり好評で、どの批評にも彼女だけが救いの女神だみたいなことが書かれてありました。
 じつは筆者も彼女見たさに映画館に足を運んだようなところがあります。犯罪心理を研究しその撲滅に励んでいた科学者が一変してクレイジーな極悪人になし、狂喜して破壊の限りを尽くす。白塗りにツインテール、人を食った笑みと相まって、ひじょうに魅力的な悪キャラとして完成しています。
 ただね、彼女の活躍が今いちだった。無謀な作戦に二の足を踏む男たちの尻を叩き、率先して危険の中に身を投じる火付け役としては彼女は充分な働きをしていましたが、その狂気のうちに秘められた頭脳がほとんど活かされません。ジョーカーに恋い焦がれ、危険を楽しんでいるだけの無鉄砲ガール、それがハーレイ・クインのすべてでした。理知的な側面を発揮しないのなら、元科学者というプロフィールは必要ないんじゃないのか、そんな気がしました。知的な判断をするのはデッドショットの役回りで、彼女は独断専行で仲間を顧みずに行動に出てしまう、そんなキャラでした。その破天荒な行動はじつは天才的な知性に裏打ちされているということなのかもしれませんが、映画ではそれが見えませんでした。
 映画「ダークナイト」でバットマンを窮地に追い込んだ悪の帝王ジョーカーは、今回は脇役です。スーサイド・スクワッドの結成で檻から出てきたハーレイ・クインを奪還するためにちょろっと登場します。ジョーカーのこの扱いも多くのファンにとってはおもしろくなかったみたいですが、ジョーカーが自殺部隊の隊員に甘んじる絵柄なんか見たくないし、似つかわしくもないので、筆者はこれでよかったと思います。

 今回、我らがダークヒーローたちは、みんな善人でした。デッドショットは幼い娘を溺愛する良き父親ですし、火炎使いのエル・ディアブロの自分のせいで家族を失い、もう誰も傷つけたくないと心を閉ざしています。岩石男のキラー・クロックなんか「ファンタスティックフォー」のザ・シングを彷彿させるグッドガイです。カタナというなんとも無機質な呼称を持つ日本人女性剣士も登場しますが、日本人ってアメリカンヒーローの間ではどうして感情のないロボットキャラになっちまうんでしょうね。
 そして最後には「やってやるぜっ!」みたいなアメリカンなノリで一丸となって悪をくじきます。いや、あなた方が悪なんですけどね、本来は。
 この映画で本当の憎たらしい悪は、スーサイド・スクワッドを結成し、出世と護身のために彼らを地獄へけしかけた高官アマンダ・ウォーラーですね。彼女にはひとあわ吹かせてやりたかったですが、吹かなかったですね、残念ながら。彼女の「失敗すれば使い捨てにすればいい」という冷酷なセリフも悪玉としてなかなかドスが効いています。

 以下、結末に関わる話しです、これから観る予定の方は、行あけ後まで読み飛ばしてください。
 かくして監獄の地獄から引っ張り出されて地獄の戦場に駆り出されたダークヒーローたちは、見事に事件を解決し、再び地獄へ収監されてお話しは幕となるのですが、太古の魔女をも殲滅してしまうワルたちが、頭に仕込まれた爆弾ひとつでアマンダ・ウォーラーの手のひらで転がされてしまうのは、いささかおもしろくないですね。ここは一発痛快などんでん返しでウォーラーをピーピー泣かせたかったところです。
 地球を滅ぼすような魔界のパワーを世に放つ魔女を、自殺部隊は通常兵器と根性と、ちょっぴりの超人パワーだけでやっつけてしまいます。これでは太古の魔女もこけおどしになっちまいます。悪人たちを放たなくても、軍隊だけでどうにかなったんじゃね、そんな気もしました。この辺りが、本作を駄作呼ばわりした批評家たちの鼻についたんでしょうね、たぶん。筆者も少しだけ同感です。

 悪をもって悪を征すというユニークな発想から生まれたスーサイド・スクワッドですが、もっと悪本来の気質や才能を発揮し、部隊発案者も予測できなかったとんでもない展開になっちまうような、そんな要素があってもよかったかな、そう思いました。僕たち私たちのハーレイ・クインをこのまま終わらせるのはかなりもったいないので、ぜひとも次回作を作っていただいて、彼女のさらなるご活躍に期待したいものです。

原題:SUICIDE SQUAD。
2016年アメリカ、123分。
監督、脚本:デヴィッド・エアー 。
出演:ウィル・スミス、ジャレッド・レト、マーゴット・ロビー、ジョエル・キナマン、ヴィオラ・デイヴィス、ジェイ・コートニー、ジェイ・ヘルナンデス、アドウェール・アキノエ=アグバエ、アイク・バリンホルツ、スコット・イーストウッド、カーラ・デルヴィーニュ、福原カレン、アダム・ビーチ、ベン・アフレックほか。

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