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君の名は。【映画】

2016/09/14


 飛騨の山奥の寒村に暮らす女子高校生宮水三葉(みつは)は、古い因習に縛られ目新しいこともなにもない村の暮らしに失望し、東京暮らしに憧れていました。来世は東京暮らしのイケメン男子に生まれ変わりたい。ある朝目覚めると、彼女は見知らぬ部屋で目を覚まします。鏡に映る自分の姿も変わっていました。夢が叶い、彼女は東京暮らしの男子高校生になっているのでした。
 それにしてもリアルな夢だ。三葉は状況がまったく理解できないまま立花瀧(たき)として見知らぬ高校で男友だちに囲まれ、レストランのアルバイトに苦戦するのでした。
 その同じ時、立花瀧は宮水三葉として目覚め、見知らぬ寒村で女子高生として戸惑っていました。
 2人の入れ替わりは、何度も繰り返され、元の自分に戻っている時は入れ代っている時の記憶が曖昧になってしまうので、お互いのスマホに入れ代っている時の日記や注意事項を書き込むようにしました。
 ある時、約1300年ぶりにティアマト彗星が到来し、その最接近の夜、折しも三葉の村では祭りが催されていました。壮麗な天体ショーの下、祭りは大いに盛り上がりました。

 そしてある時、入れ替わりがパタリと起こらなくなってしまいます。瀧はお守りのように手首に紐を巻いていますが、それがいつどこで手に入れたものなのか記憶が定かではありません。それは組み紐と言われる伝統工芸でした。組み紐には人と人とを時空を超えた結ぶ力があるのだそうです。
 瀧はおぼろげな記憶から村の景観をスケッチに描き、それを手掛かりに三葉に会いに行こうとします。飛騨(岐阜県)を訪れた彼は、村人に聞き込みを行なって糸守町という土地を突き止めますが、そこは3年前に接近したティアマト彗星の破片の落下により壊滅し、住民たちは死滅してしまったということでした。

 日本の伝統工芸組み紐には、人と人、人と時を結ぶ力があるのだそうです。作中で三葉の祖母がそんなようなことをおっしゃっていました。そして三葉はその伝統を受け継ぐ家系の娘で、彼女のような入れ替わり現象は、その家系の女性にしばしば起こる不思議な能力であるようです。
 ティアマト彗星の接近がもたらす災害を予見した三葉の能力が瀧を呼び寄せたのでしょうか。瀧はとり憑かれたように三葉を求め、最後の入れ替わりに挑みます。
 3年前の彗星事件の直前の三葉と、瀧は入れ替わりによってつながったのでしょうか。入れ替わりが絶えてしまったのは、大勢の村人と共に三葉も燃え尽きてしまったからなのでしょうか。それでも瀧が入れ替わりに挑もうとしたのはなぜでしょう。これまで自分の意思とは関係なく入れ替わりが生じていたのに、いったいどうやって自ら入れ替わろうというのでしょう。
 正しくは、入れ替わろうとしたのではなく、三葉を助けようとしたのですが。この辺りのカラクリは本編をご覧ください。

 大自然の雄大で美しい風景、人間の素朴な心と感性、そしてSF。これらが絶妙に融和した世界が新海誠監督の得意とするところですが、この作品でもそれが遺憾なく発揮されました。彼のこの瑞々しい感性は、宮崎駿の作風に通ずるものを感じさせますが、宮崎ワールドに比べラブコメ要素が強く、魑魅魍魎の類も登場しません。僕たち私たちの日常と地続きのSFでありファンタジーなんですね。そのことは、僕たち私たちの心や命が大自然や時空を超えた未来、遠い過去から連綿と続いてきた文化とつながっているという、心理的な雄大さを思わせ、好感が持てます。新海ワールドの美しさに触れるとき、泣きたくなるような感銘を覚えるのは、あわただしい日常のごたごたで忘れてしまったものを、人として大切なものを呼び覚まさせてくれるからでしょうか。
 感動のラストシーンの是非については、観る人によって千差万別でしょう。筆者的にはノーコメントです。みなさんそれぞれに思いを馳せてください。
 ただ「君の名は。」というタイトルが、ちょっと惜しいような気がします。このフレーズは確かに作品のキーワードではあるのですが、もう少し重みを持たせたタイトルでも良かった気がします。じゃあどんなのがいいかって? そうですねぇ、人と人とを結びつなげる組み紐にちなんだ言葉とか。

2016年日本、107分。
監督、脚本:新海誠。
声出演:神木隆之介、上白石萌音、長澤まさみ、市原悦子 、成田凌、悠木碧、島崎信長、石川界人、谷花音、てらそままさき、花澤香菜、大原さやか。

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