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ミス・ワイフ

2016/09/11


 勝訴率100%の敏腕女弁護士ヨヌは、やがて40歳になるも独身。徹底したエリート王道を躍進し、着々とキャリアを積み、前途洋々の勝ち組人生を謳歌していました。貧しい家庭に育ち両親と死に別れた彼女は、自分は母親のようにはならないと誓い、人道的なことよりも出世に有利な仕事を厳選し、成功をものにしてきました。
 建設会社の御曹司が強姦未遂事件を起こした時も、彼女は被害者の少女とその母親をなかば脅すような形で示談をまとめ、社長から次の仕事、すなわち開発事業を3年早めるための地域住民との交渉を任されていました。
 謝礼としてもらった高級車を意気揚々と運転している時、居眠り運転のトラックと遭遇、操作を誤って事故を起こしてしまいます。そのまま生死をさまよい彼女は天国の扉を叩くことになります。
 人の生死を司る事務局の局長が言いました。局員のミスで1ヶ月早く亡くなってしまった女性がいるのだが、その人に代わって残された時間をつつがなく過ごしてくれたら、元の人生を返す。ヨヌは一も二もなくその条件を承諾し、気づけばとある貧しい家庭で目を覚まします。
 ヨヌが与えられた1ヶ月間の借りの人生は、地方公務員の夫と2人の子を持つ34歳の主婦でした。家計をやり繰りし、内職に精を出し、近所のおばさんたちとの井戸端会議に参加する、そんな暮らしでした。それは彼女の望みとは真逆の人生でした。家族に縛られ夢をあきらめるわびしい生き方が耐えられないから、彼女は結婚もせず仕事一途に邁進してきたのです。

 人の情に触れることもなく家族愛も知らず、社会的な成功だけを目指してきたヨヌを、借りの人生は大いに戸惑わせます。イケメンだけどまじめで正義感が強く出世欲のない夫、反抗期の娘、手のかかる幼稚園児の息子。息子を幼稚園のバスに乗せた後は、ご近所さんたちとの井戸端会議に花を咲かせ、紙袋折りの内職をもらって帰り、家事に明け暮れます。
 ヨヌにとってはもっとも不得意とする普通の主婦の暮らし、たとえ1ヶ月限定とはいえ、そつなくこなすことは容易ではありません。
 言動がおかしくなり、周囲と噛み合わない彼女に家族は振り回されますが、そんな彼女を家族は疑うこともなければ嫌いになることもありません。

 ある時、いつもの井戸端会議で署名運動のチラシが手渡されます。それは開発事業に伴う立ち退きの3年繰り上げに反対する署名でした。
 またある時、娘が泣いて帰ってきました。彼女は娘と共に強姦未遂の示談の席に被害者として着くことになります。加害者側は金持ちで、弁護士はほぼ脅しで示談に応じるようにと薄笑いを浮かべています。それはかつて敏腕弁護士ヨヌがやったのとまったく同じやりかたでした。

 ヨヌは、家族が支え合って生きることの幸せを理解し始め、彼女の持てる力で家族を助け、地域問題を解決していこうとします。いつしか華やかなキャリアウーマンの人生よりも、このまま温かい家族と共にいきてゆきたいと考えるようになります。
 しかし、天との約束を違えることはできません。契約の1ヶ月が過ぎれば、彼女は事故死し、家族は愛するお母さんを失うことになるのです。それと引き換えにヨヌは元の暮らしを取り戻します。

 あわただしい1ヶ月が終わりを迎え、もとの生活に戻ったヨヌの胸の内を去来する思いはとても複雑です。敏腕弁護士として勝訴率100%を守るために非情に徹することは、再出発した彼女にはできそうにありませんね。
 家族愛や人間同士が支え合うことの大切さを、軽快でコミカルに描いたハートフルドラマですが、エンディングに少し物足りなさを感じました。なにがどう物足りないのかは、観て感じて確かめてください。

2015年、124分。翌年日本公開。
監督:カン・ヒョジン、脚本:キム・ジェヨン。
出演:オム・ジョンファ、ソン・スンホン、キム・サンホ、ラ・ミラン、ソ・シネ、イ・ジュンヒョク、コ・スヒほか。

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