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トゥモローランド【映画】

2016/08/26


 高校生のケイシーは、技術者の父の才能を受け継ぎ、電子工学の才能に恵まれていました。彼女は夜ごとNASAの施設に忍び込み、スペースシャトルの発射台の解体に使われる重機が故障するように細工を加えていました。発射台が解体されれば父は失業し、彼女の宇宙への壮大な夢も潰えてしまいます。
 ある日、私物の中から見なれぬピンバッジを見つけた彼女は、それに触れたとたんに見知らぬ世界へ飛ばされてしまいます。そこは科学技術の発達した壮麗な未来都市で、彼女は遠い宇宙へ旅立つ宇宙船に乗り込もうとしたところで、現実に引き戻されてしまいます。ピンバッジにはバッテリー切れのサインがでていました。
 ネットでそのバッジが1964年に開催されたニューヨーク万国博覧会で配布されたものであることを突き止めたケイシーは、それを取扱う古物商を訪ね、そこで不思議な少女アテナと出会います。どう見ても小学生くらいにしか見えないアテナは、平然と車を運転し、ケイシーを見知らぬ土地へ誘います。
 ひっそりと隠遁生活を送っていたフランクは、突然の来訪者ケイシーがピンバッジを使用できる選ばれたものであると知ると、彼女が幻影で見た未来都市、異次元空間に作られたトゥモローランドに案内します。

 ディズニーランドにあるトゥモローランドが、じつはウォルト・ディズニーの夢を隠す特別な場所だったという予告編映像は何度も見ましたが、なぜか映画を観に行こうという気にはなれませんでした。ディズニーの夢? なんじゃそりゃ、ってそんな感じでした。劇場公開から1年以上経って、レンタルビデオで観たわけですが、なぜ観る気になったのかよく覚えていません。とりあえずあまり期待はしていませんでした。
 とろこが、本編は筆者の予想をはるかに上回るおもしろいものでした。トゥモローランドは、エジソンやアインシュタイン、ディズニーといった天才たちが、その英知を結集して異次元空間に創造した理想社会で、経済競争と格差社会に病んだ私たちの知る世界とはまったく別の世界です。科学技術も今より数十年は進んでおり、遥かなる星間宇宙への旅行も現実のものです。
 天才に選ばれた人たちがそこに住み、地球上の殺伐とした社会を密かに観察していました。そして彼らの計算によると、まもなく地球上の文明は自滅し、崩壊を迎えることになるはずでした。時間を逆走するタキオン粒子が見せる未来は、地球人文明の崩壊が目前に迫っていることを示していました。
 地球社会を自滅の危機から救う、そんなプロジェクトが推進され、新に選ばれた地球人がトゥモローランドに招かれたのですが、そのひとりがフランクでした。少年の頃、1964年NY万博の会場からトゥモローランドへ飛んだフランクでしたが、その後彼はトゥモローランドを追放され、2015年にケイシーの訪問を受ける頃には、人里離れた場所で隠遁生活を送っているのでした。
 フランクはなぜトゥモローランドを追放されたのか、人類を救う計画はどうなってしまったのか、いつまで経っても資源を浪費し環境を破壊し続け、互いに争うことしか知らない地球人類を救う手立てなどない、そう判断されてしまったのでしょうか。それならいっそのこと滅びるに任せ、新たな社会を1からやり直した方が良いと。
 しかし、計画をあきらめない者がいました。不思議な少女アテナは危険を顧みず地球人に接触し、ケイシーを選出、彼女をフランクの元へ送り届けました。ケイシーとフランク、この2人が地球を救う最後の鍵だったのです。

 ケイシーとフランクがいったいどうやって地球を救うのか、少女アテナは何者なのか、については本編をご覧いただくとして、こういう作品に出合うと、人間はインターネットで世界がつながるような時代になっても醜い争いを続けることが不思議に思えてきますよね。やったもん勝ち、儲けたもん勝ち、他国に負けたらあかん、大むかしの戦争の恨みつらみを忘れたらあかん、仲良くしたらあかん。企業は果てしなく成長し続けんといかん、そのために他企業を打ち負かし倒産させ、失業者を増殖させんといかん。競争こそが本分、そのために自滅することになってもそれは仕方がないこと。金の亡者に牛耳られている政界財界を見ていますと、まるで悪夢のようです。たちの悪い冗談です。マネーゲームの勝者は、そうやって大勢の敵を作り、破産や飢餓や疫病に苦しむ人が増えて行くのが楽しくて仕方がないのでしょうね。
 そうした競争理念を正義として生きているお歴々が支配する人間社会において、こうした世界平和や未来への希望を描いた作品というのは御禁制にはならないのでしょうか。製作者や出演者が権力者によって弾圧されるようなことはないのでしょうか。人々に争いの回避や未来への希望について語るなんてもってのほかですよね、世界を牛耳っている偉い人たちにとっては。不思議です。

 トゥモローランドは、もともとカリフォルニアに開園したディズニーランドに設営されたエリアのことで、そこには宇宙開発をはじめとした科学技術の未来が描かれていたのだそうです。未来世界をフューチャーではなくトゥモローとしたところが、現実と地続きの近い未来を感じさせ、とってもセンシブルですね。未来世界の理想郷は遠い未来のものではなく、今生きる人たちが実現を目指して築いてゆくべきものである、そんなウォルト・ディズニーのメッセージが聞こえて来そうです。

2015年アメリカ、130分。
監督、脚本:ブラッド・バード。
脚本:デイモン・リンデロフ。
出演:ジョージ・クルーニー 、ヒュー・ローリー、ブリット・ロバートソン、ラフィー・キャシディ、トーマス・ロビンソン 、ティム・マッグロウ、キャスリン・ハーン、キーガン=マイケル・キー 、志田未来ほか。

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