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女が眠る時【映画】

2016/03/03


 久々に残念な映画を観ました。こんなにつまらない映画をよく作れるものだと感心してしまいました。
筆者は映画を観てつまらないと思うことは多くありません。映画評などであまり良い点数をつけられていないような作品でも、それなりに見どころを見つける方ですし、自分がよかったと思う作品の批判的な感想を見ると悲しくなります。ネット上に公開されているブログ等ではよく酷評を目にしますが、そういうのはあまり好きじゃありません。  しかしながら今回ばかりは酷評したくなりました。「金返せ」の名句を吐きたくなりました。

 以下ネタバレです。作家の清水は妻と共にホテル住まいをしています。今は作品を手がけておらず暇を持て余しており、プールサイドで奇妙なカップルを見つけます。初老の男とまだ少女の面影を残す若い女の取り合わせはひじょうに不自然でいわくあり気です。好奇心からつい2人の部屋を覗き見し、2人の後をつけ、2人が立ち寄った居酒屋で男が女の両親の友人であることを知ります。
 佐原と名乗るその男の方から清水に声をかけて来、自分がどんな美樹を愛しているかという話しを淡々と語ります。そして毎晩、幹の寝姿をビデオに撮っていてそれを清水に見せます。
 清水の妻の綾は出版社で編集の仕事をしており、72歳になるという作家の家に入り浸っており、いつも夜になって帰ってきます。執筆中の作家が編集担当を毎日自分の家にいさせるというのも奇妙な話しですが、それが作家の要望なのだと綾は言います。あるとき清水は妻の仕事の資料を見て、その作家がじつは彼女が言っているよりもはるかに若い男であることを知ります。
 台風の近づく暴風雨の夕暮れ、妻との外食の待ち合わせのために車を呼んだ清水は、ただならぬ様子でその車に同乗してくる美樹に驚かされます。美樹はあたかも自分の使用人に命じるように運転手に車を出すように命じると、海岸線に向かわせ、そこで車を飛び出して岩場まで駆け出し、ずぶ濡れになって泣き崩れます。
 しばらくして、美樹が佐原の部屋で死に、佐原の通報で刑事がホテルを訪れます。佐原の部屋を覗き見しているところを防犯カメラが記録していたことから、清水は軽い取り調べを受けます。
 月日が流れ、清水は新作を出版し、それがヒットしたことを妻や出版関係者がレストランで祝っています。

 以上が映画の内容です。佐原がどんな経緯で友人夫妻の娘と同棲生活をするようになったのか、嵐の日の美樹の異常な行動は何だったのか、美樹が殺された(変死だったのかどうかも不明)事件の真相はどうなったのか、それらの謎はけっきょく謎のままです。清水が佐原と美樹の後をつけていて訪れた居酒屋には、どういう経緯か美樹とその両親と佐原が4人で写っている写真が掲示してあり、態度のおかしい酒屋の主人が、その4人の人間関係を知っていることも不明のまま。綾が72歳の高齢と偽っている担当の作家との関係も謎のまま。ラストシーンで描かれている清水の新作成功祝賀会の様子も、月日が流れたあとの話しなのか、前作の追憶なのかも不明、何の脈絡もなくただ、レストランで喜び合っている人たちが描かれているだけです。この映画のストーリーが実は清水の作品の内容だったというオチでもなさそうです。
 謎が解けないまま、あとは観客の想像に委ねるという形式のミステリーはないわけではありません。でもそうした作品であっても、あらゆる謎を解いておいて事件解決と見せかけて、最後の最後にどんでん返し的に、ラストにでっかいサプライズを用意する、そんな感じになっています。
 本作のように、謎と言おうか、謎めいたシチュエーションと言おうか、そんなものを羅列しておいて何ひとつ解決しない、これって何かおもしろいのでしょうか。遊んで暮らせる作家が、暇を持て余して謎めいたカップルを気にしていたら、そのカップルの男の方から声をかけられ、女が呼んだ車に勝手に乗り込んできて奇態を演じ、そのあと女が死んで刑事から軽い質問を受ける。あとはお話しと何の関係もない新作ヒットを喜ぶ作家の家族、これがこの作品のすべててす。これだけのお話しを、100分ばかりの尺にだらだらと引き伸ばし、淡々と描いているだけです。これといったクライマックスもありません。
 あきれるほど単調で退屈な映画でした。やたら脱ぎたがる清水を演じる西島秀俊の肉体美を堪能したい方には、それは見どころかも。あと綾を演じる小山田サユリのヌードシーンも2度ばかり拝めますが、倦怠期の夫婦を描くのになんで裸が必要なのかよく解りませんでした。
 美樹は、けっきょく殺されたのでしょうけど、犯人はおそらく佐原なのでしょうけど、それもあやふやなままです。取り調べを受けた清水は、どれくらい刑事の追及を受けたのかも、なんだか世間話風ののどかな会話が途中で終わり、本編とはまったく無関係のエンディングに変わってしまうので、分からずじまい。その後、佐原がどうなったかも分かりません。
 唐突にエンドロールが流れ始めた時には、「はぁ?」しか言葉がでませんでした。まだ何も終わっていない、謎解きが始まってさえいないのに。

 作り手に言わせれば、これは謎解きを目的としたものではないのでしょうが、筆者にはこの作品の良さがまったく解りませんでした。とりあえず、じっと我慢の忍耐の時間であり、消化不良にイライラさせられる後味の悪さを堪能させられました。
 だったらなんで紹介するんだって読者は思われることでしょうが、人間ってやるせない思いをどこかで晴らしたい、愚痴りたいって衝動があるじゃないですか。言わば自分のうさを晴らすためにだらだらと書きました。……最近満ち足りていて、たまには残念な思いがしたい、そうした自虐に餓えている方は、観てみてください。

2016年公開、103分。
監督:ウェイン・ワン、脚本:マイケル・レイ、シンホ・リー、砂田麻美。
出演:ビートたけし、西島秀俊、忽那汐里、小山田サユリ、リリー・フランキー、新井浩文、渡辺真起子ほか。

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