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マイ・インターン【映画】

11/07/2015


 70歳になるベンは、企業を定年退職し妻に先立たれ、ものたりない日々を送っていました。偶然に見つけたシニア社員の募集に応募し、再起を試みますが、そこは彼にはまったく無縁のファッションサイトの会社でした。行政のシニア支援の方針を受け、福祉事業として会社はベンほか数名のシニアアシスタントを雇用してみたのですが、豊かな人生経験を活かして社員に助言を与え、絶妙な機転でかゆいところに手が届くベンは、次第に会社で人気者になって行きます。
 結婚し子供もいる身でありながら、夫に家事を任せてこの会社を設立したジュールズは、多忙で充実した日々を送っていますが、そんな彼女にベンがインターンとして就くことになります。ただでさえ忙しい彼女は業界ではまったく素人のベンの面倒を見る余裕などありません。用があればメールするの一言を残し彼を一顧だにしないジュールズに対して、ベンは不平を言うこともなく、自分のできることをコツコツとこなし、彼女が残業すれば口出しすることもなく一緒に会社に残っていました。
 ある時、ジュールズの運転士の飲酒を突いてちゃっかりその役目に就くことになったベンは、車中での彼女の愚痴を聞き、彼女の家庭をかいま見、ちょっぴりお近づきになります。ところが、ひじょうに目ざとく何でも見透かしているような40歳年上のベンをジュールズは負担に感じ、彼の異動を部下に依頼します。
 異動の理由も聞かず素直に従うベンですが、彼がいなくなってその存在の大きさに気づいたジュールズは、自ら彼を取り戻しに赴きます。

 予告編を見たり、他人からうわさを聞いたりする限りでは、筆者にとって無縁の映画だと思っていました。アン・ハサウェイが演じるキャリアウーマンも、アパレル業界も、まったくもってガラじゃない。ただ、ロバート・デ・ニロ演じる企業定年を過ぎた70男というのは、ちと気になる存在でした。で、何を思ったのか魔が刺したのか、きっかけは今でも思い出せないのですが、なんか観る気になって劇場に足を運んだわけですが、もう感動の嵐でした。食わず嫌いってほんと損しますよね。はなっから無縁と決めつけず、ちょっと気になる作品にはちょっかいを出しておくものです。
 ロバート・デ・ニーロは、「ゴッド・ファーザー」 「タクシー・ドライバー」 「アンタッチャブル」 と、むかしからひじょうにクセのある役どころばかり演じてきており、さわやかな好青年なんて演じたことあんのか、というようなひじょうに個性の強い演技派俳優ですが、この作品では物腰の柔らかい普通のおじさんでした。それを歳のせいと侮るなかれ、つい最近でもシルヴェスター・スタローンと共演した「リベンジ・マッチ」でクセのある老ボクサーを怪演してましたからね。
 職場では取り立ててやることもなく、いてもいなくてもいいような存在でありながら、さりげなく周りに影響を与える気のいいシニアをデ・ニーロが好演しています。自らは一切口出しせず、一見なにも考えていないようでありながら絶えず周りを観察し、依頼されれば快く引き受ける、アドバイスを請われれば的確にそれに応える。自分の子供よりも年下の先輩たちに囲まれて、彼は歳の差を感じさせない友好ぶりを発揮し、信頼関係を築いてゆきます。
 老人と言えば頑固で、むかし話しが好きで、若者を軽視し、聞く耳を持つ者には自慢げにうんちくを垂れる、そんなイメージがありましたが、ベンはひじょうに慎み深くかといって卑屈でもなく、自らの境遇に不平も言わず、他人の仕事にも口出ししない、与えられた仕事は喜んでこなし、人知れずこっそりとプラスアルファを付け加える。そんな彼の姿勢にゆとりや幅、人間としての大きさを感じ、とても好感が持てました。年をとっても人間はかくあるべきですね。だから周りの若者たちも次第に彼をかけがえのない友人として接し、敬い、頼るようになります。

 ある時、ジュールズの部下が会社にCEOを迎えることを強く提案します。会社を設立し業績を伸ばす彼女の手腕は評価できるが、それに社員がついて行けていない、このままではいずれもたなくなるというのです。この提案にジュールズは大きなショックを受けますが、折しも夫の浮気を偶然知り、家族を取り戻すために時間的な余裕を作らねばという焦りもあって、自分が築いた会社に経営責任者を迎え入れることを決意します。
 自分の会社に相応しいCEO探しに奔走するジュールズにベンは運転士として同行しますが、彼は一切口出ししません。そしてついに彼女はひとりの実業家を指名し、会社の経営をゆだねる決意をしますが、思いは複雑です。心が揺れ動くジュールズに、ベンは彼女にとっていちばん必要な言葉をくれるのでした。
 ここでは紹介しきれませんが、心温まる感動がいっぱいです。何度も泣いてしまいます。悲しくて泣けるのではなく、楽しくて笑えて、とても温かくて泣けます。こういうのを名作っていうんだろうなぁ、素人ながらにそんなふうに思いました。

原題:The Intern
2015年アメリカ、121分。
監督、脚本:ナンシー・マイヤーズ。
出演:アン・ハサウェイ、ロバート・デ・ニーロ、レネ・ルッソ、アダム・ディパイン、ザック・パールマン、シリア・ウェストン、メアリー・ケイ・プレイスほか。

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