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サニー 永遠の仲間たち

2015/04/26


 結婚して娘を高校にやり、主婦としての暮らしに忙殺されるナミは、病院で偶然にも高校時代の親友チュナと出会います。当時のチュナはグループのリーダーとして仲間たちと楽しくやっていたが、転校生で田舎訛りのためクラスに溶け込めないでいたナミを仲間に引き入れてくれたのでした。25年ぶりの再会はしかしチュナが余命2ヶ月の癌であるという事実で暗転してしまいます。ナミは最後にみんなに会いたいというチュナの願いをかなえるため奔走することになります。
 ナミを入れて7人になったグループは、大好きだった往年のアメリカンポップから引用した"サニー"と名づけられていましいた。彼女たちは将来の自分たちに向けて、夢と期待を込めたビデオレターを残していました。大人になった彼女たちは、お互いに会うこともなくなってしまい、それぞれの夢をかなえることもできず、ナミが苦労して探し出したかつての仲間たちは、いずれも平凡で少しばかり不幸な主婦でした。水商売に身を持ち崩した者もいました。そして、将来アイドルになると誰もが疑わなかったスジは、行方が分からないままでした。サニーのメンバーで社会的な成功を収めたのは敏腕の女社長として巨万の富を築いた余命2ヶ月のチュナだけでした。
 高校時代のディスコで踊ったりライバルのグループとけんかしたり、そんな熱い日々が、メンバーがそろうとみんなの中に蘇ってきます。あるときナミの娘が不良にからまれているのを見つけた彼女たちは、報復のために乱闘を繰り広げ、警察に補導されてしまいます。
 人生の残り少ない日々、人間らしさを取り戻すことができた、私の分までみんなには幸せになって欲しい、サニーのリーダーは自分の思いをナミに託します。

 現在のサニーたちが、不良たちと乱闘するシーンと高校時代の彼女たちのライバルグループとの乱闘シーンがオーバーラップするくだりは、かつての労働運動のデモ隊と機動隊が衝突する大事件に巻き込まれ、たいへん大きなスケールのシーンになっていますが、チュナは、仲間を守るため機動隊にドロップキックをかましていました。さすがはリーダーですね。今や女社長として社会もリードしていますけど。
 おデブさんだけど大のおしゃれ好きでいつもつけまつげと格闘していたチャンミは、大人になっても豊かな肉体に恵まれましたが、保険の外交員としてはダントツびりの成績。でも仲間探しの時にはナミの一番の右腕でした。
 ジニは、悪態の名手でライバルグループは、軽妙な悪態攻撃で蹴散らしていました。現在は玉の輿に乗ってお金持ちですが、理想の自分を手に入れることができず、見栄ばかり張っています。夫は浮気中です。
 内気なメガネっ娘のクムオクは、その外見とは裏腹に武器を手にすると無敵の乱暴者に変じます。学食でも他の生徒たちを蹴散らしお目当てのパンをメンバー分だけ手に入れていました。ところが現在は陰険な姑におびえて外出もできない団地妻になっています。
 ミスコリアを目指していたポッキは、その華やかな夢とは裏腹に、借金返済のために水商売をしながら未婚の母をやってます。
 そして高校時代に雑誌の表紙にもなったスジは、けんかで顔を切られ、それ以降みんなの前から姿を慶してしまいました。ナミたちの懸命の捜索にもかかわらず彼女の行方は判りませんでした。クールビューティで笑顔の少ない彼女は、じつは隠れて煙草を吸っていたりずいぶん年上の彼氏と付き合っていたりと、なかなかの不良ぶりでした。  ナミは、絵が得意で画家を目指していたのですが、夢は実現しませんでした。チュナの葬儀の遺影には彼女のイラストが使われました。

 ネタバレです。仲間たちだけでチュナの遺影の前に集まったメンバーたちは、喪服を脱ぎ捨て、高校時代によく踊ったディスコナンバーを披露します。有名なボニーMの"サニー"です。この映画に登場する楽曲は1970年代頃のものがほとんどで、筆者でもまだ子供でした。この映画が作られた年を映画の中の現在とするならば、彼女たちは学生時代10年ばかり前の洋楽ディスコサウンドを楽しんでいたことになります。韓国でディスコサウンズがブレイクしたのが欧米の10年後だったのか、それとも劇中の現在はじつは2001年のことだったのか。
 そんなことは実際気にならない感動のシーンなんですけどね。メンバーたちが放り投げた喪服を抱えた気のいいおじさんも一緒に浮かれています。なんだかイイ感じです。
 で、この気のいいおじさん。じつはチュナの弁護士にして生前の彼女の代弁者だったりします。彼はじつに優しい笑顔でチュナの遺書を読み上げます。チャンミはメンバー全員の保険の高額加入で外交員の女王の座を射止め、ムクオクは傍系の出版社の社長に就任し、ポッキはマンションと店を手に入れます。行き先不安だったみんなの人生がリーダーのおかげで花開きます。ジニはもともとお金持ちなので「お前は金持ちだろう」というセリフをもらっただけですが。それはそれとしてナミがもらった新リーダー就任という遺産はちょっとかわいそう過ぎません? そりゃお金に換えられない名誉ではありますが。
 リーダーはメンバーを救いはしますが、窮地に陥っているわけでもないメンバーまでをも甘やかしたりしないということですね。ナミがメンバー探しでいちばん活躍したのに。彼女たちは、今回の経験を通して再び熱い友情で結ばれることでしょう。そして最後の最後になって、行方が知れなかったスジも仲間に合流します。

 たまたま見つけたとある映画評のブログの本作の評で、富豪のチュナがナミの母親が入院する病院に入院していたのは、彼女の計画だったのではと書いてありました。ナミは母親を見舞うために偶然にチュナの入院している病院を訪れることになるのですが、富豪のチュナが庶民にホイホイ見つかるような病院に入院するようなことはないだろうというのですね。なるほどなぁと思いました。では、チュナは探偵でもやとってあらかじめナミを見つけていたのでしょうか。だとしたらついでに残りのメンバーも自分で見つければもっと手っ取り早かったのではなかったか。彼女には優秀な探偵を多人数雇うことなど朝飯前だったはずです。
 チュナがもしそうしていたら、この映画のお話しはもっと淡々としたものになっていたでしょうし、ナミたちが苦労を重ねていろんな経験を通して青春の熱い思いを再燃させるということもなかったでしょうね。余命2ヶ月、その短い時間にナミたちならやれる、サニーのリーダーはそう信じて判断したのかもしれません。さすが大企業の経営者の断行力は素晴らしいです。

 日本のアニメにはラブコメというジャンルがあります。いまでは多くのドラマや映画でもポピュラーなジャンルになっていますが。このラブコメの神髄はですね、笑いと感動です。大いに笑ってボロボロに泣く。感動の大河ドラマや歴史作品とちがって、まず笑いありき、ゆえに感動もひとしお、なんですね。ラブコメとはいうもののラブは二の次です。ほのかな憧れや恋心が要素として入っていればラブコメと称してOKです。
 で、この作品はラブコメの名作と呼ぶにふさわしい映画だと思います。ラブコメを軽んじてはいけません。アニメ発祥の薄っぺらなお手軽作品といったジャンルではないのですよ! チャップリンの無声映画の時代から、涙と笑いはセットのものでした。
 大いに笑い、大いに泣いてください。

2011年、124分。翌年日本公開。
監督、脚本:カン・ヒョンチョル。
出演:シム・ウンギョン、カン・ソラ、キム・ミニョン、パク・チンジュ、ミン・ヒョリン、ナム・ボラ、キム・ボミ、ミン・ヒョリン、ユ・ホジョン、ジン・ヒギョン、コ・スヒ、ホン・ジニ、イ・ヨンギョン、キム・ソンギョン、チョン・ウヒほか。

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