kepopput.jpg

リトル・ショップ・オブ・ホラーズ【映画】

2015/03/25


 SFホラーミュージカルなどと言うと、B級作品臭がプンプンしますが、もともと1960年にアメリカで製作されたB級ホラー映画でした。人食い植物に取り憑かれた青年の悲劇を描いた白黒映画でしたが、恐怖映画なのになぜかコミカルなシーンがあったりして、人間の愚行を笑い飛ばすようないささか風刺の利いた考えさせられる作品でした。日本では劇場公開されておらず、筆者は子供の頃にテレビで、かなりビビリながら観ました。その後、大人になってレンタルDVDでもう1度観たのですが、むかしのホラー映画のセンスは何とも言えないですね。笑っていいのやら怖がらないといけないのやら、とにかく呆然としてしまいます。でも恐怖映画にギャグ要素を盛り込んでいるのは、あの当時にしては画期的だなぁ、なんて変なところで感心したりして。
 それから20余年の歳月が流れた1982年、このB級映画はミュージカル作品として生まれ変わりました。1984年には日本人キャストによる日本公演もおこなわれています。1960年版の映画は現在では著作権不在のパブリックドメインになっていますが、ミュージカルの方は、大ヒットしました。ミュージカルと言えば、「雨に歌えば」とか「メリーポピンズ」とか「オペラ座の怪人」とか「Cats」とか、文芸作品やロマンチックなものを思い浮かべますが、大むかしのほとんんど知られていないようなB級ホラー映画がミュージカルの原案になり、しかも大ヒットするなんて、面白いものですね。

 そして1986年、今度はハリウッド映画として再び作品化されました。筆者が紹介したいのは、このハリウッド版「リトル・ショップ・オブ・ホラーズ」です。ミュージカルの映像化で、映画もミュージカル作品になっています。ストーリーや登場キャラは、大筋において1960年版白黒映画を継承していますが、ひじょうにロマンチックで楽しい親しみやすいものに変更されています。SFホラーと聞いただけでアレルギーを発症する人でも、この作品はそうした括りとはまったく別物の、感動の人間ドラマとして楽しめます。

 孤児のシーモアは、花屋のムシュニクに拾われ、店員としてこき使われています。同じ店で働くオードリーは、サディストの歯科医オリンの愛人なのですが、日々の虐待に堪えかねています。いつかこのダウンタウンを抜け出して幸せをつかみたい、それが2人の夢でした。
 ある時シーモアは怪しい中国人の店で奇妙な植物の苗を購入します。ドジでのろまなシーモアは、毎日のように店主のムシュニクに怒鳴られていますが、彼が手に入れた奇妙は植物をショーウインドウに飾ったとたん、大勢の客が押し寄せるようになります。幸運をもたらすその植物をシーモアは、思いを寄せているオードリーにちなんで、オードリー兇般召鼎韻泙垢、その植物には恐ろしい秘密があったのです。すなわち人の生き血をすする吸血植物なのでした。シーモアは、誰にも気づかれずに自分の血を与え続けますが、成長するにつれて大量の血を欲するようにあります。
 ある時、植物は人の言葉を話し出し、街には生きていてもしょうがない人間がたくさんいるとそそのかします。
 植物はどんどん成長し、ムシュニクの花屋は大繁盛、シーモアは有名になりマスコミに引っ張りだこです。でも街からはひとりまたひとりと人がいなくなり、歯科医のオリンがそしてムシュニクまでもが姿を消してしまうのでした。

 成功と引き換えにシーモアは恐ろしい世界に足を踏み入れて行くわけですが、それをこの映画は陽気に明るく描いています。ミュージカル映画がとくに好きってことはないのですが、この作品に用いられている曲はどれも名曲でこころに響きます。筆者が映画館に観に行ったのはまだ高校生の時でしたが、今でもそれらの曲のメロディをよく覚えています。まぁそれほど繰り返し観たってことなんですけどね、ビデオとか借りて。
 最後の映画版が公開されてからでも30年以上経つわけで、最新作ですら古典作品になっちまっているわけですが、今観ても素晴らしい映画です。むかし良かったと思った映画でも長い歳月を経て観直すと、やはり古くてちゃっちぃなぁ、そう思えることは多いですが、この作品に限っては今観ても新鮮で感動します。ストーリーも素晴らしいですが、次第に成長しやがて恐竜のような大きさにまでなってしまうオードリー兇離┘侫Дトがすごいです。大きな口を自在に動かして機関銃トークするオードリー兇髻▲灰鵐團紂璽拭爾里覆せ代にどうやって動かしていたのでしょう。大勢のオペレーターが、たくさんのパーツにエアーを送り込んで操作し、あのリアルで機敏な動きを実現したのだそうですが、それにしても生きたほんものの怪物に見えます。この怪物も歌いますよ、ミュージカルですから。

 映画のラストシーンは、1960年版とはちがってハッピーエンドでひじょうに爽快です。ところがこのエンディングは上映前に急きょ付け加えられたのだそうです。フランク・オズ監督は最初、1960年版と同じくバッドエンディングを用意しており、ミュージカルの方もやはり暗澹とした終わり方だったとか。  筆者的には、ハッピーエンド版が好きです。1986年の映画公開の後は、ミュージカルでもハッピーエンドが採用されることが多いそうです。最近では2012年に日本公演がありましたが、その際のエンディングはどうだったのでしょう。大阪にも来たので観に行きたかったのですが、映画版のイメージが壊れないかが心配で足がすくんでしまいました。
 現在、1986年度版映画が、ディレクターズカットとしてブルーレイで発売されています。それには映画公開版と未公開のバッドエンディングバージョンが収録されています。

原題:Little Shop of Horrors
1986年アメリカ、94分。
監督:フランク・オズ、脚本:ハワード・アッシュマン、音楽:マイルズ・グッドマン。
出演:リック・モラニス、エレン・グリーン、ヴィンセント・ガーディニア、スティーヴ・マーティン、レヴィ・スタッブス(声)、ジェームズ・ベルーシ、ジョン・キャンディ、ビル・マーレイ、クリストファー・ゲスト、ミリアム・マーゴリーズほか。

追記:本編随所に登場する語り部のスリーガールズ、個人的に大好きです。

コメント
コメントする








   
この記事のトラックバックURL
トラックバック

目 次
能書き

思うこと全般

けぽっぷ体験

アイドルのこと

韓流映画

番外編


索引 韓流映画&番外編





  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  
<< October 2019 >>

サイト内検索

NEW ENTRIES










recent comment

links

プロフィール

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM