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フルメタル・パニック!【アニメ】

2015/01/27


 今や世界中に多くのファンがいる日本のアニメですが、こ作品は、筆者がもっとも長く付き合ってきたもっとも愛すべき一編です。エヴァンゲリオンや涼宮ハルヒほどの知名度を得ていませんが、それらの大ヒット作品よりも、ストーリーも内容もずっと優れたSF超大作です。エヴァやハルヒの成功は、キャラ立ての上手さによるものでしょう。エヴァのSF設定ははっきり言って失敗ですし、ハルヒも秩序を失ってお話しは破綻しています。その点、本作は15年に渡って続いた原作もきちんと完結していますし、SF設定やアニメのクォリティ、お話しのクォリティもたいへん優れています。エヴァもハルヒも初回上映から見ていますし、ハルヒはアニメ化前の原作から親しんでまいりましたが、両作品とも散らかすだけ散らかしてきちんと片づけが出来ていないというたいへん残念な末路に陥っています。それでもエヴァは多くのファンが付いていることに乗じて、新作劇場版をいまだに作り続けていますが、新作を見るたびに悲壮感を覚えます。儲かる限り作り続けるのでしょうね。でも製作サイドにエヴをきちんとまとめる能力はもはやないと思われます。
 エヴァもハルヒも大好きでけっこう入れ込んだ作品なのですが、人気上昇に反比例して期待は小さくなって行きました。筆者よりもずっと遅れてエヴァやハルヒを見はじめ、大ファンを自称する人たちを見ていると、なんだか虚しくなります。
 エヴァやハルヒが、日本アニメに何をもたらしたかを考えましても、あまり良い印象はありません。それ以降、不可思議なシチュエーションを誇示した"ふしぎアニメ"がやたら増えた気がします。可愛いキャラを使ってファンタジーでちょっとSFな世界観を作ればウケる。そんなセオリーができあがって、業界もそんな新人作品の発掘に専念しているような、そういう傾向が目につきます。
 嫌いじゃないですよ、筆者も。嫌いじゃないからエヴァにもハルヒにもハマったわけですから。ちゃんと青春ドラマしてますし。でもきちんと片づけない、片づけられない、そこが残念なのです。

 フルメタル・パニック!は、そうしたドラマとしての破綻を回避し、きちんと完結しています。ベースはミリタリーアクションで、ひじょうにリアルで緊張感のある作戦行動が展開されます。アームスレイブ(人型兵器)とかECS(電磁迷彩システム)といったブラックテクノロジーと呼ばれる架空の技術が登場しますが、それがまた安っぽくなくたいへんリアルです。また、戦闘アクションにありがちな暑苦しい熱血シーンの演出は抑え目で、そこもハイクォリティです。むかしのロボットアニメのように技の名前を大声で喚呼したり、主人公が大声で吠えまくる演出、日本アニメは好きですよね。場を盛り上げるのに効果的なのですが、過ぎるとかえって萎えます。それがこのアニメでは抑え目で、戦闘シーンもクールで大人な感じです。そうであるにもかかわらず萌え要素はしっかり抑えています。燃え要素だけではありまへん。ミリタリーアクションと平行して、学園ラブコメが展開します。それがまた大変にイケてるのです。アクションではしっかり燃えて、ラブコメではめっちゃ萌える、この絶妙な両立が素晴らしいです。その点で行くとエヴァもこの辺りはキッチリ抑えていて、レイやアスカといった超人気キャラを産み出した点はひじょうに優れています。あれで話しが破綻していなければ天才だったんですけどね。

 幼い頃から中東の戦場で育った日本人相楽宗介は、ミスリルという民間軍に傭兵として雇われ、高校生に扮して陣大高校に潜入する任務に就きます。そこで千鳥かなめという女生徒の護衛に当たるのですが、戦場育ちの彼の護衛法はハイスペックな軍事行動に依り、そのせいで学園に騒動を巻き起こします。千鳥かなめはウィスパードという彼女自身も知らない特殊能力を有し、ブラックテクノロジーの要となるその能力をミスリルの宿敵アマルガムが狙っているのです。ミスリルは作戦行動中はトゥアハー・デ・ダナンという強襲揚陸や数々の機動兵器の母艦としての能力を備え、巡行ミサイルも搭載する超高速大型潜水艦で行動しています。そこで作戦指揮を執るテレサ・テスタロッサは16歳の少女で、彼女もウィスパードです。
 第1期アニメは、原作1〜3巻をアニメ化したもので、短編のエピソードおよびアニメオリジナルストーリーも含まれています。ハードな戦闘アクションと学園ラブコメを両立した作風はここで確立されています。そもそも原作がシリアスな長編ストーリーとコミカルな短編集という構成になっているので、両者を両立させた作風は必然的なものであったとも言えます。ミスリルの宿敵であるテロ組織アマルガムに与するテロリスト、ガウルンと相良宗介の宿命の対決がメインのお話になります。次々に仕掛けてくるアマルガムのテロ行動を阻止するため、相良宗介は陣大高校と戦場を行き来する生活を余儀なくされますが、修学旅行の際に千鳥かなめの乗った飛行機をガウルンにハイジャックされたことから、彼女を戦場に連れだしてしまうことになります。そこでガウルンが操縦するラムダドライブ搭載のアームスレイブと、宗助は同等の性能を持つ機体アーバレストで対決することになりますが、彼はアーバレストに乗ることも初めてなら、ラムダドライブの起動方法も解りません。その時ウィスパードとしての千鳥かなめの能力が覚醒し、宗助に精神感応によって支持を送り、宗助はからくもガウルンを退けることに成功するのでした。その後もガウルンはたびたび攻撃を仕掛けてきますが、最後にはテレサ・テスタロッサの指揮するトゥアハー・デ・ダナンへの潜入に成功し、自爆攻撃を仕掛けます。
 第2期アニメは、本ストーリーとは別のコメディ編です。第1期を制作した GONZO に代わり2期以降は京都アニメーションが制作しています。陣大高校が主な舞台になっており、テレサ・テスタロッサも期間留学生として編入され、千鳥かなめと相良宗介を巡る三角関係を繰り広げます。また、生徒会の林水会長と初期の美樹原蓮が大活躍し、宗助たちの騒動をさらに盛り上げます。
 第3期アニメは、原作4〜5巻をアニメ化した本ストーリーです。第2期とは打って変わってシリアスなお話になりますが、ところどころに萌え要素はきちんと抑えています。戦場育ちで普通の高校生としての暮らしをまるで知らなかった相良宗介手ですが、千鳥かなめの警護で行動を共にするうちに次第に恋心が芽生えます。ところが突然警護任務が解かれ、本部に呼び戻されます。納得がゆかないままセイフハウスを片づけ、新任地に旅立つ宗介を香港で待ち受けていたのは、ゲイツという狂人的なテロリストとテレサ・テスタロッサの双子の兄でありながらアマルガムの幹部になったレナード・テスタロッサ。ミスリルのやり方に不審を抱いた宗介は、作戦行動中に部隊を離れ入手した暗号を追って死んだはずのガウルンに再会します。宿敵ガウルンは、トゥアハー・デ・ダナンでの戦闘で重傷を負い以前から癌を患っていたこともあってベッドから起き上がれない瀕死の状態ですが、宗介に対してミスリルとの馴れ合いを棄て、一匹狼にもどった今こそがお前の本来の姿だと告げます。
 短編「わりとヒマな戦隊長の一日」は、トゥアハー・デ・ダナンの整備のためメリダ島基地に寄港し、久々にプライベートな時間をのんびりとすごすテレサ・テスタロッサのお話し。作戦行動中は天才的な手腕を発揮する彼女も、私生活では普通の女の子。というよりかなり天然な娘で、それに加えてマデューカス中佐やカリーニン少佐までが、戦場ではけっして見せないボケボケぶりを見せてくれます。戦場の勇者たちも人として当たり前の生活ではダメダメです。当人たちは真面目なんですが。そしてこのギャップがフルメタの本質とも言えます。

 さて、原作が完結して5年、アニメが終わって9年になりますが、アニメ化の方は原作の5巻で止まったままです。続きがアニメ化されることはもうないのでしょうか。ふもっふ2のアニメ化のための原作エピソードもたくさん残っていますし、本ストーリーの方もまだ半分も消化しておりません。これからますますおもしろくなります。アマルガムの究極兵器巨大アームスレイブ ベヘモスが襲来し、ミスリルの拠点であるメリダ島が襲われ、シドニーにあるミスリル本部や幹部たちも奇襲に遇います。ミスリル崩壊の危機に瀕し、傭兵で構成されている兵士たちの心も揺れます。そんな過酷な状況の中で、テレサ・テスタロッサは巻き返しのため敢然と立ち上がります。また、ブラックテクノロジーやウィスパードの謎も明らかになります。
 筆者的には、ふもっふ2の製作および本ストーリー後半の劇場版前後編の製作を期待したいところです。この素晴らしい世界観をアニメ未完のまま終わらせるのはありまにも残念です。  また、古い情報では原作の本ストーリーは完結したものの、サイドストーリーは続く予定があるということでしたが、それもないまま、別の新人作家による外伝小説「フルメタル・パニック! アナザー」が刊行されました。本ストーリー完結から12年後の世界のお話で、登場人物もすべて刷新されました。2巻ほど読みましたが、筆者的にはあまり面白くありませんでした。

原作:賀東招二 1996〜2010。
イラスト:四季童子。
長編12巻、短編集9巻、外伝2巻の全23巻。

2002〜2006年アニメ化。
フルメタル・パニック! 全24話
フルメタル・パニック? ふもっふ 全12話
フルメタル・パニック! The Second Raid 全13話 (OVA)
わりとヒマな戦隊長の一日 短編 (OVA)
監督:千明孝一(1期)、武本康弘(2期〜)
声出演:関智一、:雪野五月、ゆかな、 三木眞一郎、根谷美智子、大塚明夫、西村知道、小山力也、田中正彦、浪川大輔、大原さやか、大塚芳忠、高橋美佳子、岡田貴之、能登麻美子、木村郁絵、豊口めぐみ、森川智之、田中理恵ほか。

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