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ホン・ジニョン

2015/01/15


 K-POPに筆者がハマったのは、歌とダンスで"見せる音楽"の素晴らしさに魅せられたからでした。そのことを言うと、それは音楽の本当の楽しみ方ではない、そんなふうに批判する人もいます。本当に素晴らしい音楽は、耳で聴くだけで感銘を受ける、そういうものであって、ダンスを伴わなければその良さが伝わらないのなら、それは音楽として二流だというのですね。
 筆者はナチュラリストでありオタクであり、映画や音楽も大好きな、言わば普通の人間であり、なにか1つの道を究めたエキスパートではありません。生物学や進化についてはかなり真剣に勉強したつもりですが、それも"つもり"であって、単なる趣味あるいは道楽と言われればその通りです。まぁいろいろやってまいりましたが、その中で学んだことのひとつに、探究とは垣根を壊すことだ、というのがあります。生物学は科学だ、それを究めるのは学者の仕事だ、そう決めつけるのではなく、芸術家として生物学と取り組んでみると、生き物やその進化の新たな側面が見えてきます。小説を書くのに必要なのは文才だけではなく、科学的な観察や分析も必要です。
 それと同じように、音楽を聴くだけの芸術ではなく、ダンスパフォーマンス等のビジュアルと共に楽しむというのは、二流だとは思いません。音楽を耳だけで観賞するものだと決めつけることが高尚なことだとも思いません。古来より、人は音楽に合わせて踊りました。映画やテレビドラマにも音楽が欠かせません。ハリウッド映画の黄金時代には、テーマ曲が素晴らしいという理由でその映画を観に行く人も少なくなく、サントラレコードはレコードショップの主要な商品でした。音楽を聴いて情景を思い浮かべるというのは、人の自然な心の動きで、大むかしのクラシック音楽でも絵画や小説と同じような作品名が付けられました。リムスキー=コルサコフの「クマバチの飛行」やハチャトゥリアンの「剣の舞」のように、曲を聴いて特定の映像を思い描くように作られたものもありますし、ベートーベンは多くの交響曲やソナタに風景や人物をテーマにしたタイトルを付けました。演劇には、セリフまで音楽仕立ての歌劇あるいはミュージカルといったジャンルが存在し、役者は演技力以上に歌唱力を要求されました。歌劇やミュージカルの舞台俳優は、役者なのでしょうか歌手なのでしょうか。

 K-POPアイドルは、美形で表情豊かでスタイルがいいといったアイドル的な要素だけではデビューできないようです。練習生として長期間の技術鍛錬に励み、高い完成度で新人デビューします。人気が出ると、ドラマや映画に出たりテレビやラジオのMCに起用されたりしますが、彼らは歌とダンスのほかにも演技力も身に着けますから、役者やタレントとしても大きな才能を発揮します。
 筆者が魅せられたK-POPとはそうした音楽なんですね。これまでにも日本の歌謡曲やアニメソング、洋楽と様々な音楽も聞いていまいりましたし、それらもしばしばダンスを伴いましたが、思い起こしますと、あの曲のダンスが良かったという思い出はないですね。K-POPは楽曲としてはヒップホップや種々の洋楽の影響を受けていると言われますが、ダンスパフォーマンスが主要な要素になっている点でひじょうに個性的な音楽ジャンルです。

 K-POPは伝統的なコリアンミュージックとはずいぶん異なる音楽ジャンルで、歌手は歌唱力以外に演技力や運動能力も必要で、アイドルグループでは、メインボーカル、ラッパー、リードダンサーといった担当分けがされており、個人々々の得意技を出し合うことでグループとして万能を発揮します。華やかな大人数グループが主流になってくると、ソロ歌手はどうしてもビジュアル的に不利になります。そこでソロ歌手にも多数のダンサーが付いたり、フィーチャリングでラッパーが付いたりする場合が少なくありません。ヒップホップ歌手やグループでは、ボーカルをフィーチャリングとして迎え入れることも多いです。映画やドラマのOSTで人気を博するようになった歌手は、基本的には歌唱力が勝負ですが、人気が出てテレビやステージに登場することが増えると、コリアンミュージックとしては従来型とも言えるバラード歌手やトロット歌手にもダンサーやフィーチャリングが付くといった新しい表現が付加されるようになりました。
 で、ようやく僕たち私たちのホン・ジニョンの登場です。1985年生まれの彼女は、歌手としてはお姉さんで、2009年に25歳でトロット歌手としてデビューしました。もともとは女優で、2006年にドラマで女優デビューしています。2007年には SWAN(スワン)という4人組ガールズグループに入り、そこで初めての楽曲も出していますから、SWAN の人気が出ていれば今もガールズグループの一員だったかもしれませんね。SWAN はわずか2ヶ月で解散してしまったそうです。
 筆者が彼女を知ったのは、2013年の彼女としては3年ぶりの新曲となる「ブギメン」でした。日本の演歌に相当するトロットにはほとんど興味がありませんでしたが、なぜかとても印象に残る曲でした。この年、彼女は韓流コンテンツの海外輸出に関する論文で博士号をとっています。才色兼備です。大学で奨学金を受けられれば歌手になることを応援しよう、という父の言葉に、学業に目覚め貿易学についてせっせと学んだのだそうです。歌手として成功したら、その後は後輩を養成するためのトータルマネージメント会社を立ち上げるのが夢なのだそうです。
 その時すでに大好きだった ORANGE CARAMEL が、彼女たちの振り付けで「Love's Battery(愛のバッテリー)」というトロットを歌っているのを動画で見つけ、トロットだけどいい曲だなぁ、なんて思っていると、後からそれがホン・ジニョンが2009年に出した彼女のデビュー曲だと判って、彼女に対する関心が一気に高まりました。
 「Love's Battery」は少女時代のテヨンも、UKiss も、そしてT-ARAもカバーしていました。大ヒット曲だったんですね。T-ARAと言えば、彼女たちが所属するCORAコンテンツメディアにホン・ジニョンも所属していたのですが、2012年に Davich と共にキーイーストという事務所に移籍しています。キーイーストは、CORAコンテンツメディアを育ててきたスタッフが、ホン・ジニョンと Davich を伴って新しく立ち上げた会社です。
 新しい所属事務所で「ブギメン」をヒットさせた翌年2014年には「生きることは」をリリース。作曲は「Love's Battery」も手がけているチョ・ヨンスですが、演歌ではなく切なく綺麗な響きのバラードです。生きることは大変だけど、素晴らしいもの。明日もがんばりましょうと歌ったこの新曲は、最初に聞いてすぐに魅せられてしまいました。
 「生きることは」のMVは、ドラマ仕立てになっていて、リストラされたお父さんが主人公で、ホン・ジニョンが彼の娘役として出演しています。自分のデスクの品々を段ボールに詰める父、方や娘は就職の面接試験に挑んでいます。父とはあまり親しくなれなかった高校時代の娘、今は恋人もいて自立しようとしている娘、そんな映像が、肩を落として会社を去る父の姿とオーバーラップします。薄汚れたガード下でコンビニで買った手巻きをほおばり、憂鬱な気持ちで家路をたどる父、あとには段ボールが残されます。日も暮れ、父娘は通いなれた道で出会います……。とてもいい雰囲気のMVで泣けます。
 ドラマ仕立てのMVはT-ARAもお得意ですが、CORAコンテンツメディアから独立したキーイーストもそれを受け継いでいるのでしょうか。といっても他にもドラマ仕立てのMVはたくさんあって、MVと気づかずに動画を見つけて、OSTなのかなと思ってしまうこともあります……よね。
 「私たち結婚しました」 「ラジオスター」 といったバラエティ番組への出演、数々の受賞歴、最近では多数のCMに起用されるなど、躍進を続けるホン・ジニョンですが、先日リリースされたアルバム「Life Note」には、「Love's Battery」から「生きることは」までのすべての曲が収録されているそうです。彼女のこれまでの人生を振り返る貴重な1枚ですね。これは絶対に買わねばなりません。

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