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ある会社員

2015/01/08


 まじめで控えめで物静かなある会社員。彼の勤める会社のとある部署では、殺人を請け負っています。彼チ・ヒョンドは、その課のエリートだったりします。世間体は堅実な勤め人ですが、裏稼業での彼は冷淡に手際よく人を殺し、証拠も残さない殺人のプロです。そんな彼に当たり前の幸せが望めるわけがありません。しかしある女性ユ・ミヨンに出会ってしまったことから、歯車が狂いだします。
 元ミュージシャンだった彼女は、ヒョンドが若い頃に憧れたアイドルでした。若い頃に好きだった音楽と女性との出会いが、彼に普通の人間だった頃を思い起こさせます。ヒョンドがミヨンとの普通の生活を欲し、殺人課を抜ける決意をするに至るのは、ごく自然な流れでした。しかしながら、組織はそれを認めません。ヒョンドとミヨンに追撃者が迫ります。

 スーツの似合う物静かなサラリーマン、虫も殺さぬような温厚な勤め人。ところが彼の裏稼業は迅速に証拠も残さずに人を消し去る殺し屋。この役を演じるのにソ・ジソプほどの適任はいないと思いました。スーツを着て穏やかな笑顔で会社の廊下を歩く姿は、いかにも勤勉で真面目な会社員ですが、作戦活動時には冷徹で無表情に人を殺す仕事人です。脱いだらすごいんです、という某CMのキャッチフレーズじゃないけれど、スーツの下に鍛え上げられたマッスルな肉体を隠しているところまでもが適役です。彼が演じているというだけで、この作品を好きになってしまいます。
 でも、最近の若手の評論家は辛口の人が多いですね。映画評のブログをよく見させていただくのですが、ほんと辛口の評価が目立ちます。興ざめ、蛇足、虚しい、白々しい、そんな表現がよく目につきます。今の優秀な評論家たちを感動させるには、いったいどんな映画を作れば良いのでしょう。たいていの映画に感銘を覚える自分がバカで低能に思えてきます。そんなに酷評するなら自分で映画作れよ、って言いたくなります。

 バイオレンスシーンは一流です。すごい迫力です。クライマックスでは、防弾チョッキと大量の銃器でヒョンドは会社に乗り込むのですが、迎え撃つのはいずれも普通のサラリーマンで、若い女子社員まで機関銃を構えています。ごくありふれたオフィスに壮絶なバイオレンスを持ち込んでいるところが、戦場での流血よりも生々しく痛々しいです。バイオレンス映像をさんざん見飽きているような方でも、この映画のクライマックスには目を見張るのではないでしょうか。多勢に無勢の銃撃戦に現実味がなく興ざめだといった評価をされている方もいましだが。
 韓国は、近年経済および科学技術が急成長した国ですが、その一方で北朝鮮と政治的にたいへんきな臭い問題を抱えています。日常の裏側に潜む危険というシチュエーションは映画に限ったことではなく、平凡で平和な町の裏側で諜報活動や暗殺が暗躍しているとも言われています。もちろん日本にだって裏社会は実在します。それを思うと、普通の会社の壁一枚隔てたところに殺人課が存在するというシチュエーションも現実味を帯びてきます。
 ある会社員(A COMPANY MAN)というタイトルも、それが単調で無機質な単語であるところにいっそう迫力を感じ、センスのいい題名だなぁと思います。

2012年公開、96分。日本公開は2013年 R15+。
監督、脚本:イム・サンユン。
出演:ソ・ジソプ、イ・ミヨン、クァク・ドウォン、イ・ギョンヨンほか。

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