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殺人の告白

2014/12/24

 韓国はイケメンだろうと大女優だろうと、悪役でも汚れ役でもなんでもさせますなぁ。韓ドラに精通なすっている筆者の嫁さんがおっしゃってましたが、大型新人と目される方たちがことごとく悪女として暴れ役を演じ、あれよという間に大女優になっちまうのだそうです。「黒い家」の項でも申しましたが、韓国映画は容赦がありません。二枚目スターだからって悪役汚れ役全然OKです。今やハリウッドスターのイ・ビョンホンだって「美しい夜 残酷な朝」で両手縛られてケツ振りダンスしてましたし、バラエティ「一拍二日」に出演したピもいびり倒されてました。
 本作品の主演パク・シフは、韓国の正統派イケメン俳優ですが、連続殺人の犯人で、時効が成立した後に殺人を告白する本を出版し、イケメンがゆえに多くのファンに支持されるというイケすかない役を演じました。女性ならぬ筆者には女心は解りませんが、連続殺人犯であってもめっちゃイケメンなら、女性たるものファンになっちまうものなのでしょうか。20年ばかり前の日本で、サリンで大量殺人を目論んだオウム真理教の幹部 上祐史浩ってヤツも若い女子に大人気で、キャーとかアウーとか言ってましたっけ。

 パク・ジフ演じる元連続殺人犯イ・ドゥソクが、自らの犯行を克明に記した本がベストセラーになり、彼は人気タレントのようにマスコミにも頻繁に顔を出すようになります。しかし彼に最愛の家族を殺された遺族たちにしてみれば、スター気取りのドゥソクが許せません。時効により法が彼を裁けないなら、自分たちで制裁を加えよう、遺族が集まり、彼を誘拐する計画が進行します。ドゥソクがいよいよ本当に襲撃されると、それを阻止すべくチェ・ヒョング刑事が後を追いますが、ドゥソクに恋人を殺されているチェ刑事の思いは複雑です。
 そしてそこへ、新たな真犯人を名乗る男が登場します。男はドゥソクはにせもので、自分がやった犯行を売名と金儲けに利用していると主張します。しかしながらドゥソクは、チェ刑事が過去に犯人と2人だけで接触した時の会話を知っています。これはチェ刑事と犯人以外に知るはずがありません。真犯人を名乗る謎の男は、それを覆すことができるというのでしょうか。
 もしもお前が真犯人なら、そのことを白昼堂々と証明して見せろ、ドゥソクはマスコミを通じてそう宣言し、真犯人を名乗る男もそれを承諾します。かくしてドゥソク、チェ刑事がそろってテレビの特別番組に出演し、謎の男の到来を待ちます。……果たして真相は。

 いやぁ、面白い作品でした。連続殺人を告白した本を出版するという奇行とも思える行為が世間に認知され、憎むべき殺人犯が一躍有名になるという悪夢のような出来事が、時効を過ぎて犯人逮捕に至らなかった刑事の眼前に、恋人を救えなかった罰のように突き刺さります。そしてドゥソクの命を狙う遺族たち、その中にはチェ刑事の恋人の母親も含まれています。母は刑事という危険な仕事をする男と愛娘との交際を反対しており、娘が殺人鬼の手に落ち、チェ刑事がそれを救えなかったことから、ことさら彼を憎んでいました。遺族の復讐計画をチェ刑事が阻もうとするのも面白くありません。そこへまた新たな勢力、真犯人を名乗る謎の男が登場します。様々な立場の人間を巻き込んだ愛憎劇が果たしてどんな結末を迎えるのか、気になりません? 気になりますよね。でもそれをここで明らかにするわけにはゆきません。
 15年前、チェ刑事が犯人を追いつめながらも取り逃がしてしまった時に交わした、彼と犯人しか知らない会話を、ドゥソクはちゃんと覚えていました。やはり彼以外に真犯人がいるなんて思えませんよね。それでも新たな真犯人を名乗る男は自信満々で、ドゥソクを詐欺師と呼ばわり、テレビのワイドショーで対決します。ドゥソクが詐欺師だったらチェ刑事は彼を詐欺罪で逮捕できます。一方、積年の恨みを晴らしたい遺族たちも固唾をのんで真相の行方を見守っています。
 映画を見ている僕たち私たちも、この奇妙な騙し合いに翻弄され、スクリーンに釘づけになっているというわけです。そしてすべての真相が明らかにされるとき、15年間の苦悩の日々から解放された遺族たちと共に、観客も深い感動に包まれます。この映画は単なる謎解きものではありません。恋人を失った刑事と、娘を殺された母との最後の対峙に涙して下さい。ドゥソクが「私が殺人犯だ」を著した本当の意味に感動してください。
 こんな大作が、日本では小さな劇場でしか上映されませんでした。最近は、韓国映画を上映する大劇場はすっかりなくなりました。「猟奇的な彼女」がヒットした頃は、複数の大劇場で韓国映画が上映されていましたけどね。小劇場が町からどんどん姿を消してゆく昨今、そのうち韓国映画はDVDでしか観れなくなってしまうのでしょうか。TCGテアトルシネマグループやCinem@rtシネマートを応援せねばなりまへん。

2012年製作119分。日本公開2014年。
監督/脚本:チョン・ピョンギル。
出演:パク・シフ、チョン・ジェヨン、キム・ヨンエ、チャン・グァン、チョ・ウンジ、チェ・ウォニョン、オ・ヨンほか。

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