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LADIES' CODEの悲劇

2014/10/18

 LADIES' CODE(レディース・コード)は、昨年2013年にデビューして以来、ヒット曲を連発し、種々の賞を獲得するなど快進撃が続く女性5人組の新人グループです。筆者もたいへん注目しており、Pretty Pretty 、So Wonderful 、KISS KISS と続々登場する名曲に魅せられてまいりました。韓国のニュースメディアが予想する2014年にもっとも活躍する女性グループでも新人ながら上位にランキングされ、まさにビッグシンガーの仲間入りを約束されていた人気アイドルです。
 ところが今年の9月3日、仕事を終えて車で移動中、彼女ら5人や関係者を乗せた車が交通事故を起こし、メンバー2人が死亡し、悲劇のヒロインとして名が広く知れるところとなってしまいました。  事件は韓国芸能界に大きな激震となって伝播し、数々のアイドルや映画俳優などが追悼の意を表明するとともに、LADIES' CODE の再起を祈念するメッセージを表しました。

 韓国の交通事情は、はっきり言ってよろしくないです。筆者が読んだ何件かの文献でも、自動車の保有台数は日本の10分の1であるのに対し、死亡事故は日本の3倍と書かれてありました。単純に考えると、車の台数を日本と同じにすると死亡事故は30倍ということになります。これまでにもひじょうに多くのアイドルが交通事故に遭遇し、負傷したり命を落としたりしています。メンバーの怪我で活動を休止するアイドルグループも後を絶たず、韓国のすべてのアイドルが無傷でいる時期なんてかつてあったのかと疑われます。これまでに交通事故でメンバーが負傷したことがあるアイドルグループを列挙したらそれこそキリがありません。もちろんソロ歌手であっても事情は同じです。
 近年、高度経済成長を遂げ、技術大国として世界にその名を知らしめた韓国ですが、発展を急ぐあまり暮らしの安全がないがしろになり過ぎています。K-POPを紹介するとある日本向けのテレビ番組でも、韓国でタクシーを利用し、危ないからスピードを落とすようドライバーに注意すると、急がないなら降りてくれ、急ぎの用でタクシーを待ってる人が大勢いる、と言われたというエピソードを紹介していました。
 筆者も車が大好きで、マニュアルミッションのスポーツタイプの車を若い頃からずっと愛用してまいりました。でもね、急いでいるからと言って考えもなしに速度を上げても大した時間短縮にはなりません。無謀な運転をする車が、筆者を追い越して100メートル先行したとします。見た目ははるか彼方に行ってしまったように感じますが、車はその100メートルを数秒で走り抜けます。たっぷりガソリンを使って危険を冒したところで、得られる時間は数秒なのです。高速道路等でひじょうに長時間走行したとすれば速度の差で数分あるいは数十分の時間節約が実現できるでしょうが、街中ではスピードのちがいは時間の節約にはなりません。複車線や信号の事情、駐車による障害など、数々の道路事情が先読みのできないドライバーの行く手を阻みます。急いでいる人が大勢いるというなら、なおさら無謀運転による事故を減らし、交通渋滞を招かないようにしなければなりません。
 高度な技術に裏打ちされた文明国であっても、それが日々の事故の犠牲の上に立っているのであれば、お笑いでしかありません。今年、セウォル号沈没事故があった後もネット上に「こんな国に住みたくない」「脱出したいけれどお金がない」といった書き込みが相次いだと聞きます。そうした声は、単に事故の悲惨を嘆いたものではなく、技術大国に成長することと引き換えに安全と安らぎを失くしてしまったという日頃から感じている思いが声になったものと想像できます。

 韓国に比べ、日本の芸能人はあまり事故に遭遇しません。上述のデータを参照するならば、車の数が10倍でも死亡事故は3分の1なので、事故に遭う確率が極めて低いうえに、芸能人という大切な商品を運ぶということに関して芸能プロダクションの注意深さがちがいます。スターを失う損失は事務所にとっては計り知れませんから、慎重になってしかるべきです。
 では、韓国に比べて日本は安全という点において優れているのか、というとそうとも限りません。データの比較だけで日本の方が安全だと慢心しているようでは、それは安全意識の欠如にほかなりません。日本も今日に至るまでに数々の傷を残してきています。事故の確率は少なくても、一度事故を起こすとデカいということを日航機墜落事故やJRの列車脱線転覆事故が証明しています。営業に際して安全の確保には最大の責任を負わねばならない交通事業の経営者が、営利主義のために安全点検を軽視したり従事員を精神的に追い詰めたりといった愚行が今も続いていることを、現役鉄道員である筆者はよく知っています。筆者の勤務する関西の地方鉄道でも、ひじょうに神経を使う運輸従事員の心身のケアをするべき立場の上司が、パワハラやセクハラ、悪名高い日勤教育で部下を精神的に追い詰めると言ったことが、今なお増長しています。格差社会の勝ち組かなんか知らんけれど、調子ぶっこいた愚者たちの天下によって、日本の交通の安全神話は崩壊しました。我々日本人も、公共交通機関の重大事故に依っていつ同朋があるいは自らが命を失うかもしれないという危機の中で暮らしています。
 交通あるいは数々の作業の現場で安全を支えているのは、歴史によって培われた文化です。マニュアルや保安装置は安全の補助でしかありません。マニュアル通りの事故なんてありませんし、保安装置も重大事故ではその能力を発揮しません。

 これを書いている尻から、4Minute というアイドルグループのソウル公演において、通気口の崩落事故で今度は観客に多数の犠牲が出たというニュースが届きました。
 大きな事故が起きると、興行主の安全管理や警備や設備に対する責任が問われますが、だれが責任を取ったところで犠牲者の命は還りません。責任の追及はつまるところは権力者の蹴落とし合いに過ぎません。
 安全は文化です。文化とは人々の暮らしそのものです。そこで暮らしているあなたたち私たちこそが安全の力なのですから、日々の暮らしに快適と安らぎをもたらすために、公衆道徳の向上と子供たちに対する安全教育を、ひとりひとりが心がけて行かねばなりません。
 そして不幸にも重大事故の被害に巻き込まれた関係者の方たちは、個人で企業相手に保障の交渉をしてはいけません。善意の弁護士を中心に被害者の会を早々に立ち上げ、団体で交渉に臨みましょう。相手が企業では個人で立ち向かっても逆に脅されて終わるだけです。

 LADIES' CODE の事故のことでも、現代(ヒュンダイ)社の車の欠陥がどうのと、責任問題が話題になりましたが、そうしたコメントをネット上にアップしているあなた方は、安全に対してどれだけ意識を持っていますか? たとえ現代社が安全に関して信頼性の高い車の製造を実現したとして、最後に安全を確保するのはドライバーたるあなた方なのですよ。
 今回の事故で LADIES' CODE のウンビはほぼ即死、一命を取り留めたものの頭部に重傷を負ったリセは意識が戻らないまま4日後に死亡、ソンジュは顔面を骨折し大きな手術を受けました。奇跡的に軽傷で済んだアシュリーとジュニも精神的なダメージがひじょうに大きいと聞きます。生前、リセはウンビを一番気遣っていたのだそうです。リセの訃報を伝える記事にも、ウンビのもとへ、という表現がされていました。様々なメディアの報道によって周知の事実を、ここで述べるまでもないのですが、読者の皆さまと悲しみを共有したく、あえて記載させていただきました。
 事故当日、彼女たちの楽曲 I'm fine thank you が音源チャートで1位を獲得しました。LADIES' CODE の歌を聞いて元気をもらっていたファンたちが、天国のウンビに届くはずとネットを通じて呼びかけ、実現したそうです。死んでから1位になっても虚しいなんてことはありません。これが人間です。人は心でつながっているのです。ファンたちの熱い思いにジジィの目にも涙です。大勢の人の力が集まって、大きな偉業が成されました。逝ってしまった子たちが愛し演じた K-POP を生んだ素晴らしい国を、安全で快適に暮らせるところにし、育った文化がますます発展して行くように、ファンひとりひとりが自覚を持ちましょう。なにも難しい課題に取り組むのではありません、ひとりひとりが今よりも少し意識付けを持つ、それだけで安全は大きく改善されます。みんなの力が集まって I'm fine thank you を1位にしたのと同じです。
 そして韓国と同様に K-POP の大きな活動の拠点になっている日本のファンも、韓国のファンと心をひとつにしていただきたいと思います。国境は経済という名の魔物が敷いた幻影にすぎません。文化に国境はありません。

韓国のCD

2014/10/26

 CDは音楽のクォリティとメディアの操作性、保存性能を追求した、現在もっとも普及している技術です。かつてはレコードと呼ばれる記録メディアが主流で、その再生にはいささか大がかりな装置と安定した立地が必要でした。ステレオ装置がきちんと固定されていて揺れたりしないことが重要で、携帯用の機器で再生するなんてありえません。再生やジャケットからの出し入れの際にホコリが着きやすく、しかもそのホコリにひじょうに弱く、それが原因ですぐにスクラッチノイズが生じてしまうというめんどくさい代物でした。むかしは音楽をたしなむとはなかなか大変なことだったのです。それでもレコードは音楽を一般に普及させ、芸能業界の発展にも大いに寄与してきました。
 CDの登場は、より良質な音源を手軽に楽しめるものにし、人々の暮らしにいつでも音楽が在る状況を実現しました。CDは世界共通の音響メディアとして長らく不動の地位を保ってまいりましたが、一頃はMDやDATといった種々のメディアが乱立し、CDの王座が危ぶまれるかとも思われました。しかし並みいる新参者どもを打ち負かして生き残ったのはやはりCDでした。
 CDのメディアとしての種々の使い方については、ここでは置いておくとして、今もCDは音楽メディアの主流であり、映像の担い手であるDVDと棲み分けてショップの棚を埋めています。ところが手軽に良質の音楽を楽しむという点においてCDはすでに古びた技術になりつつあり、今ではCDを携帯機器に入れて持ち歩く人や、CDラジカセをぶら下げている人の姿はほとんど見かけなくなりました。携帯機器は人々のポケットの中にひっそりと忍び、イヤホンのコードだけが音楽通の自己主張になりました。CDは購入されたあとパソコンに音楽を落とすために1度再生されるだけという、音楽の運び屋になってしまった感があります。パソコンに落とされた音楽は、そのまま聴いたり、携帯機器に転送して持ち歩いたりすることができますね。
 多くの電化製品同様、音楽を楽しむための機器もコンパクトで取り扱いが容易なものへと進化して行きました。CDもその正式名称をコンパクトディスクというように、音楽メディアを小さくて使い勝手の良いものにするための技術として開発されたました。
 日本ではどれも同じサイズの規格版のケースに入っており、お部屋の棚にすっきりと並びます。とても整然としていて、美しいです。狭い住宅事情でも小さくまとまった整理ができて快適です。

 ところが、韓国の音楽CDは形も大きさもまちまちで、すっきり綺麗に整理することは不可能です。音響機器の開発者たちの、小型高性能への苦労が水の泡です、台無しです。12cmばかりのCDのパッケージが、韓国では高級ギフトもビックリな重層な箱になっていたり、缶に入っていたりします。……韓国のCDは小型高性能という技術思想をナメています。
 開けてみますと、写真集だのトレーディングカードだの、折込のミニポスターだのがワラワラ出てまいりまして、その一番底にCDが入っています。箱の底にしょぼい硬質のスポンジが貼り付けてあり、そいつにCDの穴を合わせるかたちで留めてあります。写真集の裏表紙あたりにCDが付いている場合もあります。なんじゃこりゃ、写真集しか入ってへんやんけ、まちがって写真集買っちまったのか、なんてあせった人も少なくないのではないでしょうか。
 中にはかなり大判でゴージャスな写真集になっているものもありますし、おもちゃ箱のように缶バッジだのポストカードだの、しおりだの、ポップスタンド、アクセサリー等々がぞろぞろ出てくる場合もあります。そしてトレカさえもが形や大きさがまちまちで、専用ファイルに綺麗にまとめることが困難といったありさまです。
 梱包用のセロハンをはがすと添付されたアイテムがまとまらず、別にナイロン袋等を用意しなければならなかったり、パッケージそのものが三角形になっていて中の写真集も同じ形で、見づらいうえに元に戻すのも大変だったり、ブリキの缶に入っていてしかも中央が膨らんでいて、棚に収容するにも重ね置きするのも困難だったり、クリアファイルケースになっていてスナップで留めてあったり、もう笑うしかありません。……これって、ネタなのか? CD売るのにネタは必要なのか? いったい誰がどんな顔してこんなの企画してるんだ? 製作工程はどうなってる? パートのおばちゃんも苦労してるやろな。レコード屋さんの店員もたいがいムカついてるだろう。CD売ってるのになんでレコード屋なん? こないだタワレコでレコードあるか聞いたら、ない言われたわ。とった種々の疑問やら心配が沸き起こります。
 K-POP関連の某テレビ番組で、韓国のCDの様々な形態は、売るための戦略であると言ってましたが、日本のファッション誌等における付録の方が大きいやんけ状態と同じなんでしょうか。

 そんなもんに釣られる客がいるのでしょうか。いるのでしょうね、いるからかくのごとき奇奇怪怪、愉快痛快、奇妙奇天烈、空前絶後なCDジャケット(もはやジャケットの範疇ではない)がますます増長するのでしょう。
 かく言う筆者は、CDは Amazon ほかの通販で入手するので、お店でジャケット買いなんて事態には至らないのです。韓国がいかな前代未聞なしろものを製作なさったとしても、筆者に関してはそれはムダなのです。そして通販派のユーザーは少なくないと思われます。  CDひとつのために、なんじゃこのでっかい箱は、と通販の梱包に驚いて、開封して中身の常軌を逸した言語道断ぶりに阿鼻叫喚するわけです。
 それでもファンとしてはやっぱCD買うじゃん。で、いつしかそれが溜まって、最初は珍妙な品々の羅列だったものが、数が増えるにつれて押し合いへし合いになって行き、今や魑魅魍魎が百鬼夜行するような有り様と成り果てている次第です。最初は収容方法も思いつかないので、チェストの上にK-POPコーナーを設けていたわけですが、今やモザイクをかけてもお見せできないような体たらくになっちまいました。K-POPの効果的な収納方法をどなたか伝授してください。

 だいたいこんな大きな箱、GODIVA のチョコじゃあるまいし、そりゃ分厚い写真集はなかなか可愛いけど。少女時代の THE BEST 限定盤とかLPレコードサイズジャケットって、だから小型高性能を目指してだね……ああ、これ日本製だわ、すんません。PSY の江南スタイルとか、丸い缶とか邪魔になる…けどトップの丸い膨らみがなかなかアレですな。f(x) の Rum Pum Pum Pum とか、ピンクのVHSビデオジャケットって、かなり可愛いし。missAの三角ジャケットは、渋谷のタワレコで見つけて、気づけばレジに運んでました。G.NA の Bloom は箱を引っ張ると写真が出現します、嫌いじゃないです、こういうのも。T-ARA の SEXY LOVE や Roly-Poly は、まんま写真集でCD付って感じで、これはかなりのお気に入りです。
 って、あたしゃまさかのおもしろジャケット好き!? みなさんはどう思われますか、韓国のありえねぇCDジャケッツ? 次は何がでるやら、好奇心の血が騒ぎますね。

SMどうした?

2014/10/28

 SMエンターテイメントは、K-POP業界最大手のプロダクションで、芸能事務所にしてレコード会社でもあります。かつてはJ-POPシンガーとしても歌っていたBoA姉さんをはじめ、東方神起、SUPER JUNIOR、少女時代、f(x)、SHINee、EXO、Red Velvet ほか大勢の歌手や俳優、タレントが所属しています。日本での興行にも積極的で、かつてBoA姉さんを日本の歌手として育てたのをはじめ、東方神起や少女時代は日本でのオリジナル曲も多数リリースしており、NHK紅白歌合戦にも出場しています。J-POPシンガーだったBoA姉さんはともかく、日本での活動が多いとは言え東方神起や少女時代をも出場させるなんて、お堅いNHKもやりよります。まぁ、K-POPブームの呼び水ともなった韓国ドラマ「冬のソナタ」を日本で最初に放映したのもNHKなのですけどね。
 このようにK-POPと日本との密接な関係を築いてきたSMエンターテイメントですが、ここ最近はアイドルのスキャンダルや引退問題で大いに揺れています。SMどうした!?

 K-POPという名称は今では世界的に高い知名度を得た音楽ジャンルとして認知されていますが、その語源はジャパンポップスすなわちJ-POPであろうと思われます。ポピュラーミュージックをポップスと呼称した和製英語が元になっているのですが、J-POPの方は同じ和製英語のアニメあるいはジャパニメーションほどの世界的知名度は得るに至らず、J-POPを流用したK-POPが世界に通用する用語になったとは、おもしろいものです。ちなみに若年のファンをターゲットにした若手歌手をアイドルと称したのもおそらく日本オリジナルで、K-POPにおいてもこれに倣って若手歌手をアイドルと呼んでいますね。日本では歌唱力よりも可愛さカッコよさを前面に出した歌手をアイドル、実力主義でテレビ出演等は二の次といった歌手をアーティストと呼ぶと言った使い分けがされることが一般的ですが、韓国ではアイドルにひじょうに高いクォリティが求められており、アーティストの呼称はポピュラーになっていません。
 K-POPアイドルという今では世界に通じる呼称の確立には、古くから日本の芸能界に精通してきたSMエンターテイメントが重役を担ったと思われますが、その中身については多くを継承しなかったようです。アイドル歌手に対して若い中高生が中心になってファン層を構築する現象は日本と同じですが、日本では1970年代あたりからアイドルに熱狂していた若者たちが今や筆者のような年齢に至り、K-POPとの出会いによって若い頃の情熱が再燃した感があります。日本人のK-POPアイドルファンは、本国と比べると格段に年齢層が高いです。もちろん若い子たちも巻き込んでいますから、事実上ファン層は全年齢に及びます。
 その日本の芸能業界は、ファンの何たるかアイドルの何たるかをよくわきまえています。熱狂的なファンにとってアイドルは夢であり希望であり生きがいです。見ようによっては盲信的とも思える現象ですが、これが現実であり、この現象こそが業界を支えています。暑さ寒さ悪天候をモノともせず、グッズ販売に長蛇の列を作り、2時間あまりの公演(SMの場合は4時間に及ぶことも)も疲れ知らずで歓声を上げ続ける。ファンたちはたいへんな労力と資金を費やしながら、夢と希望をありがとうと、アイドルに感謝します。
 それに応えるには、アイドルたるもの普通の人間の暮らしは出来ません。休養や睡眠は体を維持できる最低限の時間に限られ、ステージに立つには試合に臨むボクサー並みの減量が強いられ、世界中を巡っても空港とホテルとステージを移動するだけ。見られる仕事とはひじょうに過酷です。
 一方ファンたちもアイドルを守るために一定の分別をわきまえています。追っかけをしてもアイドルに迷惑かけちゃいけない、アイドルの人権を尊重し私生活には立ち入らない。
 アイドルが一般人並みに自由恋愛をして、それが仕事に支障をきたすとしたら、ファンがアイドルのプライベートに土足で立ち入り、家にまで押しかけるとしたら、夢を売る商売なんて成立しません。韓国のアイドル事情においては、このあたりのことがひじょうに心配されます。
 日本で、かつては おニャン子クラブ、現在では AKB48 を世に送り出した音楽プロデューサー秋元康は、アイドルの恋愛を厳しく禁じています。恋愛適齢期の普通の女の子を突然アイドルに仕立て上げ、厳しい戒律を強いて、アイドルか普通の女の子かの選択を迫ります。
 韓国では長い歳月をかけて練習生を育て、高度な技術を習得させ、すでに高い完成度の歌手をデビューさせます。日本のアイドル事情は、技術よりもまずアイドルたる者の位置づけを明確にし、その立場を業界全体で守ってゆきます。アイドルとて生身の人間ですから、スキャンダラスな事態を招くこともなくはありませんが、所属事務所は可能な限りそれを差しさわりのないものに隠蔽し、事務所側がアイドルの自由恋愛を臆面もなく認めるようなことはしません。アイドルだって恋愛しないわけではありませんが、それを公然のものにするにはひじょうに慎重で順序をわきまえています。
 夢を買う側のファンは、業界に裏があることを承知していても、それを公然としない業界側の努力を認めれば、気持ちよく騙されてやろうという心の寛容さを持っています。アイドルも生身の人間なのだから、恋愛も自由にするがいい、という寛容さは持っていません。騙される容易はあってもあからさまに私情を前面に出されるのは許せません。歌が上手くてダンスが素晴らしくて美形なら、なんでも許されるというのは大間違いです。アイドルとファンは相補的な関係を保たなければ、業界は立ち行きません。

 今年は、EXOのベッキョンと少女時代のテヨンの熱愛騒動に始まって、f(x)のソルリとダイナマイト・デュオのCHOIZAの熱愛騒動、SUPER JUNIOR のソンミンの婚約、少女時代のジェシカの脱退と、ファンを無視したスキャンダルが相次ぎました。恋愛や結婚が醜聞になるなんて不思議な業界ですが、人々に夢を与える仕事とはそうしたものです。ジェシカの場合は副業のことでメンバーや事務所と衝突したそうですが、すぐ後に中国人ライターとの恋愛が報道されました。
 ファンは、アイドルたちの恋愛や結婚を絶対に認めないわけではありません。日本のアイドルもその多くが恋愛し結婚に至っています。要するにやりようです。恋愛も結婚も、ファンの夢を壊さないような段取りを踏む必要があるということです。夢を与えることを仕事にする者が、夢を壊すのでは仕事をしているとは言えません。
 それとも韓国の業界は、アイドルというものは優れた歌を聴かせダンスを見せる職業であり、歌手に大勢のファンがついて人気が上がることは、ファンの勝手だと考えているのでしょうか? 一般人のような幸せを手にしたいと言うのなら、アイドルになるのは間違いです。歌とダンスが上手くても、一般人のように暮らしたいなら、趣味で歌えばよいです。大きなステージに立つには及びません。秋元康がAKB48のメンバーにアイドルか普通の女の子かの選択を迫る所以がここにあります。
 普通の人間の暮らしを捨ててアイドルを全うする覚悟を、技術やルックスよりも優先させることは、アイドルを育て人々に夢を与える業界ではひじょうに重要だと思われます。このことはアイドル本だけの問題ではなく、アイドルを養成し世に送りだす事務所や業界の問題でもあります。アイドルのスキャンダルを可能な限り小さな問題に仕立て、ファンの夢を壊さない責任を事務所も果たさなければなりません。企業なら雇用責任を果たすべきです。
 大きな公演を控えているのに、メンバーのスキャンダルをケアしない、公演間近にメンバーの脱退を公言する、こんなファンをバカにした話しはありません。ファンをナメて立ち行く業界ではないはずです。

 何も知らない素人が、ずいぶんえらそうなことを申しましたが、K-POPを愛するファンの思いをいくらかは代弁できたと思います。

 今年のSMTown日本公演では、あきれるほど多くの欠員がありました。味の素スタジアムでの2日目は、土砂降りの悪天候の中、ファンたちは4時間立ち尽くして声援を送りました。筆者は初日は本公演に参戦し、2日目はライヴビューイングを大阪の映画館で観ました。上述しませんでしたが、EXOはすでに脱退したクリスに続いてルハンも不在でした。ソルリやジェシカ、ルハンにとくに思い入れのあるファンにとっては、高額の旅費と時間を費やして味の素スタジアムに足を運んだ意味がありません。ソンミンの婚約問題も小さくありません。筆者の知るソンミンファンは、何日も不眠が続き、今でも心の傷が癒えず、数日後に迫った SUPER SHOW 6 のチケットを持っているものの気持ちが上を向かないと言います。  ファンに対して、多大な迷惑と損害を押しつけておいて謝罪すらしないSMの経営者って何様なのでしょう。普通の企業なら社員の不始末を個人責任では済ませられません。社長以下重役たちの進退問題です。その責任を担うだけの権力と収入を得ているはずです。ひじょうに多くの欠員を出したSMTownの日本公演は、出演したメンバーの頑張りと、ファンたちの寛容により成功裏に終わりましたが、SM側は欠陥商品を押しつけ、契約を完全には履行できなかったのも事実です。生々しい話しをするならば、ソンミンの婚約発表やジェシカの脱退を、SMTown や SUPER SHOW、少女時代ドームコンサートの直前に公表するのは常識的ではありません。
 もちろん、日本公演だけちゃんとしろと言っているのではありませんよ。筆者が日本在住であり日本での実情を目の当たりにできたから、それを事例として挙げたまでです。
 おもろい形態のCDを販売し、シュールな映像のPVを製作するだけが音楽事務所の仕事ではありません。アイドル歌手に対するファンの思い入れは、映画俳優へのそれを凌駕しています。歌手を養成するということは、技術の習得もさりながら、アイドルという人々の希望の星(スター)を育てるということにほかなりません。

 追記:K-POPの個性的なCDジャケットやミュージックビデオを、あたしゃ大好きだよ。

ミュージックビデオ

2014/11/02

 MVことミュージックビデオは、1970年代後半の洋楽にすでに存在していたような気がします、筆者の記憶では。シュールで幻想的な映像の中で、アーティストが楽曲を披露するプロモーションビデオを、筆者も大いに楽しんでまいりました。楽曲と映像の融合という発想は、おそらく映画音楽に原点があると思われます。同じ曲でも映画やドラマの中で使われていると、めっちゃ素晴らしい曲に聞こえるという相乗効果みたいなのがあるじゃないですか。新曲を売り込むのにその効果を利用したもの、それがミュージックビデオというものの発想ではないかと思います。
 ミュージックビデオは、言わばCM映像なわけですが、そこではフルコーラスが披露されるのが常で、これを観れば楽曲の全容が判ります。テレビの音楽番組では、ミュージックヒットチャートと称して、このMVを人気順位順に下位から放映したり、ミュージッククリップ集といった番組を放送したりし、視聴者は音楽番組のステージの様子と合わせて楽曲を楽しむことができます。MVはむかしから大変な人気を博しており、ステージでのカムバック曲はまず漏れなくMV化されています。だからヒットチャートをMVだけで紹介することもできるわけですね。
 それにしてもミュージックビデオって、洋和韓を問わず、どうしてあんなにシュールなのでしょう? さながらSFファンタジーの冒険が、壮麗なセットと特撮によって繰り広げられたり、不思議の国のアリスの世界のような夢幻シチュエーションが展開されたり。音楽を映像イメージで表現するとシュールなものになるのでしょうか。それと独特のユーモアもMVの魅力のひとつですね。見ていて楽しいMVは、やっぱ見ていて楽しいです。もっとも哀歌系ではさすがにMVにもギャグ要素はありませんが。
 外国の映画等では、俳優はシリアスを演じているつもりなのに、観ている方は笑ってしまうと言ったカルチャーギャップに遭遇することがしばしばですが、韓国の場合は国を隔てた異文化ではあるものの、言葉や生活様式において相通ずるものが少なくなく、カルチャーギャップによる笑いというのはあまり見られません。演じ手が意図したようにおもしろいですし、シリアスなシーンで吹き出してしまうようなことは、たとえばインド映画等のようには"ない"と言えるでしょう。韓国人もけっこうユーモア好きなんだ、と楽しくなってきます。

 K-POPのMVの多くが、ひじょうに手間とお金をかけて製作されます。大がかりなセットと緻密なCG、大勢のエキストラの出演、さながら映画制作のような大規模な作品づくりがされます。種々のエフェクトを用意したり、CG加工や編集を行なうスタッフも多人数に及ぶことでしょう。大好きな音楽と共に観る映像は、観ていて本当に楽しいですし感動します。
 そうした数々のMVの中でも、T-ARA の Cry Cry & Lovey-Dovey 用に製作されたものは、T-ARAのメンバーと共に有名な俳優を起用し、劇場上映しても多くの観客を見込めると思えるようなドラマになっていました。同じくT-ARA の Day By Day & Sexy Love のMVもやはりドラマでした。ドラマ仕立てというより、完全なドラマになっており、両作品とも長編映画としてリメイクして欲しいほどです。もちろんキャストもセットや衣装もそのままがええ。あたしゃ今でも、泣きたくなったらこれらのMVを観て、感涙にむせぶのさ。別につらく悲しいからとかじゃなくても、なんかこう感傷にひたりたい時ってあるじゃないっすか。
 もともとT-ARA は、Apple is A や Roly-Poly でもドラマ仕立てのなかなか長めのMVを作っていましたし、yayaya のそれもドラマチックでした。所属事務所のコア・コンテンツ・メディアのオタクな社長がこういうの好きなんですかね。今後も期待しておりまする。

 K-POPアイドルは多数日本デビューを果たしており、日本人向けにとてなんともお節介にも、日本語バージョンを出してくれなさり、コンサートでも日本語で歌ってくださるわけですが、難義なことに。その日本リリース版には、DVD付きの限定バージョンがけっこう出ます。MV付きというのは大変よろしいですね。でも、韓国版にはそれがありません。残念無念です。
 多大な経費と手間をかけて製作されたMV作品が、ネット配信やMV番組で流されるだけというのは、いささかもったいない気がします。音源とともにミュージックビデオもダウンロード販売とかないものですかねぇ。まぁ、Youtube の当該ページをお気に入り登録しておけば良いわけですけど。
 ある時、新曲の動画をネットで見つけて開いてみますと、ものの数十秒で終わっちまったわけ。なんやねん、これ、と眉を寄せておりますと、物知り顔の嫁さんが、そりゃティーザーだわ、なんて見降ろした目をするわけ。まっ、憎そ。数年前までパソコンなんて見向きもしなかったクセに、いつの間にやらその方面では筆者が青ざめるような使い手に成り上がりよって。聞けば、発売前にちょこっとだけお見せしましょっていうMVがティーザーなんですと。さよですか、なんともじれったいことで。ティーザーかクルーザーかブルドーザーかアブドゥロ・ザ・ブッチャーか知らんけど、なんかこう、イーーーッとなりますね。辞書で調べてみますれば、じらす、じらして興味をそそる、といった意味合いなんですと。よく分かりませんが、よく分かりました。

2012ロンドン5輪を制す

2014/11/06

 古い話しをしまする。ロンドン5輪すなわち2012年イギリスオリンピックのオープニングソングを歌う歌手の投票で、K-POPアイドルは他国を凌いで独壇場とも言えるほどの票を獲得しました。SUPER JOUNIOR、BIG BANG、SHNee、少女時代、2EN1、KARA、東方新起、JYJ、Wonder Girls、BEAST、T-ARA、f(x)、4MINUTE、INFINITE、B1A4、RAINBOW、AFTER SCHOOL、2PM、A Pink といった面々が上位にその名を連ねています。イギリスと言えば、かつてはビートルズやデビッド・ボーイ、クィーン、レッド・ツェッペリン、カルチャークラブといった世界的に有名な歌手をたくさん輩出した優れた音楽文化を有する国です。筆者と同じ年のサラ・ブライトマンは今も現役で頑張っていますし、最近の若手ではワン・ダイレクションの活躍が目覚ましいですね。そんな音楽大国で開催されるオリンピックに、アジアの小国がドバドバッと大勢の歌手を送り込むなんて、なんかすごいと思いません?
 これも電脳ネットワークが世界的に充実した情報化時代のたまものなのでしょうが、そのことはまたK-POPが世界中の人々に正当に指示された証であるとも言えます。ネット社会以前は、文化は業界の担い手によって宣伝され、人々はマスコミが称賛するから素晴らしいと思い込み、それから火がついて洗練されて行ったという経緯がほとんどですが、今は業界とは無関係の民間人でも動画配信等で新しい文化の火付け役になり得ますし、それを広めて行くのも純粋なリスナーの手によるところが大きいでしょう。かつてはテレビ放送やレコードの発売がなければ知り得なかった音楽ともオンライン動画等で出会うことができますし、インターネットにアクセスする手段があれば、ホットな情報を世界中どこからでも本国と同じように取得できます。そのことがK-POPをあっという間に世界に広め、ロンドン5輪を制するという快挙にまで発展してしまったのでしょう。なにが起きるか予測不可能な情報化時代って、ほんとにおもしろいですね。
 でだ、韓国なる国めがアジアのどれほどの小国なのかを見てみましょうか。大韓民国:人口約5000万人、面積約100210k屐タイ:人口約6700万人、面積約513120k屐フィリピン:人口約9200万人、面積約299404k屐ベトナム:人口約9170万人、面積約346410k屐ジャパン:人口約1億2600万人、面積約377962k屐ミャンマー:人口約5140万人、面積約676578k屐カンボジア:人口約1610万人、面積約181035k屐D瓦戮襪里面倒になってきたのでこれくらいにします。チャイナはいろいろ法外だし意味不明なので無視します。ああ、あたしゃチャイナ嫌いじゃないですよ、念のため。数多くのチャイナ文化やチャイナ製品を愛用してますよ。ただ、あそこの国勢はよう判らんので、なんか桁違いにデカイとしか判らんゆえ……。ともかく人口と面積において、韓国はアジアの中でもなかなか慎ましやかな国であることがデータ的に明らかです。しかして近年の経済成長ぶりと科学技術の発展ぶりは、まったくもって慎ましやかではございませんで、WW2以降目覚ましい発展を遂げなすったお隣のジャパンも真っ青なくらい、アッという間に華々しい成長を達成しました。
 かつて、極東の小国ジャパンが、アニメ文化を世界に知らしめ、メイドさんを欧州やカナダ、ロシアに派遣した経緯には、なかなかの苦難がありました。ところがK-POPの世界制覇は、ほんとにアッという間でした。ネット時代恐るべしです。
 まぁ、ジャパンにしましてもお隣の国がこのような快挙を達成し、世界にその名を轟かせたことは大変に喜ばしいことではあります。そうでしょ? 日韓を含める小さなエリアから素晴らしい音楽やらアニメやら……。さらには和食とキムチ(キムチ作りの文化)がユネスコ無形文化遺産に認定されるなど、食文化までそろって有名になりました。いい感じです。アジアの東の果ての隅っこは、なかなかヤリます。
 さてさて、K-POPが地球の裏側までその名を轟かせ、ロンドン5輪を制するとあっては、ジャパンとしてもだまってられませんってわけで、初音のミクさまが、地球の裏側まで乗り込んで行って、同部門の暫定1位をかっさらうという暴挙を達成しました。暫定1位ってなに? と問うなかれ、筆者もよくご存じありません。ネットで検索したならばそういう記事が見つかりましたし、オタク仲間の間でも話題になっていたのです。ご存じですよね、初音ミク。日本を代表する有名なシンガーにして所属プロはなし、持ち歌はおおむね素人が作ってネットに上げたもので、多くのヒット作があります。床まで届く緑のツインテールが月野うさぎも真っ青なトレードマークです。
 オリンピックのオープニング曲の選考委員会の方々も大いに驚愕しなすったことでしょうね。「ハツネミク、いったい誰ですか?」「2位以下けーぽっぷスターたくさんいますが、英国のミュージシャンはどうしましたか?」そんな声が聞こえてきそうです。
 その後、イギリスオリンピックの開会式で実際に歌声を披露したのがどなたなのか、筆者は存じあげません。筆者の関心事は投票の経緯だけなので。
 政治経済は世界を分け隔て、世に混乱や争いをもたらしますが、文化は国境をあざ笑い世界をつないでしまいます。K-POPが世界に認知される音楽に発展したことは、韓国の誇りではありますが、それを受け入れる人たちが民族性や人種の垣根を超えて世界中にいるということがもっと素晴らしいと思います。人間って素敵です。

短縮

2014/11/07

 世の中には、業界用語であるとか専門用語であるとか、素人を見下すようなキザでイヤミな表現がいっぱいありますよね。筆者が生涯の棲み処としてきた自然科学の分野やアニメの世界にもそういうのはたくさんあって、筆者はその多くがいまだに好きにはなれません。それぞれの業界にはそうした表現や用語をたちどころにマスターしてしまい、その道の"通"を自任している人がたくさんいらっしゃいますが、なんかついてゆけないというか、いつの間にどこで覚えるのかが不思議でなりません。
 そりゃ、業界用語や専門用語の必要性は理解できますよ。たとえば電車のホーム上で、ひとりのおっさんが両手を激しく振り続けているとしましょう。それは一般的には頭のおかしい野郎が奇行に及んでいるといった光景にすぎませんが、警察用語では"挙動不審者"と表現され、電車の運転士にとっては"停止信号"になります。ローカル線において20分発の列車が10分遅れて30分に発車したとしても、もともと30分発に乗ろうと思っていた旅客にとってはダイヤ乱れに気づかなければ何も問題はありませんが、列車を担当する乗務員にとっては大きな問題で、列車ごとに運転番号というのが存在します。それを毎度々々運転番号と言っていてはしまいに舌を噛むので、運番という短縮形が用いられます。警察や自衛官が現場到着を"現着"といったり、ナースが急性アルコール中毒を"急アル"といったりするのと同じです。
 そうした業界用語や専門用語、恒常的に用いる短縮形を使うことは、それぞれの専門分野では必要不可欠なことではあるわけですが、なぜだか筆者はそういう用語や表現に精通するのが苦手で、いつまで経っても素人然としています。長年生き物を飼っていてもいまだに、ハッチってなに? とかFHってどういうこと? とか若い人たちに訊いているしまつです。
 若いころは同人誌を作っていて、必要性からワープロやパソコンを買い求めましたが、30年以上それらと付き合っていながらいまだに機器に関しては素人で、パニック時には息子を頼るしかありません。フェイスブックもツイッターもラインも理解できていません。今でこそパソコンは1家に1台以上あるようなポピュラー家電ですが、まだあまり普及していない頃に高性能なマシーンを持ってて、その中身や業界に精通している人が不思議でなりませんでした。いったいパソコンを何に使っているんだろうって。よくいるじゃないですか、大した写真も撮らないのにたいそうなカメラ持ってる人とか、レーサーでもないのに200馬力オーバーのスポーツカーに乗ってる人とか。ってそりゃわしのことじゃ。でも、パソコンでトラぶったり、買い替えが必要になった時には、そういうメカに精通している人が近くにいるとたいへん助かりました。筆者のように主に文章を書くだけにパソコンを使っている人間に比べ、そういう人たちはパソコンの発展や進化に大きく寄与し、業界を支えています。
 そして話しはようやくK-POPの話題になるわけですが、この業界にもやはりそうした用語や短縮形はたくさん存在しました。それらを不得意とする筆者には頭のかゆい話しです。
「今年のウネコンは、スジュペンだけじゃなくトンペンの人も多かったらしい」筆者にとっては日本語のようなものにしか聞こえず、まったく意味がわかりません。その道に長けている人に翻訳してもらうと「今年の SUPER JUNIOR のドンヘとウニョクのコンサートは、SUPER JUNIOR のファンだけじゃなく東方神起のファンもたくさん来ていた」ということになるそうです。そりゃ、スペルを間違えそうな SUPER JUNIOR よりもスジュの方がブログ等で書くときは助かりますし、東方神起は日本語変換ソフトがついてゆけません。かつて携帯電話のメール機能をコミュニケーションツールとして最初に普及させた女子高校生たちは、通信料節約と情報交換の効率化のためにたくさんの短縮言葉を開発しそれを公共のものにしました。それと同じような現象が、ネットコミュニケーションの間では今も盛んで、K-POP業界も例外ではないというわけです。「もうセトリ上げてくれてる」とか「新譜のティーザーが落ちてた」とか、上述の翻訳者は日常的に意味不明な日本語のような言葉を使っており、その人のスマホにはペンダムなるソフトから最新の情報が湯水のようにあふれて来ます。筆者にしてみれば、未来人かよみたいなカルチャーショックぶりですが、その人こそは、つい数年前まで携帯電話と言えば短文のメールしか用途がなく、パソコンすら持っていなかった、筆者の嫁さんだったりします。……むむぅ。先生よろしくお願いします。
 SUPER JUNIORのメンバーについては、筆者の範疇ではない男子チームではあるものの、ようやく全員の顔と名前が一致するに至りました。ところが、嫁さんの口からは、トギさま、レラさま、ニイさん、ギュたん、ヒョクちゃん、ドンペロ、ミンくんといった新たな名前が飛び出します。かゆいです、かゆすぎます。ドンペロなんて元の名前より長なっとるやんけ。ちなみに筆者の範疇にある少女時代はソシと言うそうです。…………シソなら知っとるけどな。「SMから出た新人レッドベルベットはどう省略するんだろう、レベルかなぁ」なんて先生すなわち嫁さんはおっしゃりよりますが、略さんでもええやろ、と筆者は思います。じゃったらKARAなんて略したら"カ"になっちまうし、ピなんかなくなっちまうやんけ。
 先日、ソシのシカさまが脱退した事件はたいへんに残念でしたが、ティファニーは自分でティパちゃんと言ってました。ティパちゃんって……、なんか可愛いし。ならば筆者も短縮して筆にしようか。これから筆者のことは、筆(ひっ)しゃんとでも呼ぶがいい。長くなった?

ペンラ

2014/11/07

 コンサートで、ペンライトを振るという習慣は、いったいいつ頃からあるものなのでしょう。某サイトによりますと、西城秀樹のファンがコンサートで使用したのが始まりとありました。やっぱ日本発の文化なのでしょうか。筆者は、K-POPのコンサートに赴くようになるまで、松田聖子と米米CLUBくらいしか観に行ったことがありませんで、その際にペンライトを持っていたかどうかは、今や記憶にございません。現在は持たずに参戦することはまずありません。最近の観客はめっちゃ盛り上がりますからね。 T-ARAに石化魔法かけられたジジィじゃあるまいし、硬直して鑑賞するわけにもゆきません。かといって手拍子ってのもダサいし、じじぃが踊るのも周りに迷惑だし。ここはやっぱペンライトを振っとくのがいちばん無難ってわけですよ。
 ご存じのように、K-POPというジャンルではペンライトは常識です。アニオタのライヴでもたぶん常識です。AKBやジャニーズでも……きっと常識にちがいない。これまたご存じのように、K-POPではアイドルごとに専用のペンライトが存在し、コンサート会場で購入したり、ファンサイトの通販で入手したりするわけですが、中にはチケットにペンライト付きという親切設計のケースもあります。専用のペンライトがあるってことはですよ、なんか適当なものを持参して振り回すと、周りと光の色がちがって大顰蹙(ひんしゅく)をちょうだいすることに相成ります。東方新起の会場一面赤いライトの中で、青いペンライトなど振ろうものならあなた、周りのトンペンの皆さまから、おめぇまさかのスジュペンかよ、ってな目からビームが放たれ火傷を被ることになります。熱狂的なファンともなれば目からビームていどの技は通常兵器です。
 東方新起や SUPER JUNIOR、少女時代の場合はチケットにペンライトが付いていまして、入場の際に配布されますので、観客は全員漏れなく同じペンライトを携行することになり、客席は、赤一色、青一色、ピンク一色の鮮やかな光の海になります。ビューティフォーです。公演に複数回参戦しますれば、その数だけペンライトが貯まります。熱心なファンは貯まったペンライトをすべて携行して次の公演に望みます。片手に5本とか光る爪を生やしている光景には、地獄先生もヌベーっとします。

 このペンライトですが、もともとはペンタイプのフラッシュライトであったわけですが、K-POPにこれが使われる頃には、形もサイズもどんどん派手になり、どう見てもペンなんてしろものではなくなってまいりました。中にはむかしながらの単純な棒状で小型のものもありますが、大勢の観客を動員する人気アーティストのオフィシャルアイテムになりますと、しっかりとしたグリップに大そうな装飾のほどこされた、マラカスかダンベルくらいの規模の装置になりまして、万人の警備員が色つきの探検灯を振り回しているみたいなことになります。もはやこれはペンタイプなどと呼べる代物ではございませんで、そのむかしバンダイから発売されたセーラームーンのムーンスティックやキューティムーンロッドが耳かきに見えるほどです。
 かつて筆者が福岡まで持参した INFINITE のペンライトなど、スイッチで7色に光を切り換えられるという優れもので、目の前に妖魔が現れたなれば変身して戦えると確信できるほどのものでした。  ローズ棒の異名を持つ BEAST のそれは、光こそ白と地味ながら、グリップの先にグレーの薔薇を配した、なかなか立派なもので、専用の収納ケースに入れて部屋に飾ると、フラワーアレンジメントも色あせるほどです。ファンのことをビューティと呼称する BEAST の場合、さすがにジジィがこれを嬉しそうに振り回すのははばかれるわけでして、コンサートでは嫁さんだけがローズ棒を持ち、筆者は白色のパッキンを振りました。
 知ってます? パッキン。水回りの漏水防止のゴムのことではありませんって。そんなもんコンサート会場で振ったら、異常者扱いされて退場ですがな。パッキンとは、シンプルにして小型の棒状のペンライトでして、中ほどからパキンと折りますと、封入された2種類の液体が混ぜ合わさり即座に発光するという電池要らずの使い捨てタイプのものです。一度発光するとそれを止める手立てはなく、そのまま数時間輝き続けます。
 先日参戦した APink のショーケースでは、このパッキンが会場で配布されました。使い捨てなれど、APink のロゴ入りゆえ、これは捨てられませんって。筆者のすぐ前の若い女子客はパッキンの使い方も知らないと見え、必死こいて振り回しておりましたが、そのていどの刺激では発光には至りません、残念ながら。
 ええ? あれはパッキンじゃないと? ならば何と申すものなのでしょうか。ネットで調べてみましたが、ペンライトだとかサイリュームとかいった名称が出てきました。むむぅ。よく解りません。もともとペンライトとは、狭い範囲を照らす小型のライトのことで、劇場のスタッフが遅れてきた客を案内するために足元を照らすのに使ったり、レトロな泥棒屋さんがピッキングの際に口にくわえて使ったりするもののことみたいですね。
 ライトスティックなる名称もヒットしました。文字どおり光の棒というわけ。そう言えば、とあるオフィシャルペンライトの箱にもライトスティックと書いてありました。スティックなら、手のひらサイズから杖サイズまで棒状であれば広く網羅できますから、昨今の様々な形状のものは総じてライトスティックと呼称するのが適切かも知れませんね。
 K-POPファンの方々は、このような理屈には頓着せず"ペンラ"と呼称していますけどね。

 様々な形状のペンラは、それぞれのアイドルのカラーを反映していて、コレクターズアイテムとしても楽しめます。筆者の家にもいつの間にか、たくさんのペンラが貯まりました。こんなにコンサート行ったっけ? と首を傾げるくらい。
 ペンラは今後も、コンサートの必須アイテムとして活躍し躍進し続けることでしょう。そのうち目覚まし機能とか、音楽が再生できる機能とか、メッセージボードになる機能とか、壁に照射するとアイドルの画像や動画が映る機能とか、どこまでやるねんみたいな進化を遂げるかも知れませんね。筆者としましては、またがって飛べる機能とか、ダースベイダーと戦える機能とか、猛犬を撃退する機能とかが欲しいところですが、忘れてならないのは、やっぱ変身して戦える機能ですね。

座って見よう

2014/11/09

 日本ではコンサートを起立して観賞するという習慣があるようです。2時間以上はたまた4時間に及ぶ長演をつっ立ったまま見るのです。これは筆者のような身長の高からぬ人間にとっては悲惨です、惨劇です、いじめです。
 はなっからスタンディングの会場は致し方ありません。座ろうにも椅子がございませんし、無理やり床に体育座りなどいたしますれば、前の人のお尻が眼前にクローズアップされます。プリッとか生理現象が飛び出した日には、ハエか牛などの糞を食する輝ける甲虫が喜びそうな香りに抱かれることになり、とっても悲しくなります。
 球場や競技場を流用したコンサート会場には、アリーーーーナ席と呼ばれる地べた席が設けられ、そこにパイプ椅子が整然と並びます。あれだけの数の椅子が、普段はどこに収容しているのか、ロボットアニメの変形合体シーンや魔女っ娘ヒロインものの変身シーンほど不思議です。ボタンひとつでアリーナがパカーンとか割れて、下から椅子の群れがせり上がって来るのでしょうか。ギミックの動作するシーンのBGMはサンダーバードでお願いします。
 でだ、その悪夢のアリーーーーーナ席ではですね、スタンド席のように前に人の頭が邪魔にならないような配慮というか傾斜が設けられていないわけですよ、残念ながら。何しろ地べた席ですから。下から椅子の群れがせり上がって来るギミックにおいても、さらに床が巧妙に変身してスタンドみたいな傾斜が完成するなんてことには、いつまで見ていてもなりません。そもそもアリーーーーーーナ席は、スタンドよりも良い席ということであるらしいのですが、それはステージ近くの数列だけの話しで、以降の席は、クソです、糞です。牛などの糞を食する輝ける甲虫が喜びそうな香りがします。入場して自分の席に着座し、前方を見ますと、誰も立っていない空っぽのステージが見えます。時々、選手入場みたいなプラカードに"撮影禁止"なんていう応援メッセージを表記したものを掲げたスタッフが通過し、そのあとを選手入場よろしくキリンさんの着ぐるみだの、イチゴの被り物だの、惣流アスカ・ラングレーのコスプレだのをした観客が付いて歩いていたりするわけですが、われわれ身長の高からぬ者にとっては、本日の出し物はこれにて終了と相成ります。
 場内が暗くなり、メインスクリーンが動き出すと、観客が歓声と共に一斉に立ち上がります。一瞬前までそこにあったはずのステージは泡と消え、あとはK-POPを聞きながら前の人の背中や後頭部のスイングする様を楽しむというイベントが2〜4時間続きます。筆者が目撃したものはけっきょくのところ公演前の誰もいないステージだけです。
 女子アイドルのコンサートともなると、男性客の比率が増大し、運悪く前にラガーマンのような巨人が屹立しますと、暑苦しい背中の壁が視界を埋め尽くすことになります。野郎どもの怒号のような声援に耳を聾されながら、延々と背中の壁を見つめ続けることになります。いかに筆者がオタクで自室に引きこもることを至福とし壁が友だちだとは言え、ラガーマンの肉壁をにらみ続けるのは拷問にほかなりません。なんでも白状するからと許しを請いたくなります。
 長身の方は気にならないでしょうが、短身の人間にとって立ち見は無念です。筆者がコンサートを心底好きにはなれない原因がここにあります。アリーーーーーーーナの末席であったとしても、みんなが座ってさえいれば、小さくてもステージがちゃんと見えます。観賞のルールとして立ち見禁止というのは設定できないものでしょうか。主催者側にしてみれば、入場料さえせしめれば、観客が楽しめなくても知ったこっちゃないし、立って観ることを奨励もしていないので、痛くもかゆくもないでしょうが、アーティストたちにとってはどうなのでしょう。アリーナの前列数列の観客とラガーマンにさえショーを楽しんでもらえたら、あとの有象無象が壁を見つめていようが、オーロラビジョンの映像だけで我慢していようが、どうでも良いのでしょうか。少しでも多くの人に満足していただきたいという思いはないのでしょうか。
 先日は、東京ドームの3階スタンドで、SUPER SHW 6 と称するノミのサーカスを観賞いたしました。風船ドームの天井の形状が子細に観察できるありがたい席は、なんと立ち見禁止と小さく書かれてあります。最前列の壁に、だれが気づくねんていどの小さな小さな貼り紙がありました。そして顕微鏡いや天体望遠鏡が必要なくらい遠くでショーが始まると、観客全員が命じられたように一斉に立ち上がりました。前席は幸いにもラガーマンならぬ女子客で、しかも傾斜があるので油断していると、立ち上がった女子は座高からは信じられないような長身に成長し、目の前に立ちふさがったのでした。サーカスのようなスーパーハイヒールを装着していたのでしょう。立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花という美人を例える古語がありますが、シャクヤクというよりセイタカアワダチソウといった感じでした。ボタンがセイタカアワダチソウに変身です。草葉の陰からノミのような雪アナを垣間見ているような次第でした。

 先日、夢を見ました。少女時代のメンバーと直接友だちみたいに話をしている夢です。寝る前に彼女たちの出演するバラエティを見た影響と思われますが。夢の中で、コンサート観に来て下さいよ、という彼女たちの提言に対して、筆者は、日本ではコンサートはラガーマンかわずかばかりの神席の観客にしか見せないのが常識になっている、そんなもの高い旅費とホテル代使ってまで観に行けないとすねています。  観に行く気になれないけれど、現実はいささか厳しくて、コンサート命の嫁さんが、せっせとカレンダーに予定を記入しているありさまです。この先も、SUPER SHOWの大阪公演や、AFTER SCHOOL、BEAST、SUPER SHOW福岡と予定が目白押しです。……少女時代の追加公演はないのか!

ライヴの良さ

2014/11/12

 ライヴは、アイドルにとって、ファン獲得の大きな機会です。とくに多感な若い人たちは、アイドルを間近に見ることによってファンになってしまうようなことが少なくないようです。これから名前を売り出そうとする新人アイドルには、ミニライヴやショーケース等で観客と身近に接する機会を作るということはたいへん重要になってきます。バラエティ番組に出演し、歌っている姿だけでなく、人となりを見てもらうこともファン獲得の効果は小さくないですね。
 筆者のような老練のジジィともなりますと、女の子がウフとか投げチュとかサラゲーとかやった程度ではなかなか心動くようなものでもありませんで、ファンになるきっかけは、楽曲の素晴らしさが最大の要因になります。もっともK-POPの場合には、聴覚要素以外にビジュアル面の素晴らしさも惹かれる要素として小さくないわけで、楽曲と共にダンス映像を見て好きになることは否めません。T-ARA や SECRET、4MINUTE は、筆者にとって曲の素晴らしさでファンになったアイドルの筆頭ですが、NINE MUSES は絶妙にそろったダンスに、RAINBOW はヘソちらダンスにやられました。少女時代やKARAといったベテラン勢の場合は、曲数も多くその中には必ず魅せられる作品が見いだせるわけで、無関心ではいられなくなります。そうした意味合いで AFTER SCHOOLや SISTAR、missA、APink、Dal☆Shabet といった面々も大きな関心事で、日々韓国でのカムバックを待ち望むわけですが、同じベテラン勢でも 2EN1 はなぜだか最近まで避けて通っていた感があります。今は大好きですけど。彼女たち以降の注目グループは、SPICA(現在はSPICA.S)、AOA、BESTie、LADIES'CODE、STELLA といったところですか。書き漏れの可能性ありですけど。デビューしたもののその後のカムバックが遅れていた間にメンバーの再編成があった Hello Venus もかなりお気に入りですが、このグループは初期の頃からファンだった AFTER SCHOOL との事務所つながりで好きになりました。同様に f(x) は少女時代との事務所つながり、F-ve Dolls は T-ARA との事務所つながりでやはり目が離せません。
 ライヴの良さという話題から少々脱線した感がありますが、かく言う筆者とて、生ライヴに接して心動かないほど石の心臓を有しているわけでもありません。眼前にラガーマンやセイタカアワダチソウが立ちはだかり、ろくに見えもしないライヴではありますが、生はやはり臨場感がちがいます。テレビの歌番やMVでは気づかない、アイドルたちの個性に触れることができます。
 最初にそのことを感じたのは T-ARA のライヴでした。楽曲の素晴らしさに魅せられてCDなど買い始めた頃にたまたま日本公演があって、メンバーも全員把握していない状態でライヴを観に行き、ボラムの存在を知りました。あんなに小さくて人形のように可愛い娘がメンバーにいたんだ。大発見でした。驚きでした。あとで彼女が長女だと知り、目がドットになりましたけど。また、今年の T-ARA のファンミーティングでは、彼女たちのグダグダぶりが可愛かったです。チームに分かれて料理を競うゲームのさなか、MCのお姉さんの言うことなんて聞いちゃいねぇって感じでおふざけしているウンジョンちゃんが、ジヨンに向かってエプロンの端っこをつまんで「1分1秒クッキング」ってやるもんだから「やめてよ」なんてジヨンが照れるわ笑い転げるわ。ジヨンのソロ曲「1分1秒」と「3分クッキング」をかけた絶妙なギャグなわけですが、あれはナイスでした。ウンジョンちゃんのエプロンをチラッと持ち上げるだけの些細な動作に、なぜだかドゥクンドゥクンしてしまいました。
 日本公演では、女子アイドルの日本語の堪能ぶりがよく判ります。概して男子に比べ女子の方が日本語が上手です。言語中枢が女子の方が発達しているのでしょうか。嫁さんは、男子のカンペ見ながらのグダグダ日本語がまた可愛いのだ、と言いますが、それは好きがゆえのひいき目、アバタモエクボってやつでしょう。
 またまた T-ARA の話題になっちまいますが、ソヨンが日本のデパガの「いらっしゃいまへぇ〜」を巧妙に再現して見せたのはお見事でした。

 ライヴでは、アイドルが身近な存在に感じられ、それぞれの個性と共に顔と名前が一致するようになります。そういう経験をみなさんお持ちでしょ? そしてライヴを見てファンになったという経験もお持ちなのではないでしょうか?
 また、アイドルが出演するバラエティやトーク番組で、アイドルに親近感を覚え、好きになったという経験もおありでしょ? そう言う意味合いで、The Show About K-POPという歌番組はバラエティ要素を随所に散りばめており、ファン心理がよく解っているなぁと感じられます。

 ということで、ラガーマンやセイタカアワダチソウの脅威にめげず、これからもコンサートには足を運ぶようにしましょう。ギャグや絶妙トーク、そしてハプニングを期待して。

日本語バージョンってどうよ

2014/11/14

 この際ですからキッパリ言わせていただきます。あたしゃK-POPのファンであって、K-POPが聞きたくてコンサートにも足を運ぶわけさ。テレビの韓国の歌番組でK-POPを見て聞いて、素晴らしいと感じたから、めっさ好きになったから、T-ARAが日本に来るってんで、少女時代が来日するってんで、巨費を投じてわっざわざ東京だの福岡だのに飛んで行くわけさ。福岡では男子しか見てないけど、今んところ。憧れのK-POPアイドルが、ご本人ご一行が、ジャパンくんだりまで飛んできてくださると言うから、たとえ眼前にラガーマンやセイタカアワダチソウが立ちはだかると分かっていても、声は聞こえるじゃねぇかってんで、チラッとくらい生アイドルが見れるかも知れないじゃんとて、新幹線のチケットとコンサートチケットを握りしめるわけさ。最近ではチケボなんていささかムカつくチケットまがいもあるけど。
 少女時代の 2ndジャパンツアーのオープニングは、今思い起こしても血がたぎるほど素晴らしかった。あの GENIE はまさしく神じゃった。ところが、たいへん悲しいことには、まことに遺憾なことには、残念至極にして屈辱的なことには、日本語なのです。CDでは「そおぬまれば〜」って筆者には聞こえた韓国語歌詞が「およびですかぁ」と聞こえたのです。目がドットになりました。なんでやねん、って思いました。たぎった血が一気に引いて貧血になりました。そりゃ、純白のカッコイイ衣装と素晴らしいダンスに、なんでやねんも一瞬で吹き飛んでしまい、感動で涙があふれましたが、血がたぎったり涙が吹き出したり忙しいことですが、日本語はナイよなぁって今でも思います。
 だってK-POPだぜ? 日本人ならぬ少女時代が、日本語で歌うのに払った努力を考えると今度は汗が吹き出しますが、やっぱ韓国語がカッコイイじゃないですか。かつてアメリカンポップ全盛の頃、カーペンターズが、S&Gが、ワムが、カルチャークラブが、日本語で歌ってくれねぇかなぁなんて思いましたか? ロンドンポップも一部混入したけど。西城秀樹がビレッジシンガーズのWMCAをカバーしているのを聞いて、やっぱ日本語最高だぜって思いましたか? ひできファンは思ったらしいけど。
 およびですかぁ、って……。じゃったら少女時代がメリケン国でコンサツしたら、英語で歌うのかよ。THA BOY は歌ってたけど、英語で。ちくしょう。
 少女時代もT-ARAも日本公演では大半の楽曲を日本語で歌いやがりました。そのバイリンガルぶりには脱帽ではありますが、やっぱテレビの歌番やCDで親しんだ韓国語を聞きたいです。だってK-POPだしぃ。しつこいけど。

 嫁さんが大好きな、しゅぱじゅにおの名曲 Mr.SIMPLE にもジャパンバーがありましたね。聞いてて思わず赤面しました。でたぁ、って感じでした。「ほら、ミスタシンポーシンポー、やっちゃえ、やっちゃえ、やっちゃえ、そうさ」って、100回聞いて少し慣れたというかあきらめたって感じですが、最初はナメてんのかって思いました。なに言うてんねん、って感じでした。だって Mr.SIMPLE様だぜ? 菩薩様も目をむく神曲だぜ? 言ってて自分で意味が解りませんが。
 ほかにも数々の素晴らしい名曲が、日本語バージョンで台無しになってる例が山盛りてんこ盛りですが、それをいちいち列挙していると、頭に来てキーボードを押しつぶしそうなので、ここいらでデコチンに冷えぴたでも貼りますけど、世界に轟くK-POPを日本語にするこたぁないと思いますのです。

 ミスターシンポーの、がっちゃがっちゃ朝まで騒いでみよおか、ってとこの踊りは、T-ARAのロリポリだよなって思いつつ、なんで多くのK-POPが日本語化しているのか、素人(スジン)なりに考えてみました。K-POP歌手にとって日本デビューというのは、人気アイドルの登竜門みたいなところがあって、人気が出て集客力がアップしたら、日本デビューして稼ぎ頭になりましょ、というのが筋道みたいです。SISTAR みたいに超がつく一流になっても日本デビューしないアイドルもいますが、T-ARAも SECRET も 4MINUTE も RAINBOW も、人気が出てくると早々に日本デビューを果たしています。
 で、日本デビューとは何ぞいと考えますと、日本のレコード会社と契約して日本語の歌を日本でリリースするということなんですね。まずは韓国でヒットし日本人にもお馴染みの楽曲を日本語にし、日本デビュー曲と銘打って発売し、手応えがあれば日本オリジナル曲も作っちまいます。少女時代やKARAなんかは、もうずいぶん長く日本にどっぷり浸かっておりまして、日本オリジナル曲もたくさんあって、それがやがて韓国語版リリースされるというパターンもあります。おもしろいですね。少女時代のコンサートなどは、日本でリリースされた日本オリジナルのアルバムが中心になりますから、演目の9割方が日本語です。日本オリジナル曲はもちろん、韓国で出された曲の多くも日本語版が出ていますから、韓国語で歌う楽曲はたいへん希少です。
 これってK-POPなのだろうか、ってふと考えてしまいます。かつてのBOA姉さんと同じなんじゃね? BOA姉さんは日本での活動中はJ-POP歌手としてすべて日本語で歌っていました。妹分の少女時代はBOA姉さんの築いた道筋を用いて日本デビューを果たしたのでしょうが、日本デビューして日本オリジナル曲を出すということは……J-POPなのでは? と思いません? かつてアグネス・チャンやオーヤンフィ^フィーがそうだったように。日本の事務所と契約するわけだし。なんかK-POPスターによるJ-POPを聞かされてる感が猛烈にしてきましたよ。少女時代の日本オリジナル曲 Mr.TAXI や PAPARAZZI などはK-POPといってもあまり違和感がありません(筆者の主観です)が、KARAやT-ARAのそれはめっちゃ日本的なのが多かったです。嫁さんがよく聴いていた大国男児では、キャラがすっかり変わっちまってて、めっさクリーミィでしたし。
 世界を席巻するK-POPですから、世界中にファンがいるわけですが、諸外国の人たちは、日本オリジナル曲も聴くのでしょうか。本場韓国の人たちはどうなのでしょう? ファンならすべての曲を網羅したいでしょうから、日本でリリースされたCDも買っているのでしょうか。そしてそれをどのように感じているのでしょう。
 日本ではすでに3年に渡ってツアーを敢行している少女時代ですが、公演内容は日本で10回以上のコンサートを開いたあと、ソウル公演を2回やって終わりといった感じで、世界中のどこよりも本国コリアよりも、日本公演が圧倒的に多いわけです。日本のファンは大喜びですが、思いは複雑です。
 K-POPでは、韓国での新曲発表をカムバックというふうに表現しますが、日本での活動に忙しい少女時代やKARAのカムバックはひじょうに少ないです。毎週3〜4の韓国の歌番組をチェックしている筆者は、夫婦の会話で「もう長いこと少女時代みないなぁ」「そりゃ、ずっと日本に行ったきりだし」「そうか、早く韓国に帰って来ないかなぁ」なんてことになり、「ソシ カムバーク」って自分と同じ日本にいる少女時代の帰国を待ちわびているような次第です。なんだか変です。
 世界のアイドルK-POPスターを極東の某小国が独占しちまってるって、許せます? なかなか帰国しない少女時代を韓国のファンたちはどう感じているのでしょう? ……なんか反日感情めっさ煽ってる気がするんですけど。

 韓国の事務所的には、そしてお国的にも、日本市場の開拓は経済的に良しとするところなのでしょうね。でも日本人でありながら、この事実に一抹の寂寥感を抱くのを禁じ得ません。なんて文学的表現をしてみたところで事態は変わらないわけですが。K-POPファンとしては、日本に行っちまってせっせと日本語曲歌っている状況はやはり寂しいです。大好きな楽曲がコンサートで日本語で歌われるのはわびしいです。わびしいさびしい、わびさびです。日本公演つーてもさぁ、大阪や神戸公演はありがたいですが、東京公演、福岡、札幌公演なんて、あきらかソウルより遠いし。
 少女時代 2ndツアーのソウル公演のDVDを買いましたら、なんと6割以上を日本語で歌ってました。ソウルなのに? 日本オリジナル曲多すぎだろう。これでは韓国アイドルJ-POPを歌うの巻じゃないのでしょうか。
 言ってていささか偏見が過ぎるとも思いますし、気を悪くされる読者もいるかもですが、商業歌手であるとは言え、日本主体が過ぎる気がします。筆者ばかりではなく周りの人たちからも、日本語が多すぎる、日本語バージョンはもういいという声を聞きますし、コンサート会場でもそういう声が漏れ聞こえて来ました。日本のレコード会社としては自社からCDを出さないことには、K-POPスターを日本デビューさせる意味はないし、韓国の音楽事務所的にも収入面でのメリットが小さくないのでしょうが、なんだか異様な現象です。1980〜1990年代の洋楽ブームでは、日本語で歌ってくれる外国人歌手はいませんでした。洋楽の日本語バージョンは日本人歌手のカバーのみでした。
 K-POPを日本語に訳されて喜んでいる日本人は多くはないと思います。少なくとも筆者はそういう人を知りません。韓国人やその他の国々のK-POPファンはどうなのでしょうね。
 こうした意見が業界の事情を知らない素人の考えであることは解っています。解っていますけど、主張は下げません、ええ下げませんとも。なぜなら、K-POPが業界に精通した人だけのものではないはずで、素人もファンになって良いはずだからです。
 最近、周りの人たちは、もういいよ、日本語にも慣れたよ。歌詞を気にせず歌声だけ聞いていればあまり気にならなくなってきた、そんなふうに言う人も増えてきました。じゃあ、日韓両方のCDを持っているならどっちを聞くよ? と尋ねたら、家で日本語はナイわぁ。日本オリジナル曲は仕方ないけど。コンサートでは仕方なく日本語に慣らされただけだよ、そんな返事が返ってきます。慣らされるが、飽きるにつながらないといいですけどね。
 かつて絶対不滅と思われた洋楽が下火になったように、K-POPもいずれはブームが過ぎるかもしれません。業界がそれを知ってて刹那的な儲け主義に盲信しているのであれば、悲しいことです。

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